2020年 5月号
いつもお世話になりありがとうございます。
一、ウイルス共存の新生活
梅雨入りを間近に控え、それでなくても憂鬱な気分がいっそう沈みがちになってしまいます。
緊急事態宣言解除下での恐怖心は、感染よりもむしろ景気のほうに移ってまいりました。自粛という日本人独特の対処法により爆発的な感染拡大は抑えられました。しかし反面、不要不急は制限され、潤いのない無味乾燥した日々がただ過ぎてゆきました。改めて非日常を演出し、人と人との交流により心を和ませてくれていた旅や外食の付加価値をよく理解できました。
自粛によって大きく影響を受けた店舗事業も、宅配や持ち帰りなど生き残りをかけ、業態変化させた店舗もたくさんあります。アフターコロナ、ニューノーマルなど、コロナ・エフェクトで一変する社会は、企業や個人にとって新たな働き方や暮らし方が定着する契機となるかもしれません。目に見えないウイルスと共存しながら繁栄の道を歩むのであれば、改めてここで自社の業態を見直し、今ある企業財産をどう活用してゆくかを真剣に考え直す時が来ました。
二、次代の趨勢か?
日本では緊急事態宣言が解除されたばかりですが、韓国では新たな感染者が増加中、札幌、東京や北九州でも第二波への警戒を高めている。休廃業、倒産、失業がすでに多発している現状で、新しい生活様式にのっとった生活習慣転換は急務であり、ワクチンが流通するまでの間は真綿で首を絞められるような景況感が続くかと思うと、危機感を禁じ得ません。
それにしても、ウイルスの誕生は人類よりも古く、これは人類が増加し過ぎて地球環境を脅かす存在として君臨し、動植物の乱獲や環境汚染に脅威を感じた自然界からの警告なのかもしれません。現にこの度のコロナ禍で人類が活動を一時中断したため、中国では大気汚染が一時的に緩和されたり、水の都ベネチアでは青い海が戻ってきたりと、地球本来の姿が垣間見られました。今後求められる持続可能な開発目標とアフターコロナは同じなのかもしれません。
三、再始動にあたって
先般、全国で緊急事態宣言が解除になりました。今後は社会的距離を保ちながらの経済活動再開ですが、今月売上は三割ちかく落としました。夏物最盛期の五月だけに厳しい結果となりました。今月も交代休業や経費削減に努め、国内・海外工場ともギリギリの生産活動を断行しています。しかし問題は今後、この大恐慌からいつ脱却できるかです。各国政府も無い袖を振っての支援・救援を計画してくれていますが現実問題、間に合うかです。外食産業や観光業を中心に、あっという間に追い詰められた業界は極めて厳しい企業経営のなか、来月がいろいろな意味で分岐点になるのではないでしょうか。
さらに影響は企業経営だけにとどまらず、教育・文化・スポーツ・テレビなどこれまでの活動方法を改めて見直し、原点回帰して大きく変わる転機を迎えました。コロナショックは従来の金融危機や自然災害と違い、再拡大のリスクが残るため、はっきりとした終わりが見えにくい特徴があります。ということは、回復ペースも緩やかにならざるを得ないわけです。その期間を意義あるものにするために、リミットも何かのきっかけを掴み、これまでの既成概念にとらわれない発想の転換をし、新たな戦略を一つずつ実行してゆこうと考えています。
厳しい経済環境下ですが、皆様、働く人々のため、共存共栄の精神で乗り越えましょう。
二〇二〇年五月二十九日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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