LIMIT NETWORK Vol.249
今年も大変お世話になりありがとうございました。 冬晴れが心地よい師走を迎え、本年もたくさんの感謝や反省をして振り返る時期となりました。いろいろなことに振り回された一年でしたが、皆様方には本年も格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。 一、 二〇二三年は? 今月中旬に公表された七―九月期のGDPは、前期に比べて〇・三%のマイナス、年率で一・二%のマイナス成長となり、事前予想のプラス成長を裏切った形になりました。どうもサービスを中心とした輸入が急増したことが主因のようで、国内需要はまずまず順調で、輸入増加は一時的要因ではないかと載っていました。では来年にかけてこのまま順調に上昇してゆくかといえば、どうも話はそう簡単ではなく、大きなリスク要因が二つあるそうです。 一つは海外経済の動向。特に米国の景気が大幅に悪化するリスクがある。急速な利上げによるマイナスの影響がどの程度出てくるのか。 もう一つのリスクは、コロナ感染と物価高がどの程度消費の重荷になるか。こうしたリスクは確かにありますが、私はウィズコロナに方針転換した日本の景気は来年以降緩やかに回復基調してゆくものと考えます。皆さんはどうお考えですか? 二、 地政学的リスクと絆の狭間で 中国指導部によるゼロコロナ政策への抗議が中国各地に広がっています。都市封鎖によって企業活動は停止し、景気悪化に拍車をかけています。また市民活動も制限され、封鎖への不満が抗議活動という形で爆発しています。一方、一日当たりの感染者数はここ数日連続で過去最高を記録しており、政策の形骸化があらわになっています。各地で起こっている抗議行動も、その報道自体が禁止され、国内のSNSへの投稿動画などは相次ぎ削除されています。 一方、台湾では統一地方選で与党・民進党が大敗し、国民党が支持を得ました。親中とされる野党・国民党の勢力拡大の背景には、中国との戦闘状態を拒み、和平を求める民意が働いています。二〇二四年一月の総裁選までには、民進党も新体制を構築してくるものと思いますが、今後の台湾の対中・対米外交政策の行方は、日本にとっても大変重要な問題となります。現在の半導体やハイテク製品は、米国にとっても台湾抜きには考えられず、台湾側が米国側か、中国側かで、世界の地図は大きく変わります。 中国のゼロコロナ政策には、現在、弊社も少なからず影...