2020年 3月号
一、コロナパニック後の新しい秩序
いつもお世話になりありがとうございます。
例年なら花の便りも聞かれる今日この頃ですが、世界中がコロナパニックに陥っています。先月号では中国を中心とした東アジアで猛威をふるっていました。そして新型コロナウイルスの日本の産業への影響は、中国に関連する業界が目立っていました。誰もが中国に限定した拡散で終息することを期待していました。しかし、それははかない願望に過ぎなかったのです。
現時点ではヨーロッパやアメリカ、それに中東などで爆発的に感染が拡がりました。WHOは、ついにパンデミックを宣言しました。非常事態宣言は、世界いたるところで発動され、それとともに株式相場も大暴落しています。
この事態は、亡くなられた方々のことを思うと心苦しい表現になりますが、考えようによっては、必ずしも実体経済を反映していない投機でバブル化した相変わらずの市場が、短期間で一気にリセットし、リアルな姿に戻ったともいえます。新型コロナウイルスはワクチンと治療薬が開発されれば必ず終息に向かいます。それまでの時間をどう過ごすか?事ここに至って、リミットは頭を切り替え、企業経営のスタンスを危機モードに、姿勢を低くしながらでも未来に向かって匍匐前進を続けます。この世界的なコロナパニックのリセッション後には、必ず新しい政治・経済秩序が構築されていくのではないでしょうか。
二、深手を負った中国、本格再始動へ向けて
中国での感染者数は、日本とは反対に日を重ねるごとに減少傾向へと変わっています。依然として経済状況は深い傷を負っています。中国の経済統計を確認できる範囲では、一月〜二月のGDP伸び率が初めてマイナスとなりました。
この状況下で、福州のリミットは、当初の予定を半月ずれ込み、今月中旬から本格稼働となりました。ようやく昨年末の体制に戻れたわけですが、今後の商況次第では生産調整も視野に入れておかなければなりません。
現在の注文状況から推察しますと、昨年に比べ見本注文が減りました。追加注文をそれなりにいただいております。よって新規案件は当分の間、苦戦を余儀なくされるでしょう。サイズ切れなどに迅速に対応できるよう、国内生産体制の更なる効率化が喫緊の課題になります。
三、「窮すれば通ず」
システムのアップグレード
例年ですと春夏物の受注が早い段階から動いているはずです。今期春物は、新型コロナウイルスの影響で前半は苦戦を強いられました。後半には回復しましたが、昨年実績に追いつくことができませんでした。最盛期の四〜五月がどのように推移するか。日々いただくネットやFAXでの受注状況が今から心配で、心配で、夜中に飛び起きることもあります。
その上、特に今年はWindowsのアップグレードに伴い、夏にリミットシステムの更新という大きな投資を予定しています。当初は仮想サーバーなどハード・ソフトも含めて総額一千六〇〇万円の投資予定でしたが、先の見えない今後を踏まえ再度システム投資を熟考した結果、ある程度社内で内製化し、当初の半額程度で、ほぼ同等のパフォーマンスを有するシステム構築可能とする案が見つかりました。これもこれまでシステムに投資し続け、社内人材が勉強してくれたおかげです。
投資するにも資金を稼いでいなくてはできません。資金が無ければ知恵を働かせるしかありません。商況が厳しくなればなるほど、社内会議の議題は明確になり、内容はより具体的に、よりレベルの高いものになってきます。まさに「窮すれば通ず」です。
四、創立50周年迎え、
リミット新たなステージへ
リミット企画部は、会社設立五十周年の節目を迎え、新たな一歩となる来年度のユニウェア総合カタログ全面リニューアルに向け動き出しています。また来年度に向けての新商品開発会議も同時にスタートを切りました。皆様のお力添えをいただき、五十年という一つの節目を迎えることができました。変化し続ける時代と共生できるリミットに変身し続けねばなりません。
そういった意味ではこのリミット通信も、先代より三十五年間紙媒体で全国に郵送を続けてまいりましたが、いよいよ今号で紙媒体から卒業いたします。来月四月号からは、これまで蓄積してまいりましたリミット販売システムのデジタルデータも活用し、新たにメールに形を変えてブラッシュアップして皆様にお届けいたします。
これまでにご意見、ご感想、励ましやお叱りのお言葉を多数いただき、大変ありがたく、本当に勉強になりました。先代の頃より長年に亘り制作にご協力していただいた方々、ご愛読いただいた方々、誠にありがとうございました。これからの新しいリミット通信も是非ご期待ください。
二〇二〇年三月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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