LIMIT NETWORK Vol.250
今年もよろしくお願いいたします。
一年で最も寒い時期「大寒」とはよくいったもので、先週は十年に一度という最強寒波が流れ込み、鉄道にも影響が出ました。厳冬の折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
昨年一月のリミット通信をめくってみましたら、初春からコロナ第六波到来と書いていました。あれから日本も一年が経ちますが、未だにアフターコロナとはならず、相も変わらずウィズコロナで右往左往しております。次項の見出しも「デフレ脱却となるのか」、「原材料価格の高騰と販売価格」と続き、「唯一無二のアパレル」で結んでいました。
こうして振り返ってみますと、世の中はなかなか予想した通りに運んでいませんし、かといって極端に外れるということもありません。ただ、皆が問題だと認識している問題を、だれも責任を取らず、決断せず、先送りされればされるほど、数年に一度、あるいは数十年に一度といった頻度で、溜まりにたまったエネルギーが一気に放出され、想像を超え百八十度の大変革になることがあります。そう思って振り返ると、それも侵し難い自然の摂理なのかもしれません。
一、 人口減少社会の到来
昨年から続くコロナ禍、ウクライナ戦争、資源高騰や急激な金利上昇による物価上昇、台湾有事の問題など、引き続き今後の動静が気になる問題が多いです。
そんな中、先般中国の国家統計局が、二〇二二年末時点の人口は十四億一一七五万人で、前年から八十五万人減少したと発表しました。人口減少は一九六一年以来、六十一年ぶりとなります。いよいよ中国もか、と唖然としました。
日本が人口減少社会であることはもはや常識ですが、世界の先進国も少子高齢化に頭を悩ませています。先ほど列挙した事象も世界経済に大きなダメージを与えていますが、こうした事象はこれまでも多くあったし、官民挙げて工夫しながら時間を掛けて乗り越えられます。しかし、人口減少社会は人々の価値観の変化がもたらした社会構造上の問題なので、価値観を変えて人口増加社会に戻ることは時間もかかり簡単ではありません。今後の日本は若者が減り、若い頃のようには消費をしなくなる高齢消費者の割合が年々大きくなります。つまり、人口が減る以上に消費が落ち込む社会の到来です。
二、 新しい働き方
人口の減少は、働く人の制服を製造・販売している私たちにも当然影響します。これまでのように海外から働く人を輸入することも難しくなるなか、漫然と拡大路線を貫き、現状維持を模索すれば必ずどこかで息詰まる結果となるでしょう。
しかし今、グローバルな規模で私たちの働き方が大きく変わりつつあります。自動化の進展に伴い、様々な産業で雇用のあり方が変わり始め、七十代まで働くことが当たり前になってきています。例えば今、日本で生まれた子供たちの半数は百七歳まで生きる可能性があるそうです。一方、二〇二一年の日本の合計特殊出生率は一・三四にとどまっています。その結果、平均年齢は二〇二〇年の四七・二歳から二〇五〇年には五三歳に上昇し、人口も二〇五〇年には一億九〇〇万人に減少する見込みです。
こうした人口構成の変化は、今後の新しい働き方を必要とします。これまでは「老い」に対して肉体と認知能力が急激に衰退すると思われがちですが、実際には、寿命が延びれば健康で生産的に過ごせる日々が長くなり、しかも、年齢を重ねるにつれて「結晶性知能」がはぐくまれていきます。結晶性知能とは、長年かけて蓄えられる知性や人的ネットワークや知識のこと。これとは性格が異なるのが、情報処理や記憶保持といった能力である「流動性知能」です。
人がどちらのタイプの知的スキルに強みを持っているかは、人生を通じて変わり続けます。三十代には短期記憶が強力な時期を迎え、その後四十から五十代になると他者理解の能力がもっとも高まります。こうした点を踏まえ、若い社員と年長の社員を組み合わせるような仕事のデザインが最も生産的だと考える企業も現れつつあります。
三、 これからも生き残るアパレルを目指して
三年ぶりの行動制限のない年末年始で、出雲大社もコロナ前までとはいきませんが、他県からの初詣観光バスも徐々に増えていました。四日の備後吉備津神社初詣とリミット新年互例会も滞りなく終え、今年の抱負も全従業員に話しました。今月の売上は昨年同月比少し足りませんでしたが、今期は商品売上を六%伸ばすことができました。皆様本当にありがとうございました。
五月の大型連休明けには、政府も新型コロナウイルスの感染症法上の分類を「五類」に移行する方針を固め、コロナ対応が四年目を迎える中で、社会経済の正常化に向けた大きな節目となります。いよいよ今年から本格的に平成から令和の時代へと完全移行する気がします。
リミットのユニウェアブランドは長年にわたって働く女性を見つめ続けてまいりました。その中で、長期間に渡って企業でご活躍されている年長女性たちから圧倒的な支持をいただいております。今後においても、人口減少社会の中で働く女性たちに支持されるべく、リミットは開発し続けます。
いよいよ来月より第五十四期目がスタートします。二〇二一年春に発刊したユニウェアカタログも最後の年となります。また、四月ご入金分からは、書面でお知らせしております通り、期日内で請求額通りお支払いいただいた場合の値引きにつきましては中止とさせていただくこととなりました。当社といたしましても、これを契機に一段と品質の向上、アフターサービスの充実などさらに努力をしてゆく所存ですので、なにとぞ諸般の事情ご了承のうえ、よろしくお願い申し上げます。
二〇二三年一月三十日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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