2017年 2月号



 一、皆さまから直接学ぶ意味


 いつもお世話になりありがとうございます。

 花の季節が近づいてくると、小鳥のさえずりが一段と元気に聞こえます。

 二月は、駆け足で過ぎゆき、いよいよ春夏商戦の到来です。「伝える」から「伝わる」を今年のテーマにして新しい年はスタートしましたが、リミットお客さまサービスセンターがこの閑散期を利用して、早速、このテーマを実践してくれました。ご協力してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

 通信販売のメーカーとして過去一貫して意識してきたことは、お客さまに情報を取りに来ていただくのではなく、正確で鮮度の高い情報を自ら発信できるメーカーになる、ということでした。しかし、急激にデジタル・コンテンツが主流の時代になり、さまざまな情報が洪水のようにビジネスの世界にも溢れています。いつでも、誰でも、どこからでもニーズに即した情報を簡単に取捨選択できる時代になりました。その中には、いわゆる「フェイク・ニュース」も混在しています。そうなると、自らが発信している情報が果たして本当に正確で最新のものなのか、と疑問を感じることも増えてきました。

 「制服を通して、働く女性たちを毎日笑顔で輝かせたい」という気持ちはメーカーも販売店も同じベクトルだと思います。それならば、リミット自体が積極的に販売店やエンドユーザーのもとに情報収集に動き、自ら学ばなければならないことがたくさんあることに気づきました。また、その情報を共有することも重要だと考えました。情報収集と発信に柔軟な対応をすることと、先代社長の時代から培ってきた経営スタイルを、信念をもって貫くこととの間には、ある意味相反するところがあるように見えます。しかし、私の目指すところはスタイルを変更することではなく、いわば行動のベクトルを少し平行移動しただけです。最終的には真理は一つだと考えます。

 エンドユーザーの方々と直接顔を合わせておられる販売店の皆さま方からの生きた情報は、何にも勝る成長の糧です。今までよりもっと笑顔で過ごせる女性制服を創ってまいりたいと思います。便利で使い勝手の良い品質の商品を提供することは、ユーザーの生産性の向上に直結し、また私たちの成長にも関係します。


 二、緊張感あふれるカタログ出陣式


 大安の今月七日、今年もリミットは、新市町の配送センターにおいて、二〇一七年度カタログ出陣式を無事執り行いました。祝詞は例年同様、備後吉備津神社の宮司様にお願いしました。リミット各部門の従業員も出席しました。DNP大日本印刷様や福山通運様からもご列席いただきました。改めて心からお礼を申し上げます。

 カタログは、リミットの営業マンであり、「働く女性にもっと輝いてもらいたい」という私たちの願いが詰まっています。カタログ出陣式は、決算が終わり、新たな期首の始まりを告げるいわば号砲です。毎年積み重ねてきたリミットの最も大切な行事です。販売商戦としては閑散期にあたる時期の行事ですが、私は毎年、このカタログ出陣式からの一カ月に一番プレッシャーを感じます。先代社長もいつもこの時期には、ピリピリしていて、毎日早朝から矢継ぎ早に新しい指示を出ていたものでした。

 時折突風が吹くなか、ひな壇にうずたかく積まれたカタログたちは、ちんとしたまま何を想っていたのでしょうか。前年から一年近く、いろいろな人のご協力を経て完成したこの魂のカタログたちに、私はどんな後押しができるのだろうか?ここに集まったリミット各部門の従業員たちにどんな後方支援を指図すれば、このカタログは喜んでくれるのか?宮司様にお祓いしていただいている間にも、こんなことを考えているといつも気が焦って、出陣式を非常に長く感じるのです。


 三、二桁増収へ、真価発揮の予感


 期首の二月は、昨年度の好調な流れが続き、現時点で二桁増収の予感です。一番気になる今年の天候は、現時点ではエルニーニョやラニーニャ現象も発生せず、夏にかけて平常の状態が続く可能性が高いと発表されています。昨年は春夏商戦が苦戦しましたので、今年は期待しております。

 今月はすでに夏物大口の動きも出てきており、製品在庫を増やした効果も出始めています。生産面では、お知らせしたように中国福州工場は昨年末、新しい工場に無事移転しました。その後の生産は、順調です。毎年春節明けに心配する従業員の欠員はなく、労働力の面からも安定した稼働が続いています。国内に目を転じれば、素人集団で再スタートした出雲工場もいよいよ三年目を迎えました。生産力も徐々に向上し、今年の繁忙期は、いよいよこれまで積み上げた取り組みの真価が問われます。

 そして私は、早くもその真価を発揮する予兆を感じています。これから春を迎える新市工場は、ブラックフォーマルウェア生産が一段と活気を帯びてきたのです。ここから更に高度な技術力とスピードアップを実現すれば、もう一段上のステージへと上ることができます。そうなると今年は一気に飛躍の年となるでしょう。



  二〇一七年二月二十五日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有木宏治

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