LIMIT NETWORK Vol.259

 


 いつもお世話になりありがとうございます。

 枯葉舞い散る季節を迎えまだ振り返るには少し早いですが、今年は一年が特別速かったと感じるのは年齢のせいでしょうか。コロナ禍からの経済活動正常化の動きが続いていますので、先行きは内需の押し上げにより景気は緩やかに回復すると思われます。しかしながら今年は予定不調和な出来事が多すぎた気がします。ウクライナ戦争に始まり、米国の急激な利上げ、中国の不動産投資低迷、米中対立、急激な円安、物価上昇、猛暑、イスラム組織ハマスとイスラエルの交戦などなど。

 大リーグ大谷選手の二刀流大活躍や将棋の藤井聡太八冠など、スポーツ文化面では明るい話題が多かったですが、経済は暗いニュースが多かったように感じます。

 もうすぐ立冬を迎えますが、日中日差しの中にいますとまだまだ暑く、半袖でも十分といった気候が続いています。来月以降も暖冬予報がでておりますので、こちらは予定調和でスタートダッシュの遅かったリミット秋冬物が途切れることなく、なが~くご注文いただけますよう願うばかりです。


一、 価格値上げのお願いと五五周年記念カタログの作成


 今月の初めに販売店の皆様には、リミット販売価格改定のお知らせをFAX送信させていただきました。

 前回値上げをいたしました二〇一五年三月から九年間、販売価格を維持してまいりましたが、今の円安による加工賃送金の激増、原材料・物流費の高騰、人件費の上昇などが基因して、もはや現在の価格水準を維持することが困難となりました。

 弊社としましては、何とかコロナ禍の三年間は価格を維持するため、本社機能を新市に移したり、総合カタログも三年間共通にしたり、その他合理化・省力化を図り全社を挙げて対処してまいりました。しかしながら、もはや企業努力のみでは吸収しえない段階に至りました。よって誠に恐縮ですが、二〇二四年三月販売分から二十%の値上げをさせていただきたく、ここに改めてご理解・ご協力をお願い申し上げます。

 新価格の入ったリミット総合カタログ Ⅴol.52は、来年二月発刊となります。この度のカタログはリミット設立五五周年記念号として、これまでの女性のためのユニウェアと男女兼用ユニセックスのビーバイシーブランドに、新たに上質で淑徳なリフィンブランドを加え、働く女性の制服を総合的に網羅するカタログになります。働く二十の現場でロケ撮影を敢行した臨場感推し特撮グラビアには、皆様の記憶の片隅にあるモデルたちが次々登場いたします。楽しみに待っていてください。


二、 制服の持続可能性とは


 先般、新聞に廃棄された製品に新たな付加価値を与えて再生する「アップサイクル」について書いてありました。『二〇〇〇年代に台頭した「ファストファッション」は低価格の衣料品を頻繁にモデルチェンジして大量販売し、消費者を短期間での買い替えに導いた。結果として服を捨てることへの心理的な抵抗が希薄になり、廃棄量が増大した。米マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、平均的な人が購入する衣料品点数は十五年前に比べて六十%増え、買った服を着続ける期間は半分に短縮した。国連環境計画(UNEP)は「このままのアプローチが続けば、ファッション業界の温暖化ガス排出量は二〇三〇年までに五〇%近く増大する」と警鐘を鳴らす。欧州連合(EU)は二二年、域内で販売される繊維製品について修繕しやすいデザインや耐久性などの要件を設けるよう対策を提言した。スウェーデンでは二四年一月、衣料品に対するEPR法が施行予定だ。地球環境対策で先行する欧州の動向はいずれ日本にも波及するだろう。』と載っていました。

 また、先日の業界新聞には『欧州のユニフォームメーカーは、新型コロナウイルス禍前の一九年で前面に出していた環境配慮素材の採用から一転し、高品質で長期間着用できる点を意識した商品開発に力を入れつつある。高品質こそ持続可能性につながることを訴求する。』と掲載されていました。

 私もこの考え方に同感です。自身を例にとっても、流行にあまり左右されないデザインで高品質、高価格で一張羅だった私服はなぜか長年クローゼットの奥に残っており、時折出しては着用し、少し体型的に苦しくなったなと反省しながらダイエットに励みます。

 企業制服に大事なことは、長期間同じ製品を着用でき、企業の顔として地域内の信頼を獲得し、着用者の安全・安心を守り、現場の調和を服で支えることではないでしょうか。

 リミットはこれからも皆様に支えられ、あらゆる現場で働く女性のあたりまえにこたえる高品質な一着を丁寧に作り続けます。



  二〇二三年十月三十一日
       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治

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