LIMIT NETWORK Vol.251


 いつもお世話になりありがとうございます。


 早春の時期を迎え、山々も産毛のような緑が朦朧と全体を包み始めました。スギ花粉も飛散し始め、これではマスクをとってよいものやらと悩んでおります。

 全国のコロナ感染状況も、日を追うごとにピークアウトに近づいているとは感じますが、これまでの経緯を考えますと全面的に楽観するには至っておりません。小規模なクラスター感染を繰り返しながら終息を迎えるのではないでしょうか。

 もう一つ終息を切望するのはウクライナ戦争です。ロシア軍がウクライナに侵攻して一年が過ぎました。この一年のあいだ、核兵器の脅威は急速に高まり、エネルギーや食料は不足し、世界は分断を深めて大きく変わりました。これからの一年、さらに大きく世界は変わってしまうことでしょう。


一、 リミット新年度スタートにあたり


 リミットグループも新たな期が始まりました。これまで時短営業を続け、販売店皆様からの電話対応でも長らくご迷惑をおかけしましたが、二月二十七日より営業時間も朝九時から夕方十七時半までと、通常営業に戻っております。今月売上の方は昨年並みでのスタートとなりました。今年も景気の先行き不安や光熱費の大幅上昇などによって、エンドユーザーが守りを強化してくると考えられ、販売面でより厳しい一年が予想されます。

 また、すでに今期から値上げをアナウンスされていた生地仕入れも、さらなる値上げと生機生産ロットの増大のお話がありました。エネルギーの高騰、国内生産現場の消滅、働き方改革に対応した雇用環境の改善など、御無理御尤もな言い分です。リミットには生地は製造できませんので、今までの条件で生産できないのであれば受け入れざるを得ません。ただし、リミットは多品種少量生産を特徴とし生き残ってまいりました。これから先も時代は国内人口減少のなか、価値観の多様化は拡大する一方。さらなる多品種少量生産を求められます。モノづくりとして生き残るためには、困難な道にはなりますが、途中で途切れない道を進む方が良しと考えます。今年は原材料、製品の作り方にもさらなる創意工夫が求められています。

 先般、最終年度の三年目となるユニウェア総合カタログも皆様のもとに無事発送いたしました。巷では新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを、二類相当から五類に引き下げるといった議論も出てきております。引き下げた場合、インフルエンザとあまり差がない扱いになるので、規制などがかかることはなくなることが予想され、販売面においてはコロナ前と同様の活動が期待されます。ただ、治療費などを公費で全額負担する根拠がなくなり、自己負担が生ずれば受診控えが起きる懸念なども出てまいります。

 いろいろなご意見があると思いますが、コロナ禍はもう丸三年。これまでの手法を繰り返すより、感染者数に応じて大胆な対策に切り替えてゆくほうがメリハリの利いた波及効果を生みやすいと思うのですが、皆様はどう考えられますか?


二、 今そこに迫る危機


 この度の戦争は結果的にロシアによる国際秩序への挑戦という、思ってもみなかった展開になってしまいました。いつのまにか西側諸国対ロシアという形が形成され、プーチンも引くに引けない状況なのではないでしょうか。国連総会が力を失ってしまった今となっては、誰が中立な立場に立ち、権威をもって戦争を止められるのでしょう。戦争による犠牲者は後を絶ちません。一刻も早く、適正な仲介を立て、矛を収める手立てに挑戦していただきたい。

 また、台湾をめぐる軍事的な米中緊張も日を追うごとに増しています。今年の春には四年ぶりに福州工場訪問をと考えておりますので、双方の国の動静が大変気になります。先般、よく顔を合わせる地元土建屋の社長さんから、ちょっとびっくりするような話を伺いました。つい先日、東北 宮城の見ず知らずの同業者から仕事の依頼電話があり詳しく聞くと、南西諸島のとある島の山を削って欲しい、との事だったそうです。不審に思いながら理由を聞くと、詳しくは分からないが国防関連事業だと言われたそうです。余りにも不躾な話だったので適当に断ったそうですが、事態はそこまで進んでいるのかと唖然としました。日本も米中の間で右往左往せず、国内でしっかりとした議論をもとに国の指針を明確にしたうえで、武力に頼らないしたたかな外交をしてほしいものです。



  二〇二三年二月二十八日
       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治

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