LIMIT NETWORK Vol.288
いつもお世話になりありがとうございます。
晴れ間の恋しい季節となりましたが、貴社の皆様はお変わりございませんか。この度のダブル台風により被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
長らく続いた中東情勢は、ようやく戦闘終結に向けた協議に進みつつあります。それでもこの半年で世界情勢は大きく変貌し、圧倒的な軍事力による支配が困難であるということを証明してくれたのではないでしょうか。翻って日本は二〇二七年に向け、安全保障政策の変更を急いでおります。高市政権が目指す憲法九条の改定、自衛隊の三文書改定により、専守防衛の範囲内から、敵地先制攻撃を可能にする積極的な防衛に舵を切ろうとしています。日本周辺の安全保障環境が、戦後最も厳しく複雑な状況へ一変したという強い危機感。また、日米安保の傘によりアメリカが助けてくれることを鵜呑みに出来ないのはよく理解できます。しかしながら議論に議論を重ねず、堰を切ったかのような前倒しはいかがなものでしょうか。いいお手本としてトランプ大統領の政策の進め方を参考にすれば、よくご理解いただけると思うのですが、いかがでしょうか。
一、 世界情勢の悪弊とアパレルの責任
今後、どのくらいの期間でホルムズ海峡に停滞していたタンカーがすべて脱出できるか分かりませんが、すべてが脱出できたとしても中東情勢を受けた燃料高の影響は、日本の電気料金に秋以降本格的に波及する見通しだそうです。停戦合意を受け、足元の原油価格は下落に転じましたが、これが料金に反映するには時間差があるようです。政府による夏の電力補助金はあるものの、燃料高の影響は円安もあり残るとみられます。
このような情勢で金利が上がり、円安は進行しています。今月は別注、定番を中心に動きましたが小口が大半でした。ここ数年は、五月の夏物売上高が突出することなく、四月以降、だらだらと同じ水準の売上高が平均的に六月まで続く傾向が顕著です。つまり各企業の一括注文が減り、必要な分だけ何度も注文を入れているのではないでしょうか。そうすると何度もユーザーのところに伺わねばならず、コストがかさみます。ただ上記の状況では、ユニフォームを一新しようとはなかなかなりにくいのも事実。この閉塞感をどう打破してゆくかが課題です。
また、こんな記事も出ていました。『ゲオホールディングスは、メーカーや小売店の余剰在庫を買い取り、低価格で販売するオフプライスストアの店舗網を拡大する。定価の三〇から九〇%割引を武器に、足元の十倍となる五百店舗を今後商業施設などに出店を進める予定。』物価高への生活防衛需要が高まっているので、店舗を増やせばそれだけ仕入れ量を増やすことが出来るため、さらに商品一点当たりの仕入れ額を抑え、低価格化が実現できます。
このような変化の中で、販売価格を守ってゆくのは本当に厳しいです。しかしながら、同じ商品を他所の人が自分より安価で購入したと知ったら、誰だっていい気はしません。また、売れ残るほど大量に作り、単価を下げても、必ず大量に余ってしまいます。その処分を人に任せるのは、自分のブランドの価値を自分で貶めているのと同じです。それでリサイクル製品を作り、循環社会に積極的に貢献しています、と胸を張れるのでしょうか。人口縮小のなか、やはり必要な分だけ大事に作り、原価を計算し、販売価格を決める。神様ではないので売れ残ったり、足らなかったりは多少出ますが、売れ残れば利益で自ら償却し、足らないものはクイック生産して間に合わせる努力をすることこそ、アパレルの責任として自己完結できるのではないでしょうか。
二、 将来のユニフォームの役割とは
この度の運賃改定で七月から運賃が引き上げられました。運送会社の方からは二〇二八年の「トラック新法」の完全施行に向け、運賃はまだまだ高騰しますとの話でした。世の中がデフレからインフレに変わり、政策金利が三十一年ぶりに一・0%に引き上げられました。この変化に企業自体も対応してゆかなければ生き残ることは出来ません。暗澹となっていた時、業界新聞に出ていた新しく日本ユニフォームセンターの理事長に就任された方の記事に勇気を頂きました。内容は『今の時代、ユニフォームを取り巻く環境は転換期にある。少子高齢化、労働力不足、労働環境の変化や働き方の多様化。国内の市場規模が拡大していくことは難しい。しかし、ユニフォームは安産性や快適性を担保するだけではなく、着用することによる誇りや、企業理念、社会的責任を体現する極めて象徴性の高い存在だ。』と載っていました。まさにそこが一般アパレルと違うところです。
目先の市況は暗くとも、六十歳以上のシニア層の副業就労を歓迎する求人数は三年で二倍に伸びています。健康寿命が延びるなか、社会に貢献したいシニアは増加しています。リミットはまさにそこにフォーカスし、現在、ビルメンテナンスで実際に働いておられるシニア層にお伺いして、高齢者ならではの作業服に対するウォンツやニーズを探っています。
AIの更なる普及により、多数の職種で働く人たちがいらなくなると聞きます。しかし、世の中が未来に向かって進歩してゆくということは、新しい職種もたくさん誕生するということです。もしかしたら将来、ヤングとシニアの人間とAIロボットが同じユニフォームを着て、互いに助け合いながら働くといった光景が当たり前になるかもしれません。
二〇二六年六月三十日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治


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