リミットネットワーク Vol.239


 今年もよろしくお願いいたします


 静寂とした冷たい空気のなか、寒椿が凛とたたずんでおります。厳冬の折、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 前号でも心配していたことですが、今年も初春から第六波到来となりました。昨年末にはワクチン接種効果も出て、足元の新規感染者や重症者数はかなり減っていましたが、新たな変異型オミクロンの発生で日本でも今月初旬あたりから感染者が急増しました。この度のオミクロン型が終息したとしても、また新たな変異型が次々発生してくるのか。アフターコロナを願いつつも、ウィズコロナをどう乗り切っていけばよいのかが今年最大の課題となるでしょう。


一、 デフレ脱却となるのか


 今月は期末で分母の小さい月ですが、先月に引き続き売上は新規の大口も数件入り二桁増収になりました。これで今期総売上は前期比で微増という決算になりました。決算集計が早いのもリミットの特徴で、関連会社三社も含めて月末から二営業日には各社の試算表が出来上がります。営業利益は昨年度の大赤字からは脱却できましたが少し残りました。この二年間、コロナ禍が継続するとははっきり言って予想できませんでしたが、前期中に大きな決断をし、大幅な経費削減を実行したことが功を奏しました。この二月からはコロナ対策がしっかりとられるのであれば、二〇二〇年春のような経済活動の急激な落ち込みはなく底堅さを堅持すると考え、止めていた歯車を積極的に動かそうと思っています。ただ心配なのは、物価が上がってきそうだということです。いよいよ日本もデフレ脱却かとなりますが、景気が足踏みしている状況での原材料価格の上昇が日本経済にとって良いわけはなく、悪いインフレとなり、景気を下押ししなければと危惧しております。


二、 原材料価格の高騰と販売価格


 二〇二二年も新型コロナとの戦いは続きますが、三回目のワクチン接種や治療薬開発などによる感染予防と治療の徹底、さらに海外からの感染流入を防ぐ水際対策を着実に実行してゆけば、日本経済は上向いてくるはずです。しかしながらはっきりと景気回復を実感でき、設備投資や所得増といった前向きな動きとして広がるのは、来年くらいからではないでしょうか。この二年間、我々業界もいろいろな面で影響を受け、辛酸を甞めてまいりました。

 いろいろな職場で働くエンドユーザーも多大な影響を受け疲弊しています。そこに石油を中心とした原材料価格の高騰が、我々アパレルにも押し寄せてまいりました。

 しかしながらリミットのユニウェアは、二〇二一年より三年間、新カタログ無し・価格変更無し・廃番無しの三つのお約束を販売店の皆様にさせていただきました。よって二〇二四年二月販売分までは、どうにか企業努力して販売価格は変えません。ただ、今般のコスト上昇に対抗するため、すでにご案内させていただいてはおりますが、二〇二二年三月支払い分より金利値引きの条件変更を実行させていただきました。なにとぞ諸般の事情ご了承のうえ、よろしくお願い申し上げます。


三、 唯一無二のアパレル


 先日、二〇二二年の世界経済見通しが四・四%となり、昨年十月予想から〇・五ポイント引き下げになったと新聞に出ておりました。新たな変異型への警戒感や地政学的リスクが影響しているそうです。そうしたなか、小口の注文軒数が増加しているリミットって、本当に不思議な会社だと思いませんか。女性ワーキング専門のアパレル自体、他に聞いたことがありませんし、昔から多品種少量で、営業パーソン無しの通信販売に特化したアパレルってかなり尖ってますよね。ゴリゴリの男子ワーキング産地である備後でも、かなり不思議ちゃんとして見られます。

 全国の販売店皆様は、だいたい大手男子ワーキングの方に向いておられます。よって取引手法や各種サービスも男子アパレルのそれが基準となり、リミット独自のものはほとんど眼中にありません。例えば、お客様サービスセンターに電話で在庫を尋ね、製品在庫が無かった場合、たいていの方が「三、四か月は掛かるよね」とおっしゃいます。海外生産がメインで細かい国内自社生産工場をお持ちでない大手男物アパレルではそれが常識なのでしょうが、リミットは本社兼縫製工場です。生地さえあれば仕掛が無くとも一か月程度あれば出荷できます。そのことはホームページにも再三載せてまいりましたが、誰も読んでくれません。これまで三%で続けてきた金利値引きや、一度にお買い上げの枚数による数量値引きがかかることなど、リミット独自のサービスをよく理解していただいているお客様はごく僅かです。昨年度発行したユニウェアカタログが三年間変わらないことさえご存じないお客様もいらっしゃいます。

 このように新春から愚痴ばかり言ってもしょうがありません。このリミット通信やホームページを使ってもっと情報発信し、皆様に注目されるようなアパレルになるしかないのですから。ただそうやって全体を俯瞰してみると、この業界は我々が当たり前だと思っていることが特殊で変わっていて、まだまだ改善できるたくさんの面白いことがあり、そこに挑戦してゆけばいいのです。

 二〇二二年度もリミットの笑顔着「ユニウェア」とユニセックスなブラック基調のコンテンポラリーワーク「b×c」をどうぞよろしくお願いいたします。


  二〇二二年一月三十一日
       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治

コメント