LIMIT NETWORK Vol.268
いつもお世話になりありがとうございます。
暑さ去りやらぬ昨今ですが、朝晩はだいぶ過ごしやすく感じられるようになりました。貴社におかれましてはいよいよご隆盛の段お喜び申し上げます。
さて今まさに、過去最強クラスの台風十号が列島を縦断しております。すでに台風から遠く離れた地域でも土砂崩れの被害が出ております。現在、九州、四国地区の被害が連日報道されています。一日も早く復旧されることを願います。この度の台風は速度が遅く、影響も長引きます。暴風が吹く前に、早めの避難を心がけてください、と気象庁も最大級の警戒を呼びかけています。皆様方の地域に被害の無いことを祈るばかりです。
今年の夏は酷暑の日が多かったですが、最近は雷雨や豪雨の規模が桁違いで日常生活も気象に翻弄されてしまいます。
涼しくなったらまた皆様のもとに旅に出ようと考えていますので、お伺いした折にはどうぞ宜しくお願い致します。
一、 期待される商品を
夏が終わり、上半期の出荷枚数は微減という結果になりました。九年ぶりに値上げを断行し臨んだ春夏商戦。前回値上げ時の九年前もそうでしたが、上半期はやはり苦戦し、下半期で挽回しました。後半は期待しております。
受注分析をしてみると、別注・別寸の注文はかなり増加いたしました。国内縫製工場を持っている強みが発揮されたと考えております。また、やはり定番の女性スモックが売り上げを支えております。各アパレルが女性スモックを減らしているなか、リミットのスモックに回帰される傾向があるのか底堅く推移しております。最近では介護施設などでの採用も増えてきており、企画では新時代のスモック開発を命題に新商品作りを急いでおります。
ただここまで酷暑になりますと、リミットでは夏本番に外仕事で着用される最適作業服のアイテムがありません。今年に入ってからのお客様訪問でも、空調服による着膨れを気にする女性でもこの夏の暑さに負け採用が増加してきている、との声を多数いただきました。そこで来年度は酷暑最盛期に喜んでいただける空調服を新発売したいと考えております。こうご期待を。
二、 中国工場の協力
来月は米国FRBが利下げするのかどうかが注目されています。実際のところ米国の実体経済はいろいろな業界のリストラ報道などをみますと、市場の予測よりかなり悪いのではないかと思います。そうなると金利の引き下げは米国経済浮揚にとって先送りできない課題です。世界は利下げ、日本は利上げ、インフレの足音が少しずつ近づいております。
このような景況感から秋以降もどんどん作業服が売れる環境にはないと判断いたします。必要最小限を追加注文するのがやっとだと思われます。そこで昨年秋に中国工場の減産を指示しましたが、もう一段の減産を先月決めました。ご存じのようにリミットは独資の中国工場でほぼ全量生産し、貿易も自社でしております。よって、中国に向かっている船の原反・付属在庫、中国にある生地や半製品、こちらに船で帰ってきている製品在庫までが総在庫として計上されています。商社に委託で生産してもらっている場合は、引き取った製品在庫だけ計上となります。よってリミットは売上金額の割に在庫金額が多く見られがちです。それでも中国で多品種少量生産するためには商社経由にはできず、この方法しかありません。
生産は毎月一定数量で回すことが、一番生産効率も上がります。例えば中国で縫製現場に人がどんどん来てくれる状況なら、毎年売上増減に対応して生産量を上げたり、下げたりできると思いますが、日本と同様、中国でも縫製現場では人の採用が難しくなってきています。今年はリストラして減産し、来年回復したらすぐ採用して増産するような芸当は難しいのです。
コロナ禍が何年続くのか見当もつかない状況で、先ずは国内経費の圧縮を優先し、先述のとおり中国工場の減産は最終手段と考えておりました。先に減産、リストラして、コロナ禍が落ち着いたとき、すぐに増員はできないからです。
それでも前期は販売数量が振るわなかったため、この度の決断となりました。生産枚数が販売枚数より少なければ、必ず在庫は落ちます。ただ、現在ある製品在庫から徐々に減っていきますので時間は掛かります。時間はかかっても適正在庫に落ちるまでは、減産を続けなければなりません。この度の減産に協力してくれた中国工場の総経理に今、大変感謝しております。
二〇二四年八月三十日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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