2019年 5月号



 一、令和を、思いを込めてよい時代に


 いつもお世話になりありがとうございます。

 色鮮やかなばらの花が初夏の日差しに映えています。福山は、ばらの街として有名です。今月に入り、日中の気温が一気に上がりました。連日の夏日のような日中に少々疲れ気味の方もおられるのではないでしょうか。

 五月は、時代が平成から令和に変わり、超大型連休もありましたから、いつもの時間感覚が狂ってしまいました。五月はずいぶん長い一月だったように感じます。

 昭和から平成の変化に続き、私自身が、二度の時代が変わる瞬間に立ち会えたことは、とても貴重な経験だと思っています。この先、次の時代を迎えた時、令和時代はどう評価されるのでしょうか。産声を上げたこの令和の時代は、私たち一人一人の思いと行動でいかようにもなります。次世代に自信を持って引き渡せる時代をつくりあげたいものです。


 二、現場から、
   「本当にありがとうございます」


 長期連休が明け、まるで年始のような悠々とした気分もつかの間、繁忙期に突入しました。先月までの脱力した雰囲気を吹き飛ばすように、現場にはにわかに活況感がもどり、充実した日々が戻ってきました。今月の私は、繁忙期シフトで行動しております。繁忙期シフトとは、半日を福山本社で、半日は新市で出荷の応援に入ることです。本当に多忙な日々です。

 出荷部門の従業員とともに働いていると、リアルタイムでリミットのビジネスを体感できます。毎日動く製品から受注動向、受注の品種傾向、日々の注文量の増減など興味が尽きません。運送会社の集荷時間の変動や集荷員の振る舞いなどからは、備後地区の荷動き状況など、新鮮な情報を得ることができます。

 今春夏シーズンのリミット製品の傾向は、昨年のように定番一辺倒ではなく、幅広い品番にご注文を頂いております。とくに昔からリミットが得意としていた淡いパステルカラーの商品が今年はよく出ていることから、「これが令和効果なのかな?」と一人で勝手に推測しております。動きやすいスモック商品にも注文が多くなっています。

 受注規模については、新規大口受注よりも追加受注や少人数部署の買換需要で多忙になっているような気がします。一件ごとの出荷状況でみると、ケース出荷より袋出荷が多く小口化しております。しかし、同じ得意先様から毎日注文を頂いているといった印象もあります。出荷件数が顕著に多くなっております。出荷ミスをしないよう神経を集中しております。

 現場で製品を袋に詰め、送り状を貼っておりますと、もう一つ実感します。それは、景気動向が芳しくない中、毎日注文が頂けるありがたさです。毎度本当にありがとうございます。


 三、不運を改革のチャンスに


 日々の生活環境が変わると、いろいろなことに目が付き、新しい発見や改革に結びつくこともあります。とくにトラブルの発生は、改革のたまごです。

 これまで出荷荷物がケースの場合、すべて梱包機にかけビニールテープで三回縛っていました。その梱包機が経年劣化のため故障してしまいました。集荷トラック到着までの一分一秒を争っている最中ですので、故障を直している担当者にイライラが募っているのが分かります。

 その光景を目にしながら、先日新聞に掲載されていた記事をふと思い出して、今後出荷ケースの荷物についてはビニールテープでの結束を中止すると指示を出しました。その記事とは、マイクロプラスチックによる海洋汚染問題を取り上げたものでした。日本は世界でも二番目にプラスチックごみを排出する国だというのには驚かされました。北欧では、マイクロプラスチック汚染問題が大気にまで及んでいるということも後から知りました。

 梱包機が故障したことは、不運ですが、チャンスでもありました。リミットもできる限りゴミを外部に出さない企業の社会的責任を果たすチャンスをえました。トラックの運転手さんも、ビニール紐での結束は必要なく、最近は中止する事業所が多くなっていると話してくれました。

 袋出荷に関しては、袋の中で商品が躍ってしまうこともあり、ビニール紐での結束を続けます。しかし、その廃止方法も今後の課題として検討します。なにとぞ、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。

 現場は現場で日々効率よく動いてくれていますが、部外者が、ちょっと全体を俯瞰して客観的に物事を見るのは、意味の大きいことだと確信した次第です。



  二〇一九年五月二十五日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治

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