LIMIT NETWORK Vol.275

 


 いつもお世話になりありがとうございます。

 緑がまぶしい季節となりました。山には桜が散って代わりに山藤が垂れています。季節は次の夏に向かおうとしています。リミットも次のステージに着実に進んでまいります。

 長男が帰ってきて早一か月。ようやく職場の雰囲気にも慣れてきたようです。前職とは違った環境で戸惑いながらも一つ一つ教えを請い、自分なりのものにしていって欲しいと思います。
 このリミット通信を書きながら、先代の言葉を思い出します。「このリミット通信はお客様、仕入れ先などリミットに関係する皆様に、自分自身の言葉で今の気持ちや会社状況を直接お伝えする大事な手紙だ。私の素直な思いを徒然書き連ねるので、失礼に当たることもあり相手がご立腹されることもあるだろう。だから読まずに捨てる人が大半だと思う。しかし私は、それはそれでよいと思っている。なぜなら自分が本当に読んでもらいたいのは、息子であるあなたで、後継者教育だと思っているからだ」と。

 結婚して親になり、今こうして同じ会社に親子で働くようになった。短かったようで長い年月。若い感性を生かしてリミットを前進させていって欲しいと心から期待しております。


一、 いざ東北へ


 今月のリミット五五周年感謝の旅は、桜が咲く暖かくなり始めた上旬に北関東に入り、そこから甲信越、北陸まで足を延ばしました。移動距離が長くお伺いできた先も限られてしまいました。下旬には杜の都仙台に入り、盛岡、郡山と三県のお客様に会いに行きました。気候も良くなり、雪の残る山々を背景に小川には菜の花やチューリップが咲き誇り、その間を桜の花びらが舞う光景はこれまで目にしたことがなく、しばし時を忘れました。

 企画チーフの妻も秋田へ用事が出来ましたので、出張を延長して秋田のお客様に会いに行ってくれ、私の思いを伝えてくれました。お世話になった皆様、ありがとうございました。

 今年から販売いたします二層式ファン付き「fun-fan」ブランドの男女兼用スモックと黒ベストを、販売店の皆様に実際に見ていただき多くのご意見を頂いております。「冷え性でも寒くなり過ぎない」と女性に特化したからこその開発秘話をお話しすると、特に女性の方などはとても共感をもって何度も頷かれます。黒のベストタイプは今月から、スモックタイプは六月からの販売となります。二週間の見本貸し出しもありますので、ぜひ在庫のあるうちにご連絡くださいませ。

 昨年からこうして全国のお客様に初めまして、とお伺いするのは正直気恥ずかしいのですが、その土地、土地で地場に根を張って、様々な業種のエンドユーザーと商売を通して育まれているご関係などをお伺いするにつけ、やはり商売は信用第一と痛感致します。いろいろなお国言葉に耳を楽しませながら、電車やバスに揺られるのも営業の醍醐味だと感じました。まだお伺いしていないお客様はたくさんあります。機会を見つけては、業界発展のため、意見交換を続けたいと思います。


二、 継続は力なり


 今月は毎年の事ではありますが、個人的に行事の多い月となりました。

 一つは備後吉備津神社で毎年この月に執り行われる桜山神社の例大祭です。鎌倉時代末期、備後国の武将であった桜山茲俊が元弘の乱の際、楠木正成の挙兵に呼応する形で備後国一ノ宮にて挙兵。一時は破竹の勢いを示すも、笠置山の戦いにおける官軍敗戦の報に大混乱。吉備津宮に放火し、妻子を殺害した後、一族郎党と共に自刃した。この桜山城主 桜山茲俊と共に自刃した家臣一族の末裔が毎年例大祭に集うという祭事なのですが、私もその家臣の末裔で、毎年参列させていただいております。もうすぐ七〇〇年になるそうですが、毎年参列される方々が少なくなっております。

 もう一つは大型連休前に執り行われる本宅裏の五社稲荷神社の祭事です。こちらは現在世話役をさせていただいており、近所の組内のみなさんと稲荷の周りを掃除し、備後吉備津神社の宮司をお招きして五穀豊穣に感謝するお祭りです。こちらも一番若いのは私ら家族で、年々参加者が減っています。

 若いうちは、なんでこんな行事に参加しなくてはならないのか、と愚痴をこぼしておりました。それでも長年経過するうちに、参加されていた方が一人欠け、二人欠けと少なくなると、祭事を継続することもままならなくなります。それも仕方のないことだと思うのですが、参加できるうちは参加しようと思うようになりました。



  二〇二五年四月三十日
       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治






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