リミットネットワーク Vol.225
いつもお世話になりありがとうございます。
一、昔の伝承話
気持ちのいい秋風が吹き渡るころとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
今年は新型コロナに振り回された年になりましたが、早いもので明日からはもう神無月を迎えます。神有月として有名なのは全国の神様が集まる出雲地方ですが、実はここ福山市新市町も旧暦10月は神有月だったそうです。
その昔、備後国一宮である備後吉備津神社は毎年、神無月に盛大なお祭りである市立大祭(いちだてたいさい 11月23日前後の日曜日を含む3~4日間開催)が開催され、近隣から沢山の人が集まってそれはそれは賑やかな収穫祭だったようです。当然、祭りの主人公である大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)は祭り前後ご当地にいなければならず、八百万の神が集まる出雲国に毎年伺うことが出来なかったそうです。
あるとき、いつも欠席の大吉備津彦命を誘いに出雲大社の使者が使わされました。使者が備後国に入るとそこは市立大祭の真っ最中。出雲の使者もえらく歓待され、結局2人とも出雲国には伺えなかったそうです。後日、使者から説明を受けた出雲国大国主大神は使者を歓待してくれたお礼に随身門を進呈してくださったとか。それで備後吉備津神社には随身門が2つあり、旧暦10月を神有月というそうな。昔の言い伝えも面白いものですね。
二、閑散期のような繁忙期
今月は本来なら繁忙期のはずでしたが、例年の9月とは違い静かな秋冬商戦の幕開けとなりました。前半は残暑や秋雨で動きが鈍かったものの、後半から朝晩の涼しさも手伝い、少しずつまとまった荷物が出始めております。
巷では「GO TO ○○」と銘打って人出はそれなりに増えてきました。人の往来が増えればコロナ感染も当然増加するわけで、なかなか従来の状態には戻らないと思います。日銀の見解では「事業環境は緩やかに拡大している」といった回答も増えてきていますが、全く実感はありません。逆にこの秋以降来年いっぱいが業界には最も厳しい状況になるのではといった意見が多いです。
販売店の皆様も「夏までは空調服販売が好調で良かったが、製造業を中心に今月くらいから業績低迷が目立ち始め、秋商戦がこれから始まるかどうか不透明だ」といったご意見が多かったです。各アパレルの在庫増も顕著になってきています。在庫の推移を見ながら慎重に資金計画を立てたいと考えております。
コロナ禍前の水準に回復するには早くても2年は掛かる、といった意見が多く聞かれます。減少した売上水準に企業規模をはやく落とし、そこからの再構築を急がねばなりません。
三、やっとモノからココロへ
先日新聞に『日本ではコロナ前まで、インバウンド効果によるかりそめの「疑似人口増」で、モノを充足させた昭和・平成モデルを維持できたかもしれない。それが消えた今、個々人が意味や価値を見出した時に初めて消費をする「コンテクスト(背景や心理)消費」に変わりつつある。コンテクスト消費と呼ぶスタイルは、サステナビリティーの考え方にも通じる』という内容が書かれていました。
今から二十数年前、紡績会社主催のヨーロッパ研修に参加した時、北欧の循環型社会を体験いたしました。その当時はピンときませんでしたが、このコロナ禍での価値観転換で今ならよく理解できます。時代背景をとらえ、次世代への価値ある商品提案をスタートしなければ間に合いません。
二〇二〇年九月三十日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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