2017年 1月号
謹賀新年
今年もよろしくお願いいたします。
寒さのなか、梅が小さなつぼみを枝いっぱいにつけています。こちら広島の年末年始は暖かく穏やかな毎日でしたが、やはり大寒を迎え、週末ごとに雪化粧の日も。
一、あるパイオニアの倒産
私にとって非常に残念なニュースがありました。米国のアパレル専門店チェーンのリミテッドが破綻しました。九十年代半ば、紡績会社主催の米国アパレル流通業界視察研修で見たリミテッドに、私は、率直な感動を覚えました。同社は、地味だった普段着にファッション性を取り入れ、商品を自社開発し短サイクルで回すといった、今日のH&Mやユニクロの先駆といえるビジネスモデルを構築したと言えるでしょう。まさにパイオニアでした。業績急成長を背景に多角化経営にも乗り出し、業績が悪化すると不振部門を売却するといった生き残り策を繰り返していましたが、自らの変革が遅れ、新たな方向性を打ち出せず、ついに消えてしまいました。
さて、当社も昨年は、厳しい局面もありましたが、今年は地道に努力してきた成果がでる素晴らしい年になります。どんな厳寒でも、必ず春の訪れがあります。世界的には、イギリスのEU離脱と、アメリカのトランプ新大統領就任によって、本格的に政治が経済を動かす時代に入りました。今年は世界秩序が大きく転換し、ビジネス環境も変化する年になるでしょう。
二、減収増益決算でさらに前進
新春一月は当社の決算月です。
例年、秋冬商戦終盤にあたる前年十一月以降は、販売状況は、終息気味になるのですが、冬将軍が遅れたことにより二桁増収が続き、今月もその流れに乗っています。それでも春夏物の低迷が影響して、最終的にはわずかに減収になりました。もっとも利益は、経費削減が功を奏し、増益で決算することができました。
来期は繁忙期における更なる短納期化を目指し、新型CAMを新市工場に導入します。リミットにとって五世代目の新鋭裁断機になりますが、技術進歩は目覚ましく、裁断工程が現状の倍速になります。
二〇一七年度リミット新カタログも、二月発刊を前に企画は最終チェックに入っております。皆さまとともに創り上げた新商品が登場しますので、こちらもお見逃しないように。また、お客様サービスセンターでは、以前から続けております「『伝える』から『伝わる』情報交流」の一環としての情報交流訪問で、さらに前進したいと思っております。皆さまのところにお邪魔した際には、どうぞよろしくお願いいたします。
三、急転直下、福州工場軌道にのる
またまた中国・福州から驚きのニュースが飛び込んできました。前回リミット通信でお知らせしましたように十一月中旬に訪中し、新工場の移転先を決定して、安心して帰国しました。そしてこの『通信』の十一月号で皆様にもご報告したのです。ところが、『通信』をお送りした二日後、福州の総経理から連絡があり、予定物件を他の企業に横取りされたというのです。より高額の家賃を払う借主が現れ、既に正式な契約を交わしたのです。これには私以上に総経理も腹を立て、貸主にさんざん抗議をしたのですが、もはやどうにもなりません。
結局、計画は振り出しに戻りました。物件探しの再スタートです。師走の中旬、私も気が焦り総経理に連絡を取ると、いろいろと新しい物件には出会ったものの、私と専務の訪中時に見学した二つの候補物件に勝るところがないというのです。十二月末まで探してないようなら、もう一方の最初に見学した物件で決定せざるを得ない、ということでした。そこは、四階建の四階でした。
その物件には、私も専務も好印象をもっていました。オーナーにもお会いしていました。オーナーは、日本に在住していたこともあり、日本語で楽しく歓談しました。場所もキャンセルされた物件のすぐ近くで、私はそこならすぐにでも決定を、と申し出たのですが、総経理は期限ぎりぎりまで他も探すということでした。そのうち年末年始の休みに入り、元旦の出雲参拝では、皆さまへの年賀と共に、大国主命によくよく福州新工場のことをお願いいたしました。年が明け四日、新市での新年互礼会の後、メールをチェックしてみると総経理から新工場に無事移転し、五日より本格生産を開始する知らせを頂いていました。移転先は、結局もう一つの印象がよかった物件でした。面積も希望していた千百㎡。家賃は契約し損ねた物件より安く、有利な条件でした。
一番気になっていた従業員の確保に関しては、五名が退職しただけで、他は全員残ってくれました。退職の理由は、移転したことで自宅との距離が延びて、通勤が困難になったことでした。大変残念ですが、致し方ありません。
年末二十八、二十九日の両日で移転を完了し、一週間かけて整理整頓をしたそうです。日本側が休暇になっているのを知っていて、私にゆっくり休んでもらいたかったのであえて連絡はしなかったそうです。総経理の優しさに感謝する反面、「早く言ってよー」、と気が抜けた年明けでした。私にすれば、急転直下の一件落着でした。
これで皆さんのご期待に百二十%お応えする体制が整いました。今年も女性物のことならリミットに、ご期待ください。
二〇一七年一月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
今年もよろしくお願いいたします。
寒さのなか、梅が小さなつぼみを枝いっぱいにつけています。こちら広島の年末年始は暖かく穏やかな毎日でしたが、やはり大寒を迎え、週末ごとに雪化粧の日も。
一、あるパイオニアの倒産
私にとって非常に残念なニュースがありました。米国のアパレル専門店チェーンのリミテッドが破綻しました。九十年代半ば、紡績会社主催の米国アパレル流通業界視察研修で見たリミテッドに、私は、率直な感動を覚えました。同社は、地味だった普段着にファッション性を取り入れ、商品を自社開発し短サイクルで回すといった、今日のH&Mやユニクロの先駆といえるビジネスモデルを構築したと言えるでしょう。まさにパイオニアでした。業績急成長を背景に多角化経営にも乗り出し、業績が悪化すると不振部門を売却するといった生き残り策を繰り返していましたが、自らの変革が遅れ、新たな方向性を打ち出せず、ついに消えてしまいました。
さて、当社も昨年は、厳しい局面もありましたが、今年は地道に努力してきた成果がでる素晴らしい年になります。どんな厳寒でも、必ず春の訪れがあります。世界的には、イギリスのEU離脱と、アメリカのトランプ新大統領就任によって、本格的に政治が経済を動かす時代に入りました。今年は世界秩序が大きく転換し、ビジネス環境も変化する年になるでしょう。
二、減収増益決算でさらに前進
新春一月は当社の決算月です。
例年、秋冬商戦終盤にあたる前年十一月以降は、販売状況は、終息気味になるのですが、冬将軍が遅れたことにより二桁増収が続き、今月もその流れに乗っています。それでも春夏物の低迷が影響して、最終的にはわずかに減収になりました。もっとも利益は、経費削減が功を奏し、増益で決算することができました。
来期は繁忙期における更なる短納期化を目指し、新型CAMを新市工場に導入します。リミットにとって五世代目の新鋭裁断機になりますが、技術進歩は目覚ましく、裁断工程が現状の倍速になります。
二〇一七年度リミット新カタログも、二月発刊を前に企画は最終チェックに入っております。皆さまとともに創り上げた新商品が登場しますので、こちらもお見逃しないように。また、お客様サービスセンターでは、以前から続けております「『伝える』から『伝わる』情報交流」の一環としての情報交流訪問で、さらに前進したいと思っております。皆さまのところにお邪魔した際には、どうぞよろしくお願いいたします。
三、急転直下、福州工場軌道にのる
またまた中国・福州から驚きのニュースが飛び込んできました。前回リミット通信でお知らせしましたように十一月中旬に訪中し、新工場の移転先を決定して、安心して帰国しました。そしてこの『通信』の十一月号で皆様にもご報告したのです。ところが、『通信』をお送りした二日後、福州の総経理から連絡があり、予定物件を他の企業に横取りされたというのです。より高額の家賃を払う借主が現れ、既に正式な契約を交わしたのです。これには私以上に総経理も腹を立て、貸主にさんざん抗議をしたのですが、もはやどうにもなりません。
結局、計画は振り出しに戻りました。物件探しの再スタートです。師走の中旬、私も気が焦り総経理に連絡を取ると、いろいろと新しい物件には出会ったものの、私と専務の訪中時に見学した二つの候補物件に勝るところがないというのです。十二月末まで探してないようなら、もう一方の最初に見学した物件で決定せざるを得ない、ということでした。そこは、四階建の四階でした。
その物件には、私も専務も好印象をもっていました。オーナーにもお会いしていました。オーナーは、日本に在住していたこともあり、日本語で楽しく歓談しました。場所もキャンセルされた物件のすぐ近くで、私はそこならすぐにでも決定を、と申し出たのですが、総経理は期限ぎりぎりまで他も探すということでした。そのうち年末年始の休みに入り、元旦の出雲参拝では、皆さまへの年賀と共に、大国主命によくよく福州新工場のことをお願いいたしました。年が明け四日、新市での新年互礼会の後、メールをチェックしてみると総経理から新工場に無事移転し、五日より本格生産を開始する知らせを頂いていました。移転先は、結局もう一つの印象がよかった物件でした。面積も希望していた千百㎡。家賃は契約し損ねた物件より安く、有利な条件でした。
一番気になっていた従業員の確保に関しては、五名が退職しただけで、他は全員残ってくれました。退職の理由は、移転したことで自宅との距離が延びて、通勤が困難になったことでした。大変残念ですが、致し方ありません。
年末二十八、二十九日の両日で移転を完了し、一週間かけて整理整頓をしたそうです。日本側が休暇になっているのを知っていて、私にゆっくり休んでもらいたかったのであえて連絡はしなかったそうです。総経理の優しさに感謝する反面、「早く言ってよー」、と気が抜けた年明けでした。私にすれば、急転直下の一件落着でした。
これで皆さんのご期待に百二十%お応えする体制が整いました。今年も女性物のことならリミットに、ご期待ください。
二〇一七年一月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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