LIMIT NETWORK Vol.281
いつもお世話になりありがとうございます。
秋晴れの日が続き、気持ちのいい季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしですか?
ようやく気温も例年と同じくらいに落ち着き、活動するにも最適な季節となりました。長引く残暑でなかなか秋冬物が出ませんでした。後半になり季節がすすみ徐々に増え始めましたが、追いつきませんでした。スタートが遅かっただけに来月以降に期待をしております。
それにしても今年の夏は暑くて長かった。野外での活動には弊社のファン付きスモック「FUN-FAN(ファンファン)のありがたさを実感しました。これを着ているとファンの音で寄ってくる蚊の羽音も気にならず、集中して庭の草取りに没頭しました。長時間しゃがんだ姿勢でも、二層構造で膨らまないので邪魔にならず、必要な体の部位に必要なだけの風を送り込んでくるので休憩する時間も短く、タイパ良く作業を進められます。今年は入荷が遅れましたが、来年は春先から在庫があります。高い商品ですので是非見本をとって試していただいてからのご購入を宜しくお願いいたします。
一、 新カタログ製作は最盛期
リミット企画部は来月のカタログ撮影準備に忙しくしております。近年はデジタル広告全盛時代を迎え、少数派となりつつある紙媒体でのカタログ制作費は右肩上がりに高騰しています。少しでも製作コストを下げるため、発行部数を減らしたり、弊社で出来ることはなるべく制作会社に任せず、ロケ場所や撮影させていただく企業に直接交渉したり、製品の細かい部分撮影はこちらが請け負ったりと、試行錯誤しながら挑戦しております。それでもカタログは大事なリミットの営業マンです。ロケハンや撮影時には緊張感を持って臨みます。制作会社との会議でも言うべきことは妥協せず、常に新しいチャレンジをし、少しでもお客様に分かりやすいカタログをと思っています。働く女性が輝ける一助になればと、カタログデータ入稿まで全力投球で駆け抜けます。
二、 一年ぶりに中国工場へ
今月は二十六日から三日間、一年ぶりに中国福州工場へ息子と行ってきました。息子にとっては初めての福州工場で、商社勤めの時はコロナ禍だったため海外工場視察も無かったので、色々と勉強になったと思います。総経理の話ではやはり中国も景気があまりよくなく、デフレ基調が続いています。特に外食産業は節約志向のため厳しいようですが、連れて行ってもらった最近できたお店は予約で一杯。本当に中国は不思議な国です。今年は在庫調整のため減産をしていますので、工場の雰囲気を心配しておりました。しかし総経理以下管理の人たちのいろいろな工夫により、士気が下がることなく黙々と縫製をしてくれていました。ただやはり円安が進んでいますので、今後の生産コスト上昇の話し合いに会議の大半を費やしました。中国も少子高齢化が加速し、社会保険料など社会保障費を上げていく傾向にあり、国内需要をいかに喚起してゆくかが焦点のようです。そんな中でも福州市内には文化を求めて国内旅行者が増えているようで、日本よりも活気があるように見受けられました。目にする車も半分くらいはもう電気自動車です。今回新幹線にも乗りましたが非常に快適でした。工場も徐々に増産する予定で、品質の安定を総経理にお願いして帰国の途に就きました。
三、 商品の一部値上げを決断
一〇四代目にして初の女性宰相が誕生しました。政務三役にも女性十人を登用するなど、働く女性を応援するリミットも心から声援を送ります。これからガラスの天井を破ったパワーで改革を断行してもらいたいものです。しかしながら国内経済は円安が進行し、株価も上がり、それに比例して仕入コストも上昇が続くインフレが止まりません。今後も政治は少数与党で減税やバラマキは増え、緊縮財政を進めるのは難しいと思います。政府もインフレによる物価高に負けないように、人件費はこれから最低賃金を時給千五百円まで早急に上げていく指針です。円安がどんどん進めば海外縫製加工賃はますます上昇します。次世代への投資も継続しなければなりません。
私は作業服製造通販アパレルとしての王道を歩みたいと思っています。どのお客様にも、同じ値段で、同じ納期で、平等なお取引をさせていただいております。また例えば商品が売れなくなり、その在庫が少なくなると廃番決定します。しかしエンドユーザーの中には切り替えたばかりの会社もあるかもしれません。そのためリミットは廃番を出しても一年間は生地があれば同値で作り、二年目以降も生地がある限り別注として作り続けることにしています。作業服は一般衣料とは違います。誰がいつ何時でも、その作業服を着た人を見かけたら、あそこの会社の人だねと認識できる装いです。また、その制服の着用者はこの制服を着ている以上、世間様から後ろ指をさされるような振る舞いは出来ないぞという自負心が芽生え、軽はずみな行動への抑止になり、世の中が平和に回ってゆく大事な性格を持っている服だとアパレルとして誇りを持っています。
備蓄する在庫は福州工場で。四十枚からの別注やクイック生産は短納期の新市工場でと、目的を分ければ住みわけは可能です。ただし、一枚からでも作る究極の多品種少量生産はコスト高になります。それでもリミットが生き残ってゆくためには、この王道をまい進するしか他に道はありません。
この度中国へも行き今後の検討を重ね、現状のコスト高がもはや企業努力だけでは吸収しえない段階に至ったことを認識し、誠に不本意ながら来年三月出荷分から一部商品の販売価格を一割程度値上げさせていただくことを決めました。値上依頼書は、追って正式にご連絡させていただきます。なにとぞご理解、ご協力を宜しくお願いいたします。
二〇二五年十月三十一日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治

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