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LIMIT NETWORK Vol.260

 本年も大変お世話になりありがとうございました。  今年のリミット通信も今号で最後となりました。いよいよ本格的な冬の到来です。ここ福山では小春日和の日もあり、ようやく赤く燃えた紅葉がきれいになりました。過ぎ去る晩秋に後ろ髪を引かれる思いの今日この頃です。  今年もいろいろな出来事がありました。五月には新型コロナウイルスが五類に移行し、それまでの緊急事態宣言のような行動制限が出来なくなり、経済活動も徐々に戻ってまいりました。先日新聞を読んでいましたら、旅行や移動系の利用者はコロナ前を上回っているようです。その拡大をけん引しているのは、人々の移動マインドがコロナ前以上に高まっているのと、主に交通系のアプリ利用が進み、この四年間でDXが進展した結果、企業・個人ともにアプリ活用のすそ野が広がり、利用者が大幅に増加したようです。たしかに私もJR東海の新幹線・電車予約アプリ「EXアプリ」をスマホで利用していますが、レンタカーまで予約でき、時間変更などもすぐにできるので出張する時はとても重宝しています。  いざ通常生活に戻ってみると、これまでの制限は一体何だったのかと疑問を持つこともありますが、これまでの自粛生活により抵抗力が落ちておりますので、皆様もすでに流行しているインフルエンザなどに罹らないようこれまで以上に気をつけてお過ごしください。  また一番印象に残っているのは、戦争に始まり、戦争で終わる年になりそうだということです。昨年二月にロシアがウクライナに侵攻してからもう二年近くたっていますが、まだ停戦しておりません。国際機関や双方の内部でも、戦争が長期化すればするほど分断が深まっています。そして、世界が置き去りにしてきたパレスチナ問題が今、これまでにない激しさで世界を揺さぶっています。今年の秋にはハマスとイスラエルの対立が激化し、憎しみが憎しみを生む果てしない暴力の連鎖が続いております。早急に国連に変わる実行力のある国際機関を立ち上げて、一刻も早く戦争が終わることを望みます。 盛者必衰のことわり  今月は紡績の展示会で大阪に二度出張いたしました。展示会でお邪魔した二社の展示会では、どちらも他社とコラボした生地開発に力を入れておられました。どのアパレルも在庫過多で生地発注も減少気味。アパレルの製品在庫が少なくなれば発注は出ますが、ロットは細かく、希望納期も短いので、受注順に流...

LIMIT NETWORK Vol.259

   いつもお世話になりありがとうございます。  枯葉舞い散る季節を迎えまだ振り返るには少し早いですが、今年は一年が特別速かったと感じるのは年齢のせいでしょうか。コロナ禍からの経済活動正常化の動きが続いていますので、先行きは内需の押し上げにより景気は緩やかに回復すると思われます。しかしながら今年は予定不調和な出来事が多すぎた気がします。ウクライナ戦争に始まり、米国の急激な利上げ、中国の不動産投資低迷、米中対立、急激な円安、物価上昇、猛暑、イスラム組織ハマスとイスラエルの交戦などなど。  大リーグ大谷選手の二刀流大活躍や将棋の藤井聡太八冠など、スポーツ文化面では明るい話題が多かったですが、経済は暗いニュースが多かったように感じます。  もうすぐ立冬を迎えますが、日中日差しの中にいますとまだまだ暑く、半袖でも十分といった気候が続いています。来月以降も暖冬予報がでておりますので、こちらは予定調和でスタートダッシュの遅かったリミット秋冬物が途切れることなく、なが~くご注文いただけますよう願うばかりです。 一、 価格値上げのお願いと五五周年記念カタログの作成  今月の初めに販売店の皆様には、リミット販売価格改定のお知らせをFAX送信させていただきました。  前回値上げをいたしました二〇一五年三月から九年間、販売価格を維持してまいりましたが、今の円安による加工賃送金の激増、原材料・物流費の高騰、人件費の上昇などが基因して、もはや現在の価格水準を維持することが困難となりました。  弊社としましては、何とかコロナ禍の三年間は価格を維持するため、本社機能を新市に移したり、総合カタログも三年間共通にしたり、その他合理化・省力化を図り全社を挙げて対処してまいりました。しかしながら、もはや企業努力のみでは吸収しえない段階に至りました。よって誠に恐縮ですが、二〇二四年三月販売分から二十%の値上げをさせていただきたく、ここに改めてご理解・ご協力をお願い申し上げます。  新価格の入ったリミット総合カタログ Ⅴol.52は、来年二月発刊となります。この度のカタログはリミット設立五五周年記念号として、これまでの女性のためのユニウェアと男女兼用ユニセックスのビーバイシーブランドに、新たに上質で淑徳なリフィンブランドを加え、働く女性の制服を総合的に網羅するカタログになります。働く二十の現場でロケ...

LIMIT NETWORK Vol.258

   いつもお世話になりありがとうございます。  秋分を迎え、朝夕は少しずつ秋の訪れを感じられる季節となりました。  とはいえ日中はまだまだ暑い日が続き、今月前半は秋冬物の出荷に勢いがなく、後半になって徐々に勢いが出てきました。気候だけでなく景気の影響も多分に受けているとは思います。昨年は大口受注が複数入り、三割近く伸ばしていたので売上ダウンは仕方ないのですが、円安・物価高も高止まりで国内と海外の工賃が逆転しており、来年の値上げまで打つ手がなく頭の痛い問題です。 一、 新カタログ製作  混沌としたなかでも、企画の方は来年度カタログ作成が佳境に入っております。前回のカタログはコロナ禍ということもあり、「はたらく。笑う。 生きる。」をテーマに三年間廃番を出さず、価格を変えず、一日も早くコロナが終息し日常が戻って欲しいといった願いを込めたカタログでした。  前回発刊から三年。コロナの完全終息には至っておりませんが、世の中は間違いなくアフターコロナが進み、市場環境は一変しました。今だからこそ改めて「リミットが製造するユニフォームの可能性」について再考し、多種多様な職場ではたらく女性たちが、自らの一着を選びやすいように、職種カテゴリーや働く現場シーンをテーマごとに分類し、機能性や躍動感に共鳴していただける臨場感のあるカタログを創ることにいたしました。新商品も三年の時間がありましたので多数取り揃えました。久しぶりにリミットの新たな世界観をご提案できるようまい進しております。こうご期待を。 二、 相互理解は情報公開から  昨年はお盆過ぎから残暑が弱まり、九月初旬の商戦スタートも順当でした。今年は九月が飛んだ感じになりましたが、こうなると懸念されるのが在庫過多の問題です。どのアパレルも増加しているようで、金融機関も警戒しております。先日も銀行の担当者が来られて在庫の話になりました。そこで百聞は一見に如かず。試算表の在庫金額だけではご理解いただけないでしょうから、どうぞ倉庫をご自身の目で見てやって下さい。とご案内し、直接ご説明いたしました。  多品種小ロットのリミット。製品アイテムごとに種類、色、サイズ別に整理している居並ぶ棚。中国からの入荷日付の入った段ボール箱を古い順に前列に整理している工程作業やハンガーもののラック。ビニールのかかった正反生地を種類ごとに整理整頓している...

LIMIT NETWORK Vol.257

  いつもお世話になりありがとうございます。  暑さ去りやらぬ昨今ですが、貴社におかれましてはいよいよご隆盛の段お喜び申し上げます。  今月も閑散期ではありましたが、夏物定番は少し動いて昨年並みです。引き続き厳しい残暑のなか我慢に我慢を重ね、どうにも耐えきれなくなってからの発注なのかしら、と推測するようなケースもあります。今月もサービス向けブラックフォーマルは好調でした。これまでは直販体制でのみの販売でしたが、来期二〇二四年度のリミット総合カタログには、既に実績のあるブラックフォーマル商品群も一部掲載いたします。コロナ禍三年の間に温めてきた新商品群を一挙に登場させますので、期待してお待ちください。 一、 物価と賃上げと円安の関係  七月分の全国消費者物価統計で、コアCPI(除く生鮮食品)は電気料金の下落などを受けて若干低下しました。コアCPIは今年一月の前年同月比+四・二%をピークに、低下傾向を辿っています。今後の物価高騰は既に山を越えつつあるのかもしれません。しかしそれでも政府の政策の影響を強く受けるガソリン価格、および電気・ガス料金の推移に当面は大きく左右されるものと思われます。  賃上げの方はどうかというと、今年の春闘では物価高や人手不足を背景に、約三十年ぶりの高い賃上げ率が実現しました。マクロの賃金動向は一般に厚生労働省の毎月勤労統計調査があります。こちらでは春闘の成果が反映され、二%程度の賃金上昇が期待できると期待されましたが、五月は一・七%、六月は一・四%と、二%未満にとどまりました。物価手当のような一時金が多くの企業で支給された可能性はありますが、春闘の結果が示すベースアップが幅広い企業に浸透せず、中小企業では連合集計ほどの賃上げには至らなかったのではないでしょうか。  日銀は、賃金の上昇を伴う形で、二%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現することを目指しています。しかし、足元で消費者物価上昇率は三%台に高止まりしています。これは原因として、主に川上の輸入原材料の高騰が徐々に川下への価格転嫁に波及し、足元でもなお食品などでの値上げが続いているという状況で、米国のように賃金上昇による根強いインフレ圧力とは全く異なります。  つまり、日銀は持続的な賃上げが確認できるまでは、マイナス金利を軸とする緩和政策を継続するでしょう。そうなると皮肉なことに、...

LIMIT NETWORK Vol.256

   いつもお世話になりありがとうございます。  暑中お見舞い申し上げます。  うだるような暑さが続いていますが、体調を崩されないようしっかり栄養を取って元気にお過ごしください。  毎年毎年こんなに暑かったかなと思うのですが、きっと昨年も同じように暑かったのでしょう。こう暑いと昼休憩の研修センターの草取りもサボりがちになりますが、雑草は暑いからといって成長を止めてはくれません。庭は広いので毎日コツコツでも進めておかなければ、秋になって大変なことになります。どこかの会社のように除草剤を撒けばいいのですが、近隣は美味しい地下水を飲料としていますので撒けません。地下茎で繋がっているヌスビトハギなどは、何度抜いてもすぐまた生えてきてイタチごっこです。  夏の全国高校野球は地方大会も大詰め。広島大会は伝統校同士の決勝となり、広陵が代表を決めました。球児たちの熱戦を見ていると、本当に勇気をもらいます。猛暑日になると藪蚊がいなくなるのはありがたいのでしっかり水分補給しながら、また秋の紅葉を拝めるよう精進したいと思います。 一、 再始動の夏  コロナ感染もまた増加してきておりますが「五類」に移行されることで、これまで行われてきた緊急事態宣言などの行動制限や入院勧告・指示、それに感染者や濃厚接触者の外出自粛要請は出来なくなりました。ここ数年中止されていた夏祭りや花火大会も復活してきました。リミットも各部門の会議は少人数で毎週続けてきましたが、各部門長が集まった月に一度の部門長会議は久しく中止しておりました。それも今月より再開し、日常を取り戻した感じです。今月来月と閑散期ではありますが、在庫も徐々に増えつつあります。この秋冬そして来春夏に向け、より精度の高い計画を立て実行できるよう社内で協議していきます。 二、 ドル建て為替予約の完了期限迫る  二十八日、日銀が金融政策決定会合で金利操作修正を決定いたしました。この修正を受けて今後、為替相場はどのように動くのか関心が高まります。リミットは中国工場への加工賃を米ドルで毎月送金しています。長期為替予約を入れ、加工賃総額の半分を予約レートで賄い、もう半分はスポットで購入しています。実行中の為替予約は今の為替水準だとあと三か月しかありません。つまり九月には次の長期為替予約を入れるのですが、この度の日銀の修正を受け、米ドル建てでいくか、そ...

LIMIT NETWORK Vol.255

   いつもお世話になりありがとうございます。  青空が恋しいこの頃、いかがお過ごしでしょうか。日の長さが嬉しく感じられる季節の到来とはうらはらに、今年もはや半年が過ぎようとしており、時の早さに無常を感じます。  田畑を潤す梅雨は恵みの雨です。ただ近年の気候変動により豪雨や空梅雨になるのも心配です。世界に目を広げれば、北大西洋の一部では海水温が急激に上昇しているらしく、北海では海洋熱波に見舞われており、海水温が通常よりも最大で五度高くなっている所もあるそうです。カキなどの生物や藻などの植物が今回の欧州海洋熱波で死ぬ可能性は非常に高く、特に浅瀬では超高温になる可能性がある、とイギリスの大学教授は述べています。  この海水温の上昇の理由は分かっておらず、海底火山の噴火や海底での地割れから高温の地下水が吹き出しているかもしれません。どちらにしても海水温の急上昇が海洋生物を死滅させたり、台風、ハリケーンやモンスーンの巨大化、強力化につながるかもしれず、我々地上に住む生き物は、干ばつや豪雨による食料危機もありえます。  温暖化云々で騒いでいる間に地球は本来の凶暴さを取り戻してきており、今後諸島の消滅や水没という事態もありえるかも知れません。 一、 止まらない円安  円安が止まりません。現在あらゆる業界の値上げラッシュは、原油高、電気代高騰や賃上げなどもですが、やはり今の円安水準が最大の要因だと私は思います。製造原料でも輸入に頼らなければ何も作れない状態です。これでは貿易赤字は拡大の一途です。  わが業界でも生地や付属、ナイロン、段ボールや紙とあらゆる部材が、どんどん値上がりしております。来年の物流二〇二四年問題では配送費高騰も避けられないと思います。  リミットではコロナ禍の三年間、前例のないあらゆる経費削減を断行し、商品カタログも初の三年間共通化を実行し、値上げせず、廃番も出さず販売価格を死守してまいりました。しかしながら、仕入値上げは止まることを知りません。仕入ロットも増大し、多品種少ロット生産には大変厳しい状況が続きます。よって利益を考えると、来年三月販売分からは二〇一五年三月以来、九年ぶりの商品値上げをお願いせざるを得ない状況です。最終的な値上げ率はまだ決定しておりませんが、二桁%の値上げになろうかと予想しております。市況が厳しい折に心苦しいですが、何卒ご協力...

LIMIT NETWORK Vol.254

  いつもお世話になりありがとうございます。  青葉若葉のさわやかな季節となりました。皆様もご存じの通り、先日ここ広島ではG七広島サミット二〇二三が開催され、ゼレンスキー大統領も急遽フランス政府専用機で広島空港に降り立ち、平和記念資料館を訪問した後、岸田総理と首脳会談を行いました。各国の要人が多数訪問するということで広島では準備段階から右往左往、厳しい交通規制があったため、荷物の配送などにも影響が及びました。サミット初日は少し天気もぐずつきましたが、最終日まで晴れて宮島も堪能していただき、何事もなく無事に終わって関係者も安堵されていることでしょう。  天気といえば今年は夏までにエルニーニョ現象が発生し、観測史上最大規模になる恐れがあるとされています。エルニーニョ発生時は日本では冷夏になることが多いのですが、気象庁は反対にこの夏は全国的に気温が平年並みか高い、とする予報を発表しました。気象庁が二十三日に発表した三カ月予報は、これまでのエルニーニョの傾向とは真逆の内容でした。六月から八月の天候について、「全国的に気温は平年並みか高くなり、降水量は平年並み」だとしています。  理由については、ペルー沖で海面の水温が低くなる「ラニーニャ現象」が終息して間もないことなどを挙げています。そのうえで、「ラニーニャの影響が残る見込みだ」「ラニーニャが終息してすぐにエルニーニョが始まるのはこの四十年間は起きていなかった現象で予想が大変難しかった」としています。天候は人間の力ではどうすることもできません。梅雨も農作物には恵みの雨。今年も度を超えないよう、災害級にならないようにと祈るばかりです。   一、 閑散期のような繁忙期  今月は夏日になる日が少なく、夏物出荷の勢いが足りず前年同月を大きく割り込みました。物流トラックの集荷時間もどんどん早くなり、やはり荷動きが悪いと口をそろえておっしゃいます。販売店の皆様にも何軒かお聴きしましたが、今月前半は各アパレルより春夏物の値上げ条件が出そろったので、エンドユーザーに一通りご説明に歩いておられたそうです。中旬からはある程度夏物が動くと思っていたが、どうも動きが悪いそうです。  天候というよりも、エンドユーザー企業が賃上げやエネルギーなど原材料の高騰による利益圧迫が主因のようです。今年度の春闘の賃上げ率は三十年ぶりの高水準となりました。...

LIMIT NETWORK Vol.253

  いつもお世話になりありがとうございます。  風薫るリミット研修センターの庭園では桜が散り、今は藤棚とツツジが満開となり、ようやくサツキが花をつけ始め、虫どもが集まり賑やかになってまいりました。  五月の連休もようやく行楽地にたくさんの人出が見込まれているようで、景色が移ろい少しずつ行動変容が明らかになってまいりました。はやくも夏への期待感に胸をふくらませるこのごろです。 一、 築城四〇〇年の先へ  昨年四月のリミット通信に、福山市のシンボルである福山城の築城四百年にあたり、「城のあるまち福のまち」と題したさまざまな記念行事が計画されている話題を書きました。実際、福山市では二〇一七年度から百八十の事業が行われ、七十五万人を超える方々にご参加・ご来場いただきました。そして先週末の二日間、福山通運ローズスタジアムで開催されたアイドルコンサート「ももクロ 春の一大事in福山」をもって、いよいよ千秋楽となりました。全国から三万人のモノノフの皆様が来福されたそうで、コロナ禍以降、久しぶりに福山駅を中心に大通りや商店街に人々があふれる光景を目にしました。コロナ前には完全に戻らないかもしれませんが、戻る部分と新たに始まった部分が混合し、変革の原動力になればよいと思います。 二、 すべては自己責任  今月は昨年とは打って変わって一昨年並みまで販売が落ちました。昨年同月は大口があり二割越えだったのですが、元の木阿弥です。ただ、現在の景況感では仕方ないと思っております。コロナ禍が落ち着きつつあると言っても、ウクライナ戦争の影響が大きくなっているような気がします。また、円安は資材関係の価格高騰の要因になっていますし、電気料金の値上げは工場や店舗系ビジネスに多大な影響を与えており、それが企業収益の足を引っ張っている状況です。この状況下で作業服を購入する余裕はありません。  このように経済環境などの外的要因は、リミットではどうすることもできません。原発を動かせばいいとか、自然エネルギーをもっと活用しようといっても、すぐにどうにかできることではありません。残念ながら私たちは、そういった環境を受け止めるしかない。そうであるならば、経営者ができることは円安や電気代の高騰を嘆くことではなく、それを前提条件としてあらゆる方法を模索してゆくしかありません。  欧米ではステイホームをきっかけとし...

LIMIT NETWORK Vol.252

   いつもお世話になりありがとうございます。  桜花の候、貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 一、 春は別れと出会いの季節  春風にのってほのかに花の香りが漂う頃となり、人出も徐々に増えにぎわいも少しずつ戻りつつあります。旅立ちの春を迎え、新しい世界へ向けて一歩を踏み出した人も多いはず。  リミットでも先日、勤続五十八年目を迎えた社員が退職いたしました。六十年近くに渡って彼女が見つめてきたリミットはどのような変化をし、今、どのように映っていたのでしょうか。先代、私と二代に渡って会社を支えてもらいました。勇退の日、先代に報告をということで、しばらくのあいだ仏前にて二人っきりで心の交信を堪能しておられました。これまでの人生のいろいろな場面が心中に去来していたことでしょう。人生百年時代を迎え、これからが「リ・スタート」です。彼女なら新しいことにチャレンジし、必ず第二の人生を謳歌してくれるものと信じております。長い間、お疲れ様でした。今後も健康には十分留意してください。ありがとうございました。 二、 米金融破綻に怯える  海の向こう米国では有価証券で抱えた含み損に端を発した米銀シリコンバレーバンクが経営破綻しました。その二日後には米シグネーチャーバンクも預金流出により破綻。第二のリーマンショックかと緊張しましたが、その後米財務省が預金の全額保護を発表し、大混乱は一時的に回避されました。やはり急激な金融引き締めは副作用も強いということでしょうか。  いっぽう日銀の金融政策は、黒田東彦総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏が登板されますが、植田氏の下で黒田路線は修正され、金融政策の柔軟化、正常化が進むのでしょうか。物価高騰は徐々に緩慢となってきていますが、今後の電気代高騰などの懸念から製造業では企業投資抑制が懸念されます。  リミットの今月の商況ですが、昨年同月は大口案件がありましたので、作業服のユニウェアブランドはその分苦戦しました。逆にサービスを中心としたブラックフォーマルのリフィンやb×cブランドは、コロナ禍が縮小するにつれ市場が再始動してきていますので伸ばすことができました。これから繁忙期を迎えますが、欧米金融市場の動向が日本にどのような影響を与えるかとても心配です。一進一退を繰り返しながらも、上昇していってくれると信じております。 三、...

LIMIT NETWORK Vol.251

 いつもお世話になりありがとうございます。  早春の時期を迎え、山々も産毛のような緑が朦朧と全体を包み始めました。スギ花粉も飛散し始め、これではマスクをとってよいものやらと悩んでおります。  全国のコロナ感染状況も、日を追うごとにピークアウトに近づいているとは感じますが、これまでの経緯を考えますと全面的に楽観するには至っておりません。小規模なクラスター感染を繰り返しながら終息を迎えるのではないでしょうか。  もう一つ終息を切望するのはウクライナ戦争です。ロシア軍がウクライナに侵攻して一年が過ぎました。この一年のあいだ、核兵器の脅威は急速に高まり、エネルギーや食料は不足し、世界は分断を深めて大きく変わりました。これからの一年、さらに大きく世界は変わってしまうことでしょう。 一、 リミット新年度スタートにあたり  リミットグループも新たな期が始まりました。これまで時短営業を続け、販売店皆様からの電話対応でも長らくご迷惑をおかけしましたが、二月二十七日より営業時間も朝九時から夕方十七時半までと、通常営業に戻っております。今月売上の方は昨年並みでのスタートとなりました。今年も景気の先行き不安や光熱費の大幅上昇などによって、エンドユーザーが守りを強化してくると考えられ、販売面でより厳しい一年が予想されます。  また、すでに今期から値上げをアナウンスされていた生地仕入れも、さらなる値上げと生機生産ロットの増大のお話がありました。エネルギーの高騰、国内生産現場の消滅、働き方改革に対応した雇用環境の改善など、御無理御尤もな言い分です。リミットには生地は製造できませんので、今までの条件で生産できないのであれば受け入れざるを得ません。ただし、リミットは多品種少量生産を特徴とし生き残ってまいりました。これから先も時代は国内人口減少のなか、価値観の多様化は拡大する一方。さらなる多品種少量生産を求められます。モノづくりとして生き残るためには、困難な道にはなりますが、途中で途切れない道を進む方が良しと考えます。今年は原材料、製品の作り方にもさらなる創意工夫が求められています。  先般、最終年度の三年目となるユニウェア総合カタログも皆様のもとに無事発送いたしました。巷では新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを、二類相当から五類に引き下げるといった議論も出てきております。引き下げた場合、インフ...

LIMIT NETWORK Vol.250

  今年もよろしくお願いいたします。  一年で最も寒い時期「大寒」とはよくいったもので、先週は十年に一度という最強寒波が流れ込み、鉄道にも影響が出ました。厳冬の折、皆様いかがお過ごしでしょうか。  昨年一月のリミット通信をめくってみましたら、初春からコロナ第六波到来と書いていました。あれから日本も一年が経ちますが、未だにアフターコロナとはならず、相も変わらずウィズコロナで右往左往しております。次項の見出しも「デフレ脱却となるのか」、「原材料価格の高騰と販売価格」と続き、「唯一無二のアパレル」で結んでいました。        こうして振り返ってみますと、世の中はなかなか予想した通りに運んでいませんし、かといって極端に外れるということもありません。ただ、皆が問題だと認識している問題を、だれも責任を取らず、決断せず、先送りされればされるほど、数年に一度、あるいは数十年に一度といった頻度で、溜まりにたまったエネルギーが一気に放出され、想像を超え百八十度の大変革になることがあります。そう思って振り返ると、それも侵し難い自然の摂理なのかもしれません。 一、 人口減少社会の到来  昨年から続くコロナ禍、ウクライナ戦争、資源高騰や急激な金利上昇による物価上昇、台湾有事の問題など、引き続き今後の動静が気になる問題が多いです。  そんな中、先般中国の国家統計局が、二〇二二年末時点の人口は十四億一一七五万人で、前年から八十五万人減少したと発表しました。人口減少は一九六一年以来、六十一年ぶりとなります。いよいよ中国もか、と唖然としました。  日本が人口減少社会であることはもはや常識ですが、世界の先進国も少子高齢化に頭を悩ませています。先ほど列挙した事象も世界経済に大きなダメージを与えていますが、こうした事象はこれまでも多くあったし、官民挙げて工夫しながら時間を掛けて乗り越えられます。しかし、人口減少社会は人々の価値観の変化がもたらした社会構造上の問題なので、価値観を変えて人口増加社会に戻ることは時間もかかり簡単ではありません。今後の日本は若者が減り、若い頃のようには消費をしなくなる高齢消費者の割合が年々大きくなります。つまり、人口が減る以上に消費が落ち込む社会の到来です。 二、 新しい働き方  人口の減少は、働く人の制服を製造・販売している私たちにも当然影響します。これまでのように...