2020年 4月号



 いつもお世話になりありがとうございます。


 一、激動のなかでリミットの出来ること

 新緑の木の葉がつやつやと迫り出してくる季節となりました。

 皆様「スティ・ホーム」どうですか?この一カ月の間に非常事態宣言が全国に拡大され、人の移動も制限され、病院では医療崩壊が叫ばれる状態にまで事態は急速に悪化しました。ウイルスに冒され、病床では家族との接触も許されず急速に容体が悪化し、誰にも気づかれず亡くなられた方もいらっしゃいます。遺族との最期のお別れも許されず、遺骨となって再会しなければならない無念。そんな報道を見ているとやり切れない思いがこみ上げてきます。目に見えない恐怖との闘い。

 小池都知事が発表された「スティ・ホーム」とは、言い方を変えれば新型コロナウイルスの「被害者になるな・加害者になるな」ということを自覚し、現状をよくわきまえることです。今、巷では皆マスク姿ばかりです。マスクの真の有効性がどうなのか私は深く理解していませんが、周りのマスク姿の方を見てその危険な無言警告を察知することが重要なのではないでしょうか。

 今、自身を危険な状況に置きながら毎日患者の為に懸命に治療を続けていらっしゃる医療従事者の方々のお役に立てる防護服を今すぐリミットでご提供することは残念ながらできません。それでもマスクのように、自分自身の身を守りながら、周りの人たちに無言の意思や決意を伝達することの出来る作業服は作れます。

 世界中がコロナウイルスで殺伐としています。しかしこのコロナ禍が終息し、グローバルに開かれた交流が再始動するとき、互いに言語は違えども以心伝心のコミュニケーションで懸命に働く人たちが活躍出来る仕事服作りに、リミットは貢献してゆきたいと考えます。


 二、新たな勤務形態とは?

 暦は春ですが、今月は花冷えの続く日が多かったように感じました。商況ですが、前半は前年同月以上の動きを見せました。しかし非常事態宣言が発出されてから急下降して二桁減になりました。お客様のお話でも、「宣言が出されてからは積極的な営業活動がためらわれ、電話での問い合わせに終始した。」「キャンセル・返品が相次ぎ、そして誰もいなくなった」など営業活動自体が出来なくなった販売店も多数おられました。

 やはり皆さんが一番危惧されていることは、この状態がいつまで続くのか、資金のある間に終息するのか、といった切実な問題です。リミットでも非常事態宣言が全国に拡大された段階から、在宅・短縮や交代出社などの検討を始めました。閑散期ならいざ知らず春夏の繁忙期です。このような状況でも少なからず急ぎの注文も頂きます。在庫の切れたものは早急に作って出荷しなければならず、悩みました。

 現状、通勤は全社員のほとんどがマイカー出勤ですので、接触者はリミット内に限られます。職場環境の換気と室温・湿度に注意し、密集を出来るだけ避けるよう指示しました。本社は最初から営業がいませんから、受注と生産計画とシステム企画部門は在宅でテレワークにし、役員以外の二名だけ出勤してもらいました。出雲工場は少数で職場も広いので皆出勤。新市工場は出荷・裁断部門は少数ですので出勤。問題は人数の多い縫製部門ですが、時間短縮や交代では大幅に効率が落ちます。そこで休業日を設け、逆に納期の短縮化を図りました。

 この度の疫病終焉後、日本の勤務形態は大きく変化し、様々な災害時にでも即対応できる柔軟な組織・勤務形態に生まれ変わるかもしれません。五月の大型連休後、現在出されている非常事態宣言が解除になるか延長になるのか。その時点で勤務形態については再考します。


 三、大不況時に新たな挑戦

 コロナ禍で日常が一変している異常時の今、期せずして今月よりこのリミット通信もデジタルに様変わりいたしました。まずは手探りで試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ改良してゆき、皆様のご期待・ご要望にお応えできるよう努めてまいります。どうぞ忌憚のないご意見をお待ちしております。



  二〇二〇年四月二十八日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治

コメント