LIMIT NETWORK Vol.280


 いつもお世話になりありがとうございます。


 通勤途中の芦田川沿いの土手には、無数の彼岸花が咲き、秋の長雨の時季となりました。ただ今年の気温はまだまだ夏の梅雨時期を連想させますし、しとしと、というより一気に豪雨となるケースが多く、あちこちで水害をもたらし、日本も亜熱帯化がすすんでいるのでしょうか。季節の四季が乱れて夏が長くなっているといった説明もされています。もしそうなら日々働く人々に着ていただく制服にも多大な影響を与えます。こういった変化が生地やデザインに影響を与え、着用者が喜ぶ画期的な新商品を生み出していきたいものです。


一、 追っかけ生産があたりまえの時代


 今月はこの暑さで月初めの動きが鈍かったです。お彼岸を過ぎて日中の日が短くなってからは大口も動くようになり、何とか昨年に追いつくことが出来ました。販売店の皆様にお話を伺うと、やはり残暑の影響が大きいとおっしゃっていました。季節の変化が緩やかに進行するのではなく、急激に変わったり戻ったりするので、衣替えの時期も悩みます。私たちの業界で例えるなら、春先からファン付き作業服が一斉に動き出し、残暑が続くので秋冬長袖に移行する時期も短く、それでいて暖冬傾向で防寒が動かず。といった具合になかなか計画通りに販売することが難しくなっています。

 市況も視界が良くありません。ここ福山でも業種は違いますが大手のJFEホールディングスは、西日本製鉄所の福山地区の高炉一基を二十七年度に休止する方針を出しています。中国の過剰生産のほかトランプ関税の影響で、厳しい状況を見込んでの減産です。また、身近なところでは備後のレディースパンツアパレルも最近二社が閉められたと聞きました。このような厳しい状況のなか、製品原価も上がっています。当然、総在庫金額は増加しておりますが、金融機関の在庫に対する見方は厳しくなっています。

 今最善の策は、リミットもせっかく国内生産工場を持っているので、やはり前もって在庫をたくさん積むのではなく、最低限積んでおいて、あとは売れ行きを見て国内で追っかけ生産するのが賢明だと考えております。


二、 女男兼用という考え方


 今リミットでは、来年度の新商品生産、新カタログ製作に忙しくしております。来年度のユニセックス仕様の新スモックは、デザインがスポーティーでストレッチ性も良く、プロトタイプの段階でお客様のところにお持ちし、みていただいた時も評価が高く、これは売れると確信しております。リミットは長年働く女性に特化してきた独自のパターン技術を持っています。女性には胸があります。このことは男性とは明らかに違うパターンになります。リミットのパターンは端的に言えば、女性体型にフィットする曲線の美学です。それに対して、男性体型にフィットするのは直線の美学です。

 最近企画営業が、リミットの商品を長年ご愛顧いただいているエンドユーザーを販売店に紹介していただき、どうして長年購入していただいているかを直接伺うようにしております。いろいろなご意見がありますが、やはり長年着用してみて「着やすい」「しわになりにくい」「柔らかく馴染む」というご意見が圧倒的に多いです。曲線にゆとりを持たせ、ストレッチ性のない布帛でありながら突っ張らない。リミットのユニセックス仕様の製品は、女性を中心に考えた「女男兼用」製品なのです。だから女性の方はもちろん、男性の方でも突っ張るなど無理がいかないパターンとなっております。

 是非、来年度はリミットの「女男兼用」の新しいスモックを見本注文していただき、これまでの商品と見比べてください。宜しくお願いいたします。 



  二〇二五年九月三十日
       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治




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