リミットネットワーク Vol.233
いつもお世話になりありがとうございます。
一、 繰り返す緊急事態宣言に想う
梅雨明けの待たれる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ここ広島は「緊急事態宣言」が解除となり、日に日に人流も増えてまいりました。それでもこれまでの夏と違い、往来する人は皆マスク着用姿です。ここまでくればもう見慣れましたが、この時期はさすがに皆マスクが不快なようで表情に険しさが残ります。これからの猛暑を想うと、一刻も早くマスクの要らない日常生活に戻りたいですね。
そのための緊急事態宣言や休業要請であったのですが、こう何度も解除と発出を繰り返せば、宣言自体の厳格さが薄れ、イソップ寓話「オオカミと少年」のように誰も宣言を信じず、感染爆発の末路をたどりかねません。宣言中の感染者推移や経過報告の重要性、解除目標と再宣言基準など、将来の方向性も踏まえながらの懇切丁寧な説明と説得。これは企業経営にもなぞられ、私にとっては耳の痛い話となりました。
二、 春夏最盛期を振り返り
今月は前年同月比で二桁増になりました。とはいえ昨年はすでにコロナ禍で落としていましたので単純に喜べませんが、それでも昨年より多くのお客様に貢献できたわけですから、大変ありがたいことです。先月までの工場系定番の勢いにつられてかサービス系もようやく増えだし、ショップを対象とする商品の動きがよく、昨年度から一般カジュアルでも流行りつつあったスタンドカラーの種類で、バンドカラーのストライプ商品が好調です。サービス関連業界もここにきてようやく動き始めた感があり、大変うれしく思います。
しかしながら今もって「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」が適用されている地域があり、すでに宣言解除時に比べ感染者数が徐々に増加している地域もあります。広島での宣言発令中に近所の飲食店街通りを歩きましたが、どこも店は閉められ入口には休業を知らせる張り紙が張られており、気の毒で張り紙を直視できませんでした。営業できるのにできない断腸の思いで皆過ごされたのだと思います。このようなご時世で作業服が売れるはずがないと思います。
今時期、例年ですとリミット工場では、夏物販売終盤で在庫切れ品番やサイズ切れが出始め、変形労働時間を採用している縫製部門では通常終業時間を三十分延長して追っかけ生産をしている時期です。それが昨年よりそういった光景はとんと見ません。製品在庫も十分ございますので来月からの二カ月間は閑散期ということもあり、すでに納品書でご通知させて頂いている通り、終業時間を一時間早めの十七時までと致します。どうぞ皆様、ご不便をおかけいたしますが何卒よろしくお願いいたします。
世の中に不思議なことは無いとすれば、この現状が正しいのだと覚悟を決めています。そして毎日働くことができるありがたさに感謝しております。ワクチン接種が少しずつ増えるにしたがって、少しずつ明るい報せも増えてまいりました。これから閑散期に突入するとはいえ、少しずつ平常に戻ってゆくエンドユーザーからは、梅雨明けの猛暑で我慢できないと追加発注があるかもしれません。長い暗かったトンネルも、だんだん明かりが洩れ入って出口がおぼろげに見え始めました。希望をもって次の投資に積極果敢に踏み出します。
三、 コロナウイルス禍に問う人間の社会性
先般、サルを中心とする霊長類社会についての研究で知られる京大名誉教授の河合雅雄さんが老衰のため亡くなられた記事が新聞に出ていました。サルが芋を洗って食べる行為を観察され、人間以外の霊長類にも文化的行動が存在するのを証明された方です。評伝には、亡くなった河合さんはサル学に新境地を開き、児童文学も執筆。現代社会で子供が集団行動を通じて想像力や社会性を養う環境が薄れつつあることに警鐘を鳴らしたことが載っていました。
霊長類である人間も「群れる」ことが大切で、子供のころから「群れる」ことを通じて社会性を獲得してゆく。このことはコロナウイルス禍によって人は集まることを制限されていますが、人間は本来、人々や自然と向き合って生活してゆくことが重要だと教えてくれています。今年終わりごろには、皆が集まって談笑できる社会を取り戻しているでしょうか。
二〇二一年六月三十日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
コメント
コメントを投稿