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LIMIT NETWORK Vol.249

  今年も大変お世話になりありがとうございました。  冬晴れが心地よい師走を迎え、本年もたくさんの感謝や反省をして振り返る時期となりました。いろいろなことに振り回された一年でしたが、皆様方には本年も格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。 一、 二〇二三年は?  今月中旬に公表された七―九月期のGDPは、前期に比べて〇・三%のマイナス、年率で一・二%のマイナス成長となり、事前予想のプラス成長を裏切った形になりました。どうもサービスを中心とした輸入が急増したことが主因のようで、国内需要はまずまず順調で、輸入増加は一時的要因ではないかと載っていました。では来年にかけてこのまま順調に上昇してゆくかといえば、どうも話はそう簡単ではなく、大きなリスク要因が二つあるそうです。  一つは海外経済の動向。特に米国の景気が大幅に悪化するリスクがある。急速な利上げによるマイナスの影響がどの程度出てくるのか。  もう一つのリスクは、コロナ感染と物価高がどの程度消費の重荷になるか。こうしたリスクは確かにありますが、私はウィズコロナに方針転換した日本の景気は来年以降緩やかに回復基調してゆくものと考えます。皆さんはどうお考えですか? 二、 地政学的リスクと絆の狭間で  中国指導部によるゼロコロナ政策への抗議が中国各地に広がっています。都市封鎖によって企業活動は停止し、景気悪化に拍車をかけています。また市民活動も制限され、封鎖への不満が抗議活動という形で爆発しています。一方、一日当たりの感染者数はここ数日連続で過去最高を記録しており、政策の形骸化があらわになっています。各地で起こっている抗議行動も、その報道自体が禁止され、国内のSNSへの投稿動画などは相次ぎ削除されています。  一方、台湾では統一地方選で与党・民進党が大敗し、国民党が支持を得ました。親中とされる野党・国民党の勢力拡大の背景には、中国との戦闘状態を拒み、和平を求める民意が働いています。二〇二四年一月の総裁選までには、民進党も新体制を構築してくるものと思いますが、今後の台湾の対中・対米外交政策の行方は、日本にとっても大変重要な問題となります。現在の半導体やハイテク製品は、米国にとっても台湾抜きには考えられず、台湾側が米国側か、中国側かで、世界の地図は大きく変わります。  中国のゼロコロナ政策には、現在、弊社も少なからず影...

LIMIT NETWORK Vol.248

   いつもお世話になりありがとうございます。  空は高く澄み渡り、日脚もめっきり短くなりました。深秋の候、いかがお過ごしでしょうか?今年もあと二カ月。いろいろな出来事がありましたが、戦争とコロナ禍だけは早く終息してほしいものです。 一、 変革時代の到来  減速する世界経済のなか、インフレの足音が近づいています。私は長引くデフレは実体験がありますが、インフレは未経験なだけに非常に不気味に感じております。  また、連日の急激な円安進行にも不安がつのります。日銀も五兆円を超えるドル売り・円買い介入を実施して抵抗してくれておりますが、効果は一日限りでまた元の水準付近に戻ってきました。前回の介入は三兆円弱で効果は一週間くらいありましたから、今後同程度のドル売り介入を続けても市場に見透かされ、反対にさらに円安が進行するかもしれません。  アメリカを筆頭に、コロナ禍で金融緩和し市場にばらまいた資金を一気に反転させ、インフレ対策で利上げと市場から資金を吸収するための資産縮小を行っているのに、日本はいまだに金融緩和、ゼロ金利政策を続けている。これでは世界中で変調をきたすのは自然な成り行きです。ついこの間まで好景気・低金利・株高と浮ついていた世界とは隔世の感があります。  これからのインフレ時代到来とともに、アメリカでは業績低迷のため人員削減を急ぐ企業が増えると思います。よって日本の企業は変わらざるを得ません。これまでの外国の安価な労働力に頼るのではなく、少子高齢化のなか、優秀な若手を採用・育成しながら、元気に働く高齢者の採用にも力を入れてゆかねば、これからの労働者不足や年金支給額不足の問題は解決されません。目先の利益に目がくらみ、ツケを先送りするにも程があります。いよいよ変革の時代の到来です。 二、 当たり前の社会に感謝  秋も深まり夜寒を覚えるこの頃、例年通りインフルエンザの流行が心配される時期となりました。今年はこれから増加が心配されるコロナ第八波との同時流行が懸念されていますので、これまで以上に感染予防に気を付けたいものです。  さて、秋の気配も今月中旬くらいからようやく体感するようになり、短かった繁忙期も終わりに近づいてきました。今月もコロナ禍第七波が落ち着いて行動制限もなく、全国を対象とした観光支援事業の全国旅行支援も中旬から各地で開始され、観光地に人が戻りつつあ...

LIMIT NETWORK Vol.247

   いつもお世話になりありがとうございます。  秋分を過ぎ夏の気配も遠く過ぎ去り、秋の長雨が降る時季となりましたが、皆様お変わりございませんか?私はというと、週末に萩の花が一面に蔓延ったリミット研修センターの庭の草刈りを頑張りすぎ、腰痛で困っております。 一、 暗澹たる雲が世界を覆う  ロシアによるウクライナ侵攻から始まった戦争は終わる気配が全く見えず、ロシアではいよいよ第二次世界大戦以来の部分的動員令が発動され、軍務経験がある予備役約三十万人を招集すると発表。しかし、民間人を招集する動きは、都市部で大規模な抗議行動を引き起こしました。今週初めに行われたデモでは千人以上が拘束されたと報道されました。  いったいいつ終わるのか?そしてどのような結末で終わるのか?ヨーロッパをはじめ多くの人々がそう思っているに違いありません。それでもいったん始まった戦争は、両国だけの問題ではなく、世界のいろいろな国々の思惑も絡み、そう簡単には終わりません。 二、 コロナ禍からの脱出と急速な円安  私を暗澹たる気持ちにする一番の原因は急激な円安です。今月の中国工場への工賃送金をみても、調達レートは昨年同月比で二十三%も上昇しています。さらに仕入れの部材・生地、配送費等もすべてコストが上がっています。昨年二月に今後三年間ご利用していただける総合カタログを発刊した時点では、現在のウクライナ侵攻も米国FRBの金融引き締めによる急速な金利引き上げなど全く予想できませんでした。  もちろん世の中のほとんど人が予想できなかったから大混乱している訳ですが、この二年間というものコロナ禍で苦しみ、ようやく社会経済活動の正常化に向けた取り組みが進みつつあったので非常に残念です。  それでも逆から考えれば、人流制限が解除され、新型コロナウイルスを特別な脅威とまではみなさず、まさにこれから社会経済活動の正常化に向けた取り組みが進みつつある現状では、日本経済はコロナ禍が徐々に和らぎ、次のステージへ移行する。そして、すでにコロナ禍から急回復した世界経済では、財政やインフレの悪化につながる懸念が生じて世界経済成長は下がる。今後日本もその悪影響は受けるわけですから、日本経済は回復速度を上げ、離陸はするが急上昇とまでいかず低空飛行がしばらく続く。  来年度がこのようなシナリオなら、作業服市場もまだまだ厳しいので、...

LIMIT NETWORK Vol.246

   いつもお世話になりありがとうございます。  いくぶん残暑も和らぎ、少しずつ日暮れの時間が早くなり、秋の気配を感じるようになりましたが、皆さん夏のお疲れは出ていらっしゃいませんか? 一、マスク装着率世界一の日本がコロナ感染者世界一  予想通りといいますか、第七波の新規感染者数はピークを迎えております。最近は日本の新規感染数が二十万人台となっており、世界の一日当たりの新規感染者数百万人の二割を占める異常事態になっています。しかしなぜ日本でこんなに新規感染者数が増えているのでしょうか?今まで日本人は「ファクターX」を持っていて、日本人はコロナにはあまり感染しないとされていましたが、それがワクチン接種のせいで「ファクターX」が消滅してしまったのでしょうか?それとも今、流行っていますコロナウイルスBA.五系は日本人に感染しやすいのでしょうか?  もちろん他国はコロナ検査をしなくなってきていますので、一日当たりの新期感染者が百万人というのも眉唾物ですが、それでも世界一まじめにマスクをし、消毒をし、アクリル板を置いたりして、感染対策は異常なほどやっている日本が、連日二十万人を超える世界一の感染国となっているのには到底理解できません。どこかに決定的な盲点でもあるのでしょうか?いずれにしろ、そこのところを徹底究明する科学的な調査をお願いしたいものです。 二、相対価格上昇が及ぼす影響  イギリスの調査会社が、イギリスの一般家庭の電気・ガス代が、来年一月には今までの三倍にもなり、日本円換算で年間約七十万円、一カ月あたり約六万円にもなるという予測を発表し、イギリス国民に衝撃が広がっているそうです。このように欧州大陸も天然ガスの更なる高騰で物価上昇が止まりません。そのため世界的に消費も投資も伸び率が落ちてきて、典型的な物価高と不景気のスタグフレーションに陥っています。日本は今のところそこまでの物価上昇率ではありませんが、今後どうなるか分かりません。  リミットの今月の海外製造コストを昨年同月と比べてみますと、一枚当たりの工賃や生産枚数は変わらずで、円安や海上運賃高騰により二割以上上昇しております。原材料の高騰も厳しいですが、為替調達コストの急上昇は今後かなりの負担となります。それでも二〇二四年まで販売価格を死守できる理由は、以前にも申し上げた通り、本社移転をはじめとしたアフター...

リミットネットワーク Vol.245

 いつもお世話になりありがとうございます。  蝉の声が聞こえる季節となり、暑中お見舞い申し上げます。 一、 夏と共にコロナの波が来た  三年ぶりの行動制限のない夏、これから花火や夏祭りなど各地で夏のイベントが数多く開催されるでしょう。ようやくといった解放感とは裏腹に、各々の自己責任でという言葉が何となく引っ掛かります。  一週間の国内新規感染者は初めて百万人を超え、第七波のピークはこの先一体どこまで高くなるのか恐怖しかありません。国も今のところ第七波に関しては強制的に行動制限をせず、一般市民が主体的に判断せよとのこと。そうであるなら、感染した時の飲み薬を一刻も早く承認してもらいたいものです。 二、 湿度の高い夏  非常に短かった梅雨が明け、猛暑やゲリラ豪雨が毎日続いております。日中の日差しにもようやく身体が慣れたのか、幾分柔らかくなったような気がするのは私だけでしょうか。  今夏に見かけた蝉はアブラゼミが多く、昨年よく見かけたクマゼミの姿は見かけません。一説にはアブラゼミは幼虫・成虫ともクマゼミやミンミンゼミと比べると湿度のやや高い環境を好むといいます。都市化の進んだ地域ではヒートアイランド現象による乾燥化によってアブラゼミにとっては非常に生息しにくい環境となっており、乾燥に強い種類のセミが優勢となっているそうです。つまり今年の夏はムシムシした夏だったというわけですね。  そういった意味ではジメジメした不快指数の高い文月だったわけですが、販売は昨年並みで終わりました。これからは残暑がいつ和らぎ、秋風の到来を感じさせるのはいつになり、その頃コロナ禍はどうなっているのか?なかなか予測できない昨今です。 三、 入院してみて感じたこと  先月末、背中の脂肪種切除のため一週間入院いたしました。小学生以来の入院で少々戸惑いましたが、無事全快いたしました。  私も五十路となり、世間一般的には「中高年」、今風に言えば「アラフィフ」でしょうか。まだまだ病気やケガには無縁で体力面も特段気にしたことはありませんでした。それでも人生の折り返しを過ぎ、体のメンテナンスが必要になってきているのは事実。気持ちは若いつもりでも身体がついてこないこともしばしば。これからは開き直って現実をしっかりと受け入れ、無理をせず、足るを知る生き方にシフトしてゆかねば、と痛感した入院でした。   二〇二二年七月二...

リミットネットワーク Vol.244

  一、 続く異変  いつもお世話になりありがとうございます。  夏至を過ぎ、暑さが続いております。皆様くれぐれもお身体には気をつけてください。  中国からの入荷は遅れることなく計画通り輸入できておりますが、今月はなかなか暑さを感じることが無く、中旬まで商況が芳しくありませんでした。平年より一週間遅れた入梅後は蒸し暑さが増し荷動きに勢いが出ました。それでも昨年ほどの伸びはなく、先月に引き続きあと一歩というところでした。  地球の異変は引き続き顕著で、熱波が襲来していますヨーロッパですがフランスでは四二・九度を記録したと報じられており、フランス気象庁は一九四七年の観測開始以来、最も早い熱波到来だとしています。熱波、干ばつがこのままヨーロッパを襲えば穀物生産が打撃を受け、さらなる穀物危機を招くかも知れません。また、能登半島では地盤の隆起による地震があり、非常に心配な状況が続いております。大雨や干ばつも発生しており、地球の活動にはまだまだ未知な部分が沢山あることを謙虚に受け止めなくてはなりません。 二、 世界は元の木阿弥に  リーマンショック以降世界の中央銀行は紙幣を刷りまくり、際限なくお金をバラまき続けました。そして金融市場バブルという金余り現象を作り上げ、債券はまた上昇しました。その後、アフターコロナのインフレ傾向、脱炭素の流れ、そしてウクライナ戦争が起こり、世界は逆回転し始め、金融当局はこのままでは経済が崩壊すると予想を立て、金融引き締めに躍起になっています。そんな中でも借金まみれに喘ぐ日本は金利を上げられないジレンマに陥っています。このままウクライナ戦争が長期化し、世界の中央銀行が引き締めを続ければ物価高騰で供給過剰に逆戻りし、欧米は景気後退のリセッション。インフレはたちまちに終息し、日本はこれまでのデフレ社会が永遠に続くかもしれません。  また、世界では物価高への対応をしない政府への不満が爆発し、ストライキや政権交代に発展している国もあります。日本でも先般、岸田首相が物価高騰の要因とみるエネルギーや食料の価格抑制に財政を出動すると表明しましたが、今回の参院選挙にどう影響するのでしょうか。 三、 不思議な力  世界中がアフターコロナの性急なインフレに喘いでいる中、日本では屋外でもまだまだマスクすら外せない光景が続いています。保守的な国民性が災いしているのか...

リミットネットワーク Vol.243

  一、 世界の分断  いつもお世話になりありがとうございます。  今年もまた梅雨入りが気になる頃となりました。昨年ここ広島では例年よりも一カ月も早く、大型連休明けの十二日には梅雨入りとなりました。今年はラニーニャ現象が発生しているそうで、季節通りの気候になりやすいそうです。これから徐々に蒸し暑い時期が近づいて、夏物定番が一気に動いてくれることを祈っています。  世の中は不景気と物価高、戦争に感染症と不安が渦巻いております。コロナ明けはこれまでと全く違った明るい世界の幕開けといった淡い期待も多少あったのですが・・・。ただ長かったデフレ時代からようやく脱出できる予兆は感じております。  現実世界は分断傾向が進み、今や自由貿易ではなく、制限された貿易にシフトし始めました。どちらに所属するかで一国の将来が左右される時代の到来です。これまでの自由貿易のなかで世界を股にかけ活躍した日本は、これからどのような方向に進んでゆくのでしょうか? 二、 新たな支援策の必要性  今月は先月とは一転して下旬まで夏日になる日が少なく、夏物出荷の勢いが足りず前年同月を割りました。経済活動はコロナ感染者数に関係なく活動再開に向かって動き出しておりますが、最近は原因不明の子供の肝炎や天然痘のようなサル痘の患者が世界で増え始めており、国を挙げての新たな検疫体制強化にまで進むのかどうか心配は絶えません。  先月はコロナ明けで業績が戻ってきた業界や企業が目立ち始めましたが、原材料の不足や高騰など、日本製造業の屋台骨である町工場を取り巻く環境は経済再始動下でも厳しく、今は作業服購入を検討するには時期尚早かもしれません。  中国上海の都市封鎖や北京、天津での厳しい規制も世界経済に影を落としており、世界展開している有名企業の中国やロシアからの撤退は分断を助長する頭の痛い問題です。世界的な不景気と激しい金融引き締めが広がり、世界経済は混とんとするばかり。政府も雇調金特例を三カ月延長する検討に入りましたが、今の状況が続けば今後コロナ支援融資の返済も始まり、倒産件数が増加の一途をたどる恐れもあります。それだけは何とか食い止めなければなりません。 三、 次元を超えて  先月この通信で「蘇り・再生」について書きましたが、この実現には外部環境の変化といった受動的な要素よりも能動的な自己改革が必要だと思います。自分...

リミットネットワーク Vol.242

一、 築城四〇〇年  いつもお世話になりありがとうございます。  通勤途中の山々も新緑まぶしく、まるでパッチワークのように瑞々しい青々が薫風になびいて気持ちのいい季節となりました。  今年はここ福山市のシンボルである福山城の築城四百年にあたり、これを契機に「城のあるまち福のまち」と題したさまざまな記念行事が計画されております。福山城は、日本百名城の一つで、徳川幕府から西国鎮衛の拠点として中国地方初の譜代大名、水野勝成が一六二二年に完成した。以降、水野家五代、松平家一代、阿部家十代の歴代藩主を通じて、幕末まで福山藩の政治の中心だったそうです。一九四五年八月の太平洋戦争による空襲で国宝に指定されていた天守と湯殿も焼失。その後、一九六六年に福山市制五十周年事業で天守と湯殿、月見櫓が復元されました。  そして市制百周年を迎えた同市は、これまでの先人たちに感謝するとともに、新たな未来を創造する夢を育み、飛躍と希望に満ちた街にする目標を立てました。創建当時北面は敵からの大砲弾直撃に耐えられるように天守外壁を鉄板張りにした全国唯一の特徴を再建するため、現在、福山城は八月のセレモニーに間に合わせるべく整備工事中です。  広島の東の玄関口、人口四十六万人で中国地方第四位の都市である地元福山市。次の百年への架け橋となる今年。歴史の節目に立ち会えたことに感謝しております。 二、 業績に確信  生地がありません。生地メーカーにも生機在庫が無く、発注から納品まで一年くらい、といった悪いジョークも飛び交います。さらに複数の値上げが原価コストを上げます。さらなる苦難は円安です。中国工場への工賃支払いの調達コストがどんどん上がっています。さらにさらに、中国上海のロックダウンにより物流が停滞しております。リミットの福州工場は今のところ通常稼働しておりますが、上海と同じ状況にならない保証はありません。この四重苦が業界に一気に押し寄せました。  今後懸念していることは、生地入荷が遅れるため輸出できず中国福州工場の生産が空いてしまい、それでも運転資金を送金しなければならないことです。現状ではまだそのような状況にはありませんが、途切れることのない戦争やコロナウイルスの報道ばかり見ていると、ネガティブな感情に覆いつくされそうです。  売上状況は今月も先月に引き続き回復基調で、昨年対比二割を超えました。出荷デー...

リミットネットワーク Vol.241

  一、 春なのに  おぼろ月夜の美しい頃となりました。桜も満開となり、今春は地域行事なども久しぶりに再開され、日常が戻ってきた感がします。  しかしながらこの続く空の彼方では戦争により瓦礫の廃墟となった街が今そこにある事実を受け止めなければなりません。そしてほかの国や他民族への武力による侵攻が許されない行為であることを各国政府や国際機関が徹底的に示し、孤立化しないようどう枠組みを変えられるのか。足元では新型コロナ感染、原材料・物流コストの上昇、ウクライナ危機と、アパレルメーカーにとって気がかりな問題が山積しております。国内では全国的にまん延防止解除となりましたが、下げ止まり感も否めません。繁忙期はこれからが本番です。まずやるべき目先のことに集中しながら、変化に合わせて一歩一歩対応してゆきます。 二、 久しぶりの活気  三寒四温を繰り返しながら、季節は着実に春に向かっています。桜の開花も週末の人の出に大きく影響します。ここ福山もまん延防止は解除されましたがなかなか感染者数が下がりません。よって晴れた週末の日中は駅前を中心にウインドウショッピングを楽しむ人たちでそれなりに人出はありますが、平日の二十一時以降は寂しげな飲食店のネオンが目立ちます。三回目のワクチン接種も遅ればせながら徐々に進行しているのでしょうが、このまま緩やかに感染者が増加に転じ、第七波に突入するといった不安がどこかにあるのかもしれません。  そんな心配を他所に今月は順調に注文をいただき工場もフル稼働に切り替え、日々の出荷に追われる忙しい月となりました。在庫は十分積んでいますので受注日即出荷率が上がり、久しぶりに現場の活気が戻ってきました。これからの二か月間も、さらにドタバタできるようにただただ祈るだけです。 三、 グローバル社会の明暗  少しずつ好転する注文状況のなか、どうしても気になるのは為替と世界のコロナ感染状況です。為替は先日一日で三円以上急落し、一時百二十五円代と七年ぶりの円安水準まで下げました。リミットの為替調達は昨年、だいたい三年間のスパンで為替予約を入れましたが、昨年以降どんどん円安傾向に拍車がかかり為替利益の先食いとなり、この秋に予約期間が満了になりそうです。毎月の工賃調達を考えると、どこまで円安になりコストアップするのか非常に頭の痛い問題です。  円急落と同じ日、中国上海では...

リミットネットワーク Vol.240

  一、 混迷の度を増す世界  風に冷たさの残る浅春の折、ご清祥にお暮らしでしょうか。  全国のコロナ感染状況も、第六波が週を追うごとにピークアウトに近づいていると感じてはおりますが、感染者が減った要因や新たな対策が不明瞭で、とても安心するまでには至っておりません。そして世界情勢ではついにロシア軍がウクライナ各地に侵攻しました。中国で平和の祭典である冬季オリンピックが終了した直後の戦争突入。世界中の混沌が渦を巻いています。 二、 気が満ちてくる瞬間  世の中の変革が加速化するなかで、リミットグループも今期がいよいよ始まりました。新本社に移転してから一年が経ち、新事務所にもようやく慣れてまいりました。今月もまだ閑散期で動かない月ですが、新年度に向けて二、三百枚の別注案件を複数件いただき、生地手配など前準備などでそれとなく活気づき、昨年度とは違い、繁忙期に向けてよい準備運動となっています。生産現場も来月からフル稼働に近い状態に戻り、少しずつコロナ禍前の状態に戻して行ければと期待しております。  こうした期待とは裏腹に、円安傾向や資材などの高騰には頭を痛めております。しかしながら、市場がコロナ禍で疲弊した状況から脱するであろう二〇二四年度までは値上げをしないと決断した以上、これまでにない創意工夫で生産コスト改善を図り、利益率の縮小に耐え抜きます。製品在庫もこういった状況で十分積んでおります。どうぞ安心して販売活動に専念してください。よろしくお願いいたします。 三、 人口減少に想うこと  これもコロナが大きく影響しているとは思いますが、日本の出生数の減少が気になります。昨年の出生数は六年連続で過去最少を更新し、八十四万人となったそうです。先進国ではどこも出生数減少に頭を抱えておりますが、コロナ感染流行がこれに輪をかけた状況のようです。私は人口はその国の国力であり、原動力だと考えております。現在、色々な職場で人手不足解消のため海外からの労働者を数多く受け入れております。  しかし現時点ではコロナ感染予防のため入国受け入れ人数は限られ、日本経済復調の大きな足かせとなっています。感染症の世界的流行だけではなく、この度のロシアへの追加制裁発動により、ロシアが更なる軍事行動に移り、世界の均衡が崩れた場合、世界中で人の移動が長期にわたって制限される可能性だってあるわけです。もち...

リミットネットワーク Vol.239

 今年もよろしくお願いいたします  静寂とした冷たい空気のなか、寒椿が凛とたたずんでおります。厳冬の折、皆様いかがお過ごしでしょうか。  前号でも心配していたことですが、今年も初春から第六波到来となりました。昨年末にはワクチン接種効果も出て、足元の新規感染者や重症者数はかなり減っていましたが、新たな変異型オミクロンの発生で日本でも今月初旬あたりから感染者が急増しました。この度のオミクロン型が終息したとしても、また新たな変異型が次々発生してくるのか。アフターコロナを願いつつも、ウィズコロナをどう乗り切っていけばよいのかが今年最大の課題となるでしょう。 一、 デフレ脱却となるのか  今月は期末で分母の小さい月ですが、先月に引き続き売上は新規の大口も数件入り二桁増収になりました。これで今期総売上は前期比で微増という決算になりました。決算集計が早いのもリミットの特徴で、関連会社三社も含めて月末から二営業日には各社の試算表が出来上がります。営業利益は昨年度の大赤字からは脱却できましたが少し残りました。この二年間、コロナ禍が継続するとははっきり言って予想できませんでしたが、前期中に大きな決断をし、大幅な経費削減を実行したことが功を奏しました。この二月からはコロナ対策がしっかりとられるのであれば、二〇二〇年春のような経済活動の急激な落ち込みはなく底堅さを堅持すると考え、止めていた歯車を積極的に動かそうと思っています。ただ心配なのは、物価が上がってきそうだということです。いよいよ日本もデフレ脱却かとなりますが、景気が足踏みしている状況での原材料価格の上昇が日本経済にとって良いわけはなく、悪いインフレとなり、景気を下押ししなければと危惧しております。 二、 原材料価格の高騰と販売価格  二〇二二年も新型コロナとの戦いは続きますが、三回目のワクチン接種や治療薬開発などによる感染予防と治療の徹底、さらに海外からの感染流入を防ぐ水際対策を着実に実行してゆけば、日本経済は上向いてくるはずです。しかしながらはっきりと景気回復を実感でき、設備投資や所得増といった前向きな動きとして広がるのは、来年くらいからではないでしょうか。この二年間、我々業界もいろいろな面で影響を受け、辛酸を甞めてまいりました。  いろいろな職場で働くエンドユーザーも多大な影響を受け疲弊しています。そこに石油を中心とし...