LIMIT NETWORK Vol.266
いつもお世話になりありがとうございます。
昨年より一カ月近くも遅い梅雨入りとなり毎日蒸し暑い日々が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。雨が降らなければ水不足を心配し、線状降水帯が発生すれば災害に備えるといった両極端な雨の降り方が多くなってきています。これは天候だけではなく、最近の国際情勢も経済状況にも当てはまることで、それだけ情報過多のなか思考がついてゆけなくなっていて、無意識のうちに右往左往の行動をとっているのではないかと心配しております。「なすがまま」で生きる。今一番大事なことかもしれません。
一、 横浜展示会と販売店訪問
先月の二十九、三十日の二日間、パシフィコ横浜で開催されました「フューネラルビジネスフェア二〇二四」は弊社のブースにもたくさん来場いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。この展示会への出店はかれこれ十回くらいとなり、出店者同士顔なじみも出来、近況など情報交換もできました。
展示会出張に合わせて「リミット創業五十五周年 感謝の行脚」と題して、自ら長年お世話になっている販売店を限られた日数でご訪問させていただいております。リミットが通信販売で営業部門が無いため、これまであまりお伺いする機会がございませんでしたので、ご訪問するとびっくりされるケースが多く、貴重なお話を直接ご拝聴する楽しい時間となります。四月は関西方面を六社、五月は関東方面を八社、今月は東海方面を十社と、列車とバスを乗り継いてお邪魔してまいりました。ご訪問させていただいた販売店の皆様、貴重なお時間をありがとうございました。
ご訪問させていただき社長様とお話しさせていただきますと、その地区、地区の地場産業や社歴、営業活動やユーザーの業種など様々だということがよく分かりました。今月訪問した岐阜・名古屋地区は三、四代目という社長様が多く、元は織機を作っていたとか紳士服を縫製していたとか、その長い社歴を痛感いたしました。
まだまだお伺いしていない販売店の皆様、長年のご愛顧の御礼に伺います時は、何卒よろしくお願いいたします。
二、 対面して伺う本当のところ
ご訪問させていただいた先で社長様方と意見交換させていただく中で、最近の厳しい商況を詳細に理解することが出来ます。値上げが数年にわたって続き、ユーザーへの説明だけで手間暇がかかり仕事にならないとか、ユーザーもコスト増で新規で制服を買う状況にない。少量の追加が動くだけで儲からない。数年で商品の切り替えをされたのでは安心して販売できない。などなど、訪問した三地区で共通したご意見でした。
また、アパレルは在庫が切れたら来年まで待たなければならず、国内で少ロット生産できる縫製工場が無くなって困っている、といった話も多く聞かれました。すかさず「弊社は初回四〇枚、追加は一〇枚から別注をお受けできます」と応えたところ、早速見積依頼をいただいた先もありました。今後においては、国内工場の重要性がますます高まりそうです。
三、 振れすぎたものが戻るとき
梅雨時期の不安定な空を観ながらまだ見ぬ訪問先へ歩を進めていると、営業の大変さを身を持って体験できます。こうしてリミット製品もユーザーのお手元に届くのかと思うと改めて感謝の念が湧いてきます。ただ、じりじりと円安が進むなか、物流の値上や資材の値上話が続いております。夏商戦も一段落し、販売数量は減ってきており、更なる減産も頭をよぎります。
リミットの女性物の場合、多品種少量生産のため、小ロット生産で原価も高く、定番以外はそんなに積んでなくても、種類が多く、直接貿易をしているので商社持たせの在庫が無く、中国の子会社に至るまで在庫金額として計上されるので総在庫が多く見えます。最近、地場の金融機関から、「三年以上残っている在庫は、死に在庫とみなします」と言われました。しかし、作業服はサイクルで売れてゆきます。一般衣料と違って継続して着ていただく企業の顔です。
世界を見渡せばコロナ禍後はグローバル化から一転、どの国も保守的となり保護貿易に傾き、関税がどんどん高くなっています。このまま自国第一主義が横行すれば、戦争にまっしぐらとなります。海外からモノも入ってこなくなり、数限られた国内生産では賄えなくなります。物流も明日届くから、届くまで待つに変わってきています。我が業界も、いつまででも待つから作って欲しい、という時代がすぐそこまで来ているのです。
二〇二四年六月二十七日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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