リミットネットワーク Vol.242
一、 築城四〇〇年
いつもお世話になりありがとうございます。
通勤途中の山々も新緑まぶしく、まるでパッチワークのように瑞々しい青々が薫風になびいて気持ちのいい季節となりました。
今年はここ福山市のシンボルである福山城の築城四百年にあたり、これを契機に「城のあるまち福のまち」と題したさまざまな記念行事が計画されております。福山城は、日本百名城の一つで、徳川幕府から西国鎮衛の拠点として中国地方初の譜代大名、水野勝成が一六二二年に完成した。以降、水野家五代、松平家一代、阿部家十代の歴代藩主を通じて、幕末まで福山藩の政治の中心だったそうです。一九四五年八月の太平洋戦争による空襲で国宝に指定されていた天守と湯殿も焼失。その後、一九六六年に福山市制五十周年事業で天守と湯殿、月見櫓が復元されました。
そして市制百周年を迎えた同市は、これまでの先人たちに感謝するとともに、新たな未来を創造する夢を育み、飛躍と希望に満ちた街にする目標を立てました。創建当時北面は敵からの大砲弾直撃に耐えられるように天守外壁を鉄板張りにした全国唯一の特徴を再建するため、現在、福山城は八月のセレモニーに間に合わせるべく整備工事中です。
広島の東の玄関口、人口四十六万人で中国地方第四位の都市である地元福山市。次の百年への架け橋となる今年。歴史の節目に立ち会えたことに感謝しております。
二、 業績に確信
生地がありません。生地メーカーにも生機在庫が無く、発注から納品まで一年くらい、といった悪いジョークも飛び交います。さらに複数の値上げが原価コストを上げます。さらなる苦難は円安です。中国工場への工賃支払いの調達コストがどんどん上がっています。さらにさらに、中国上海のロックダウンにより物流が停滞しております。リミットの福州工場は今のところ通常稼働しておりますが、上海と同じ状況にならない保証はありません。この四重苦が業界に一気に押し寄せました。
今後懸念していることは、生地入荷が遅れるため輸出できず中国福州工場の生産が空いてしまい、それでも運転資金を送金しなければならないことです。現状ではまだそのような状況にはありませんが、途切れることのない戦争やコロナウイルスの報道ばかり見ていると、ネガティブな感情に覆いつくされそうです。
売上状況は今月も先月に引き続き回復基調で、昨年対比二割を超えました。出荷データ分析をしてみると、幅広いアイテムで小口ではありますが軒数が多く出ており、見本の動きも後半になるほど動いています。コロナ禍で我慢していた追加が動き出したと考えます。まだまだ定番中心に製品在庫は積んでありますので、来月もご注文即日出荷体制を引き続き実現できるものと期待しております。
明と暗。期待と失望。その狭間を行ったり来たりするわけですが、私は断言します。これから業界は反転、必ず良い方向に上がっていきます。リミットは多品種少ロットで通信販売ですから実需注文が多いです。したがって景気変動に敏感で、この度のコロナ禍でも他メーカーより早い時期に売上が低迷しました。そのかわり反転局面では小口はいち早く動き出します。これまでの景気変動時にも顕著にみられた現象です。皆さん、業界は少しずつ元気を取り戻し始めます。これからが勝負です。
三、 令和の大遷宮
今月二十二日の夕刻、地元にある備後国一宮 吉備津神社で「令和の大遷宮」が盛大に執り行われました。本殿保存修理のため神社の御霊も仮殿に移られていらっしゃいましたが、三年間の時を経て工事も無事終了し、本殿遷座祭の運びとなりました。これで本殿は重要文化財から国宝に昇格するそうです。翌日は午前中に奉祝奉幣祭が斎行され、午後から場所をホテルに移して二百名を超える直会となりました。
遷座祭の終わりに備後吉備津神社宮司挨拶があり、無事、備後吉備津神社の御霊が新しい本殿にご鎮座頂いたとの報告と、これまで協力いただいた方々への御礼を述べられました。そして、神社が遷宮を繰り返すのは「蘇り、再生」の意味があると話されました。
今、世界中が戦争、コロナ、災害などの影響を受け不安定になっておりますが、私は地元宮内に居を構える者として「令和の大遷宮」に参列させていただき、これまでの禍がすべて鎮まり、再生の道が開けたような気がしております。
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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