リミットネットワーク Vol.229



  いつもお世話になりありがとうございます。


一、 古きものを脱ぎ捨てよう


 春霞のただよう季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 この時期はスギ花粉に黄砂と憂鬱な時期なのですが、今年はマスク常着のおかげか軽症で済んでおります。振り返ってみればコロナ禍で全国の学校が一斉休校になったのもちょうど一年前です。一年が過ぎまた季節は春本番を迎えます。

 東京オリンピック開催の是非やコロナワクチン接種時期など、猶予のない問題にメディアが連日報道合戦です。巷のうわさ話なども混じり情報が錯綜しています。各現場の最前線で活躍されている方々は本当に大変だろうなと同情いたします。繰り返される団体トップの交代劇をみるにつれ、もやもやしたものが心のどこかに引っ掛かります。テレビ・新聞・ネットなど情報を伝える媒体や発信者もどんどん増え、無責任で配慮のない投稿意見も飛び交い、整理できないほどの情報飽和に辟易するときがあります。

 こんなコロナ禍でも休日に独り身を自然の中に置き、ただ風や波や木の葉の揺らぎだけに集中すると、固く幾重にも積みかさなったしこりが、一枚一枚剥がれ落ちてゆく爽快感を味わえます。木々も新芽を出し始め、進化するには良い時期です。皆様も先行き不透明なコロナ禍ですが、心休まる日常を一日も早く取り戻されることを心よりお祈りいたします。


二、 リミットの今期の挑戦


 新型コロナウイルス感染症の全国的で急速な感染拡大を防止するため、特定の地域に出された緊急事態宣言ももうすぐ期間終了を迎えます。この一年間、世界中で新型コロナウイルスの研究も進み、日本でもワクチン接種がいよいよ始まりました。経済への構造変化も進み、一年前には予想もしなかった社会や個人生活の変化。景気後退と経済の構造変化が同時に起きています。

 リミットもこの一年間は業績が悪化する中、縮小均衡という対処療法に終始し、競争力強化策は全く取れませんでした。しかしながら、コロナ禍は多くの企業にチャンスを投げかけてくれています。企業変革の方向性を定め、チャレンジしてゆけば、不透明な経営環境が続いても耐性を高めることができます。

 今月からリミットも新しい期首を迎え、構造変化をチャンスととらえ行動を始めます。三年間有効となる新カタログも先般皆様のもとにお届けいたしました。今年はコロナ禍のため、例年開催しておりましたリミットカタログ出陣式は中止し、備後吉備津神社に新カタログを持参し、今後三年間皆様のお役に立ち、繁栄をもたらすよう祈願して皆様のもとにお届けいたしました。今後三年間は廃番・廃色を出さない、販売価格を変えない、にチャレンジいたします。

 また、デジタル活用により、企業内・企業間での協働を強めてまいります。すでに部門間や出雲工場とのやり取りではデジタル化を進めてまいりましたが、これからは日々発生する新たな課題に対して企業内外のリソースを活用し、柔軟で迅速な解決を図るためにデジタルを活用してゆきます。販売店の皆様にもユニウェアカタログを柔軟に活用してもらうため、今カタログには表紙に無料ダウンロードの二次元バーコードも表記いたしました。また、着用顧客ニーズや課題も大きく変化してきていますので、着用者への提供価値を再定義し、商品開発を見える化しながら収益向上につなげるビジネスモデルに進化させます。


三、 繰り返される体質


 今月はマタニティの大口などがあり、販売も下げ止まりを感じております。閑散期も今月で終わり、いよいよ春物が動き始めます。昨年三月からコロナの影響を受け業績を大幅に落としましたので、来月よりどのように動くか不安でいっぱいです。緊急事態宣言の発出された地区の販売店は、今月は営業活動が難しかったと一様に口をそろえておっしゃいます。各アパレルはどこも倉庫は在庫でいっぱいで減産されています。ワクチン接種が進行してゆけば市況も徐々に好転してくると思います。

 そこでいつも問題になるのは、在庫切れの問題です。今年秋にはまた足らない、足らないの大合唱で増産体制に戻り、在庫増でまた減産の無限ループになるのではと危惧しております。カジュアル化の流れもどこかで反転すると思います。

 やわらかい豆腐にも角があるように、T・P・Oをわきまえた服装こそがライフスタイルにメリハリをつけるのではないでしょうか。



  二〇二一年二月二十六日
       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治

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