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2017年 11月号

 一、今年もあと一月  いつもお世話になりありがとうございます。  日に日に秋も深まってまいりました。北国では、例年にない積雪です。このあたりでも、真冬の寒さを感じるようになりました。  つるべ落としとはよく言ったもので、晩秋は日照時間が短くなるので、これから自宅で過ごす時間が長くなってまいります。コタツなど出してしまうと、ついつい間食し、家の中を動くのも億劫になり太ってしまうわけです。昨今炭水化物の弊害が取りざたされていますが、皆様も十分お気を付けください。  今年もあと一カ月、師走を残すのみとなりました。今年は皆様にとってどんな年になったのでしょうか?  二、好況持続と財務バランス回復  今月は急激に気温が低下した関係で、防寒物はb×cブランドしかないリミットとしては、絶好調だった昨年同月の業績に比べると、苦戦を強いられたことになります。それでも大口物件はたくさんご注文いただき、来月は期待がもてそうです。今年は景気が上向き、企業業績の好調が目立ちだしました。日経平均株価も二十六年ぶりに最高値を更新しました。企業の好況感は、確実になっているのかもしれません。その反映でしょうか、ユニフォームをリニューアルするためのご注文が近年になく多かったように感じます。ユニフォーム業界とは、景気動向に販売が大きく左右される業界であることを今さらながらに痛感いたしました。  世界的にはまだまだ問題が山積しておりますが、なんとか東京オリンピック開催の年まで継続してくれないかな、と心の中で願っております。というのも、ようやく今期限りで、リーマンショックで大きく棄損した財務バランスを元の形まで戻すことができそうだからです。リミット代表となりはや九年、ようやく本当の意味での第二創業が来期より始まります。財務が回復し、家業からの脱皮、体系的な組織運営を目指して、いよいよ就任十年目になる来年度は、二〇二〇年をめざして、リスタートの年と自ら心に決めております。  三、来場者と違和感、驕りに猛省。     大阪展示会  今月初旬、インテックス大阪で開催された業界展示会に三日間出展してまいりました。毎年一度の展示会出展はいつも横浜ですので、関西での展示会は初めてでした。当初の予定では、関東の展示会には気安く行けない関西や中国、四国、九州のお客様がお越...

2017年 10月号

   一、努力の花が足蹴にされている  いつもお世話になりありがとうございます。  実りの秋を迎えましたが、台風が前線を刺激して、冷たいススキ梅雨が続きました。季節は一足飛びに冬を感じさせます。この時期、私は通勤途中に金木犀の香りを楽しむのが恒例なのですが、今年は急激な気温の変化で、二度ほど咲いて無残にも雨に散ってしまいました。  その様子に、私はあることに気づきました。それは、かつて「安かろう、悪かろう」という罵倒に耐え、日本製品の品質を世界一にまで押し上げた先人たちの必死の努力が咲かせた花を、偽装天国という無責任社会の雨の路傍に無残にも足蹴にする日本産業界の現実です。世界市場で不動の地位を獲得しているかのように言われてきたのですが、多くの一流企業が、不正や放漫経営で行き詰まり、国際化という美名のもとで、海外の企業に買いたたかれ続けています。  花を咲かせた時代から、気がつけば製造業界だけではなく、いつの間にかありとあらゆる業界で、本当の意味での収穫もなく企業が消えていきます。同じ時期に度重なる車の危険運転問題などに見る日本人の倫理観の低下が目に付くのは、偶然でしょうか。逆に、正直で謙虚で真面目な日本人が消えていくことが、産業界の不祥事をもたらしているのでしょうか。倫理観溢れたあの産業のイメージはどこへいってしまったのでしょうか。  今回の度重なる失態は、自分自身を省みる良い機会になりそうです。  二、来期カタログ、全面リニューアル  さて、ビジネスは、今年最後の最盛月を迎えました。初旬までは、秋らしい気候に助けられ、定番商品を中心に大口受注の好調が続いていたのですが、中旬からの秋雨で気温が一気に下がり、防寒衣料需要に切り替わりました。天候予想では、台風通過後気温が少し上昇するという発表がありました。屋内作業用の製品が多いリミットは、いわゆる防寒用品を多くもたないので、もう少し秋が続いてくれることを望んでいます。  すでに企画部門は新商品を完成させ、京都・神戸に持ち込み、来年度の新カタログ撮影を済ませたところです。「更に使いやすく、更に伝わるカタログを」ということで、来年度のユニウェアカタログはページ数も大幅に増やし、全面リニューアルします。どうぞ来年二月にお手元に届くリミットの営業マンたちを可愛がってやってください。 ...

2017年 9月号

 一、今、解散・総選挙が必要か?  いつもお世話になり、ありがとうございます。  虫のこえにもののあわれを感じる季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?  この時期は、昨年もそうでしたが、台風による災害が心配です。先般日本を縦断した台風十八号は珍しく瀬戸内海を通過しました。シルバーウィークの連休中だったこともあり、地元でも秋のイベントが多数組まれていましたが、台風で中止になったところが多かったようで残念です。  ですが、あまり悠長なことを言っておられなくなったようです。秋の深まりと共に政治の混とんも深まりました。臨時国会冒頭の衆議院解散が確実だそうで、そうなると十月下旬には投票という日程のようです。海の外では北朝鮮問題解決の糸口がまったく見えず、国内には腰を落ち着けて対処しなければならない問題が山積みの中で、行政の長が、一月ほど前に語ったこととまったく異なる執政をするのでは、この混迷の時期に国の安寧をどのように保つのでしょうか。今、総選挙に時間とコストをかける必要があるとはどうしても思えないのですが、皆さんはどうお考えですか?  二、思いつめ込む「UNIWEAR」チラシが好評  今月中旬から、出荷は、本格的に秋冬物に切り替わりました。経済状況が堅調に推移している影響もあるのでしょう、順当にご注文を頂いております。今月は、昨年対比二桁増ですが、昨年の出荷が少し不調だったので、例年並みの出荷量といったところです。  毎月このリミット通信に同封させていただいております「UNIWEAR」チラシでご紹介している商品の売れ行きが特に好調です。先般ご紹介したキュロットに、一気に注文が殺到しました。「UNIWEAR」チラシは、回を重ねるごとに改良を重ね、グレードアップしております。そのときどきにあわせた旬なユニフォームを厳選してご紹介しております。  「UNIWEAR」チラシは、カタログには掲載できない、製品の作り手としての想いや商品特徴をぎっしり詰め込んだチラシです。毎月企画担当者たちは、頭を悩ませつつも、いきいき制作しております。エンドユーザーへの販促として活用していただきたいと思います。ご意見ご要望ご感想などありましたら、遠慮なくお客様サービスセンターまでお知らせください。苦情、おしかりも大歓迎です。  三、笑顔、皆がつな...

2017年 8月号

 一、お盆休みはいかがでしたか?  いつもお世話になりありがとうございます。  お盆を過ぎて、少し空の青が濃くなり、日差しが幾分和らいだような気がします。今年は山の日の祭日を挟み、長いお盆休みのところも多かったのではないでしょうか。いかがお過ごしでしたか。皆様も、お墓参りに行かれ、心静かにご先祖に手をあわせられたのではないでしょうか。何をご報告されましたか。私は今年前半の無事を感謝し、後半も何事もなく平和に乗り切れますようにとお参りいたしました。  二、難しい廃番・リニューアル・新商品   投入の見極め  今月も夏物の受注は引き続き順調です。来月以降の指定納期もそれなりに入っています。秋雨前線が早い時期に活発化すれば、秋冬物商品への移行が前倒しになります。また、薄手の長袖など季節と季節の間の端境期商品が久しぶりに注目を集めるかも知れません。 最近、杢調が特徴的で底堅い人気があったジャケットの生地が生産中止となりました。生地がなければ廃番になってしまいます。しかしこの杢目が好きで着用していただいていたお客様は困ってしまいます。時間をかけてこの杢調に似た生地をさがし、既存製品のイメージを大切にしたデザインでリニューアルすることにしました。  一方、昨今、売れ筋商品が毎年のように変化しています。そして、その予測が難しいので、多品種を備蓄しなければその変化に対応できません。大量の備蓄にはリスクがともない、それは年々高まっています。在庫を極力少なくしながら廃番にする商品を見極め、それに新商品を置き換え続けることがアパレルの使命です。  海外の委託工場で数年間分を一気に生産し、製造コストを下げる生産方式では、まさしく資金力の競争になります。途中のサイズ切れや在庫切れは一切フォローしないというのでは、販売店かあるいはエンドユーザーがある程度在庫をもたざるを得なくなります。販売店では、そうなるといきおい抱えた在庫を優先販売するのに躍起になってしまいます。  リスクを警戒してそれに備え、かつリスクをとりながら挑戦しなければならない、というのは大変難しいものです。  三、一般衣料業界の動向に危機感  最近、一般衣料の通販が急速な伸びとともに、一種の地殻変動が起きているかも知れません。お客様から求められなければ、一切声掛けをしない専門...

2017年 7月号

   一、過酷な気候変動  いつもお世話になりありがとうございます。  今月五日から福岡・大分両県に未曾有の豪雨が襲いました。気象庁が九州北部豪雨と命名したこの災害の被害は甚大で、土砂災害や大洪水が相次ぎ、多くの命が奪われました。未だに安否不明の方もおられます。  被災された方々には心からお見舞い申しあげます。健康と安全に留意され、一刻も早く生活再建と地域の復興を実現されるようお祈りいたします。  豪雨は各地で観測されましたが、皮肉なもので、一方では水不足が懸念されています。関係行政機関は、関東ではダムからの飲料水と農業用水の取水制限を公表し、市民には節水を呼びかけています。広島でもゲリラ豪雨は記憶にあるのですが、梅雨らしいシトシト雨が優しく続いた印象がありません。  このアンバランスさが、気候変動の不気味さと残酷さを物語っているように思えてなりません。  二、酷暑と持続する受注  梅雨明けとともに厳しい暑さがやってまいりました。三十度を超える真夏日が続いていることが強く印象に焼き付きます。発表される気温は、百葉箱でのことで、私たちの身の回りでは、もっと高温になっています。  この酷暑で皆さま体調など崩されてはいませんか?私は先日、睡眠中の冷房の効かせすぎで、明け方に左足がこむら返りになり、酷い目にあいました。適切な室温管理を心掛け、熱中症などにはくれぐれも気をつけてください。健康を害するようでは元も子もありません。  ところで、例年ですと徐々に夏物出荷が減って閑散期に入るところです。しかし、このような連日の酷暑を反映しているのでしょうか、夏物の大口注文も引き続き入り、順調な出荷を維持しています。働く人たちの現場は、本当に暑くて大変だと想像しますが、それが売り上げに繋がっているのであれば、なんとも言いようがありません。  三、九州地区のお客様訪問を終えて  今月はリミットお客様サービスセンターの担当者が二日間の日程で、九州地区のお客様訪問を実施し、意見交換・情報収集をしてまいりました。九州地区でも市況は相変わらず横ばいが続き、景気回復を体感するまでに至ってない現状を改めて確認いたしました。ネット販売が増加傾向にある中、取扱いアイテムのジャンルを増やすことで既存顧客との関係をより深く構築することを、訪問先の皆さ...

2017年 6月号

 一、ある経営者の偲ぶ会で  いつもお世話になりありがとうございます。  心なしか沈んで感じる空気にクチナシの香りが似合う季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は、今月経験した多くの交流の中から、三つの印象深い事柄について書いてみようと思います。  まず一つ目は、人として、また経営者として、私が畏敬してやまなかった方についてです。その方が鬼籍に登られたことは、前々号でご紹介しました。今月中旬、その方を偲ぶ会がしめやかに執り行われました。各方面にご功績のあった方でしたので、会場にはたくさんの方々が業界の枠を越えて最後のお別れに参集されていました。  企業経営を通じての交流でしたが、私にとっては、経営者の佇まいとはいかなるものかを教えてくださった偉大な方でした。私は、優しい表情のご遺影のもとに献花し、ご冥福をお祈りしました。そして、リミットにどんな危機が訪れようとも、あなたに習い真正面から受けて立ちますのでどうぞ見ていてください、と決意のほどをお伝えいたしました。  二、病院へのお見舞いでのこと  次の話題は、ある総合企画プロデューサーについてです。その方は、リミットのフォーマルブランド「リフィン」の立ち上げ以来、十四年間にわたってご指導してくださっています。先般、体調を崩され入院されたということで、お見舞いに行ってまいりました。いつも独創的で、パワフルで、高所に立って私たちの発想の殻を破るご指導を、毎月企画会議でご指導くださいました。  点滴を受けながら、ベッドに横になったお姿。虚空をさまようかのうつろな目。病室に入って飛び込んできたのは、以前の先生からは想像できない様子でした。一瞬、来たことを後悔しました。  それでも、来春カタログ作成の進行状況や新商品のご相談などを持ちかけますと、以前の鋭い眼光が戻ってきました。入院以来、ずっと毎日温めておられていた構想が止めどもなく口から溢れ出て、一時間くらい私たちは至福の時間を過ごすことができました。最後に先生は「こうして横になっていても、四六時中、やりたいアイデアが次から次に浮かんでくるんだ。それなのに、それなのに身体が・・・」と声を震わせ、悔し涙を浮かべておられました。鬼気迫る先生の相貌に、私は鳥肌が立ちました。  先生、大丈夫です。ご安心ください。先生の哲学はこ...

2017年 5月号

 一、少子化と伝統の継承と  いつもお世話になりありがとうございます。  初夏の日差しに、木の葉がつやつやと輝いております。街では、半袖姿の人も多く見かけます。クールビズはすっかり定着し、軽装での取引先訪問にも違和感を全く抱かなくなりました。皆様、お変わりございませんか。  今年も子どもの日には、自宅裏の稲荷神社で恒例の春の祭礼を執り行いました。近所の組内の皆さまと境内の周りを掃き清めた後、備後吉備津神社の宮司さんに祝詞をあげていただくだけの簡素なお祭りです。かつては、「お接待」といって、子どもたちにお菓子などを振る舞って賑やかでしたが、今ではその風習は廃れてしまいました。  近所のお年寄りによると、昔は稲荷神社の前に、四ツ堂という宝形づくりの屋根に四本柱の吹き放しの建物があり、大勢の子どもたちにお接待を配った後、そのまま近所の皆さまの宴会になっていたそうです。お堂は、堂宇と呼ばれ、圧倒的に備後地方に集中していています。福山城の開祖、水野勝成公が自身の流浪時代の経験から、旅人のための休み堂として領内に作らせたという逸話が残されています。  そうした話を聞けば聞くほど、少子高齢化が容赦なく進行する今、これまで続けてきた伝統行事を続けてゆくことの大切さと難しさを痛感します。  二、「アマゾン」での販売好調のわけ  今期業績の特徴としては、小口案件が増えていることです。まだまだ巷間言われるような景況を実感できず、必要アイテムを必要枚数だけ購入されるお客様が多いのではないでしょうか。  今季は、気候に助けられているようなところもあります。昨年は四月後半に急に気温が上がり、連休後は天候が不安定となって、最盛期であるはずの五月の業績が振るいませんでした。それと比べると、今年は連休から夏日の日もあり、今のところ微増の模様です。  一方、「アマゾン」での販売が、今期は昨年の倍の受注件数で好調のようです。出荷の商品傾向を見ると、連休明けからは、オフィス向けの夏物アイテムを中心に好調です。たとえば、オーバーブラウスや半袖定番が中心です。しかし、夏物スラックスなどは例年ほど動きが見えません。春夏・秋冬物と分別していたものを、肌着などをうまく融通してオールシーズン物を一着だけ、といった工夫するユーザーが増えてきているのかもしれません。こうしたユ...

2017年 4月号

 一、偉大な経営者のご逝去にさいして  いつもお世話になりありがとうございます。  光る風に萌黄色の新芽がなびくころ、思いもかけない哀しい知らせが届きました。去年、あんなにうれしそうな顔を見せてくださったのに。いつもこのリミット通信を読んだ感想をわざわざ伝えてくださるほど、気にかけてくださっていたのに。残念でなりません。尊敬していた偉大な経営者は、散る花のごとくこの世を後にされました。教えていただいたたくさんのお言葉を胸に、真っすぐ前を向いて歩み続けます。どうか天より先代と一緒に見守っていてください。今まで本当にありがとうございました。  二、可能性あふれる中国新工場  先月の中国工場の話題の続きです。新しいきれいな工場に引っ越しをしました。何ら違和感がありません。以前からここにいたのではと勘違いするほど整然とラインが流れ、順調に製品ができ上がっていました。これでいろいろなトラブルに見舞われましたが、まずはひと安心です。広さも十分余裕があり、いつでも増産態勢にもってゆけます。新しいサインボードの掲げられた四階建て工場を眩しそうに見上げながら、武者震いした訪中となりました。  三、不確実な受注から予測可能へ  今月は花見日和とまとまった降雨が短いサイクルで続きました。また、昨年に比べ肌寒い日が多かったように思います。そのせいか、出荷状況も現時点では秋冬物が六割、春夏物が四割といったところです。連休明けに定番の春夏物が一気に動きそうな予感です。  数年前から受注状況は、ここのところの空模様と一緒で、ネット注文やFAXが怒涛のごとく入り受注処理に追われる日の翌日は閑散としているという繰り返しで、明日が全く読めません。営業が毎日動いていれば、近日中にどのような注文をいただけるか見当がつきます。しかし、リミットは、営業マンがいない通信販売の企業なので、そういう方法で販売予測ができません。大口注文の追加に備える、あるいはモデルチェンジに際しては、余計に在庫を準備しておく必要がありました。それを勘に頼るのではなく、過去の個別の実績データから販売が期待できる時期やシーズンを計算します。それに基づきFAXなどで事前にお問い合わせを入れ、適正在庫を維持するようにしています。営業にかかる余計な時間を、過去データを基に次の戦略構築につなげるための分...

2017年 3月号

 一、定番商品の取引増える  いつもお世話になりありがとうございます。  うららかな春の日差しに、心まで晴れやかな今日この頃です。春は別れと新たな出会いの季節です。リミットも働く女性たちとのたくさんの出会いを通じて、彼女たちが職場で、自然と柔らかな笑顔になれる製品をお届けできるようがんばります。  今月も販売は、先月までの好調さを持続しており、残り半月このままキープできれば微増といった予想です。月はじめは、ここ数年動かなかった商品に動きがみられ驚きました。また、販売予測がはずれているのではと、戸惑いも感じました。しかし、中旬以降はやはり、定番を中心に納期指定の取引が多くなりました。春めいてきたので注文が前倒しとなり、春夏商戦終盤で息切れするのか。それとも昨年買い控えたユーザーが購入し始めたのか。今のところ、解釈は様々ですが、数カ月後には結果がわかります。  二、「ディープ・ワーク」、    未来が見えない時代のために  ほぼ一カ月毎日、マスコミ、 SNSでは政治とお金の問題に話題が集中しています。一方で、見落とせないことがあります。それは、業績が好調な業界でも賃金上昇が鈍り、官製春闘がいよいよ最終局面を迎えてきた感がすることです。賃金に関しては、トランプ大統領の政策に危機感をもつ経済団体連合会(経団連)が、政権の思惑と離反しています。金融についても日銀が金融緩和の縮小を始め、いよいよ長期金利が上がりはじめました。今後、短期金利も上昇を始めると、いよいよ物価が上昇し始め、今までの様相が大きく変わってくるのではないでしょうか。  市場では、まだ安売り競争が続いております。しかし、人口減少時代を迎え、価格を下げたからといって、決して市場全体の販売数量が伸びる環境にはなりません。それに、官製春闘程度の賃金上昇では、個人消費を刺激しないことも明白になりました。いきおい販売する側は、ともぐい状態になるのでしょうが、その先に未来はありません。何度も申してきましたが、価値ある製品を大事に作り、その価値をユーザーに丁寧にお伝えしてゆかなければ生き残れない時代になりました。  そのためには、正確な情報発信が必要だと、先月もこの通信で書きました。しかし、我が身を省みると、右から左へと頭の中を通過してゆく情報はとりとめなく雑多で、膨大な情報量になり、...

2017年 2月号

 一、皆さまから直接学ぶ意味  いつもお世話になりありがとうございます。  花の季節が近づいてくると、小鳥のさえずりが一段と元気に聞こえます。  二月は、駆け足で過ぎゆき、いよいよ春夏商戦の到来です。「伝える」から「伝わる」を今年のテーマにして新しい年はスタートしましたが、リミットお客さまサービスセンターがこの閑散期を利用して、早速、このテーマを実践してくれました。ご協力してくださった皆さま、本当にありがとうございました。  通信販売のメーカーとして過去一貫して意識してきたことは、お客さまに情報を取りに来ていただくのではなく、正確で鮮度の高い情報を自ら発信できるメーカーになる、ということでした。しかし、急激にデジタル・コンテンツが主流の時代になり、さまざまな情報が洪水のようにビジネスの世界にも溢れています。いつでも、誰でも、どこからでもニーズに即した情報を簡単に取捨選択できる時代になりました。その中には、いわゆる「フェイク・ニュース」も混在しています。そうなると、自らが発信している情報が果たして本当に正確で最新のものなのか、と疑問を感じることも増えてきました。  「制服を通して、働く女性たちを毎日笑顔で輝かせたい」という気持ちはメーカーも販売店も同じベクトルだと思います。それならば、リミット自体が積極的に販売店やエンドユーザーのもとに情報収集に動き、自ら学ばなければならないことがたくさんあることに気づきました。また、その情報を共有することも重要だと考えました。情報収集と発信に柔軟な対応をすることと、先代社長の時代から培ってきた経営スタイルを、信念をもって貫くこととの間には、ある意味相反するところがあるように見えます。しかし、私の目指すところはスタイルを変更することではなく、いわば行動のベクトルを少し平行移動しただけです。最終的には真理は一つだと考えます。  エンドユーザーの方々と直接顔を合わせておられる販売店の皆さま方からの生きた情報は、何にも勝る成長の糧です。今までよりもっと笑顔で過ごせる女性制服を創ってまいりたいと思います。便利で使い勝手の良い品質の商品を提供することは、ユーザーの生産性の向上に直結し、また私たちの成長にも関係します。  二、緊張感あふれるカタログ出陣式  大安の今月七日、今年もリミットは、新市町の配送セ...

2017年 1月号

 謹賀新年  今年もよろしくお願いいたします。  寒さのなか、梅が小さなつぼみを枝いっぱいにつけています。こちら広島の年末年始は暖かく穏やかな毎日でしたが、やはり大寒を迎え、週末ごとに雪化粧の日も。  一、あるパイオニアの倒産  私にとって非常に残念なニュースがありました。米国のアパレル専門店チェーンのリミテッドが破綻しました。九十年代半ば、紡績会社主催の米国アパレル流通業界視察研修で見たリミテッドに、私は、率直な感動を覚えました。同社は、地味だった普段着にファッション性を取り入れ、商品を自社開発し短サイクルで回すといった、今日のH&Mやユニクロの先駆といえるビジネスモデルを構築したと言えるでしょう。まさにパイオニアでした。業績急成長を背景に多角化経営にも乗り出し、業績が悪化すると不振部門を売却するといった生き残り策を繰り返していましたが、自らの変革が遅れ、新たな方向性を打ち出せず、ついに消えてしまいました。  さて、当社も昨年は、厳しい局面もありましたが、今年は地道に努力してきた成果がでる素晴らしい年になります。どんな厳寒でも、必ず春の訪れがあります。世界的には、イギリスのEU離脱と、アメリカのトランプ新大統領就任によって、本格的に政治が経済を動かす時代に入りました。今年は世界秩序が大きく転換し、ビジネス環境も変化する年になるでしょう。  二、減収増益決算でさらに前進  新春一月は当社の決算月です。  例年、秋冬商戦終盤にあたる前年十一月以降は、販売状況は、終息気味になるのですが、冬将軍が遅れたことにより二桁増収が続き、今月もその流れに乗っています。それでも春夏物の低迷が影響して、最終的にはわずかに減収になりました。もっとも利益は、経費削減が功を奏し、増益で決算することができました。  来期は繁忙期における更なる短納期化を目指し、新型CAMを新市工場に導入します。リミットにとって五世代目の新鋭裁断機になりますが、技術進歩は目覚ましく、裁断工程が現状の倍速になります。  二〇一七年度リミット新カタログも、二月発刊を前に企画は最終チェックに入っております。皆さまとともに創り上げた新商品が登場しますので、こちらもお見逃しないように。また、お客様サービスセンターでは、以前から続けております「『伝える』から『伝わる』情報交流」...