2019年 4月号
一、厳しい自然条件が当たり前になる
いつもお世話になりありがとうございます。
まず、うれしいお知らせです。リミットにもこの四月、新入社員が入社しました。新社会人の初々しい姿を眺めながら、私にもそういった時期があったなぁと遠い過去を思い返します。そんな気持ちで外に出ると、桜の花がきらきら光るように、私の前を舞っていきます。空は、青く澄み渡っています。
今年の桜の開花は先月後半でしたが、入学式を過ぎてもまだ満開なままだったのは、昨年のように一気に春の陽気とはならなかったせいでしょうか。温暖化とは、気温変化が複雑に激しく動きながら、全体とすれば、大気や海水の温度、がじわりと上昇することなのでしょう。そのじわりが大きな影響をもたらしているのです。
近年の天災を鑑みても、地球全体の活動が年々異常に激しくなっていることが明白です。今後とんでもない気候変動になるかも知れないと嫌な予感がします。もしかすると、我々が生きている間が最後の平穏な時代となるのかも知れません。
過去を知るものとしては、平穏だった時期と比較して驚愕するのではなく、厳しい現状が当たり前だという認識の切り替えが必要なのでしょう。これからさらに状況が激変することも想定に入れながら対処してゆくことが肝要かもしれません。
二、不確実性の時代へ、
工・商・創のバランス経営
先月の通信にも書きましたように、いよいよ夏物販売へ「いざ戦闘モード」と張り切っていました。ところが、温かくなったと思ったら真冬並みの気温に逆戻りの繰り返しで、一向に夏物が動きませんでした。いわばお手上げ状態です。昨年の反省から、夏物定番はしっかり在庫を積み込んで準備万端です。ところが今月は、あまり動かない商品に例年になく動きが出て、国内二工場は納期に追われ予定外のフル稼働状態です。これから長期休暇を経て、夏物が一斉に動くのではと大いに期待する一方で、予期せぬ納期問題が発生しないだろうかと恐怖に駆られています。本当にあらゆる条件で不確実性が更に増大します。
リミットのように営業部門のない会社は、このような完全に待ち状態になると、如何ともしがたい事態になります。例えるなら、波もなく穏やかな大海の小舟です。めいっぱい帆を上げているのですが、凪の状態で前進しません。櫓もなくただただ浮かんでいるようなものです。
こんなときは、注文を今か今かと焦りながら待つより、繁忙時にはできない次の準備に全力を挙げることにしています。具体的には過去の販売実績に基づくデータ分析を進めております。営業部門がないのでお客様の本当に欲しいものが出ているのかというさまざまな仮説をもとに、商品構成を再検討し、新たなコンセプト設定を基に新商品開発をすすめます。と同時に、今後の展開計画を作成し、販売計画に沿った宣伝・販促活動を進めながら、顧客管理の徹底を図るのです。
業界内の構造的変化は少しずつではありますが、確実に進んでおります。材料の仕入れ調達プロセスや生産拠点の設備や環境も、かつての有り様からは、信じられないほど変わりました。そして、これらの将来予測も難しさを増しています。
生産計画も、以前のような大雑把な受注毎の単純な計画はまったく通用しません。付属品のデータひとつとっても、製品の品番ごと製造工程ごとに分類され、複雑で細分化された生産計画に適応するよう進化しています。これによって工・商・創すべてが連携し合うバランス経営が可能です。そしてその拡大がリミットの更なる発展の要諦だと考えております。
正確な納期実現を徹底しながら、リミットはいつでも限界に挑戦し続けます。
三、令和の時代、ビジネスモデル転換を
時代は平成から令和へと変わります。いま、ちょっとした「令和ブーム」ですが、冷静になる必要もあります。平成の三十年を振り返るとき、日本経済は世界から大きく後れをとったと感じることは否めないと思います。
令和時代の新たな日本経済の発展を考える時、新しい産業のジャンルを生み出すことは欠かせない課題になります。それには、ビジネスモデルを転換させ、新たな成長産業に女性や高齢者なども労働力として活用し、かつ移民を受け入れながら労働力人口を大幅に増加させることは避けられません。この課題に一つ一つ着実に取り組まなければ、日本は世界経済の構造的な変化から完全に取り残されます。結果的に、働く人は海外に出稼ぎに行かなければならない将来が待っているかもしれません。
二〇一九年四月二十二日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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