2018年 8月号



 一、精一杯の意味を教えられる


 いつもお世話になりありがとうございます。

 盆明けには朝夕の風に秋の気配を感じましたがそれもつかの間、台風が残暑を連れて立て続けにやってきました。他方、北海道ではもう初雪を観測したとか。このような気候の異変は世界的に起きていて、荒れ狂う地球がもともとの姿に戻りつつあるのかもしれません。

 先月の西日本豪雨から、はや二カ月が経とうとしております。広島県内で土砂災害の被害が大きかった地域では、土砂やその他堆積物の量が非常に多い状態がつづき、まだまだ復旧の見通しが立たない場所も数多くあります。周防大島の男児救出で一躍世に知れたあのスーパー・ボランティアの尾畠春夫さんも呉市でそのような感想を述べられました。それでも、この二カ月間、全国から支援ボランティアのご協力も頂き、少しずつではありますが復興は前進しております。

 私も実際にあの災害後、たくさんの知り合いと話をしました。自宅や会社が浸水した人、豪雨のなか河川の関を開きに行った人、支援物資を送った人、災害直後交通整理した人、避難場所の体育館で数週間被災者のお世話をした人、ボランティア活動に参加した人などなど、誰もが物理的にも精神的にも深刻な状況を語っておられます。

 警察に勤務する知人は、ずっと根を詰めた勤務を余儀なくされましたが、各地から応援に来る自衛隊の救出・生活支援の総合能力に圧倒されたと話していました。本当にありがたいことです。皆さんの話から、どのような状況におかれようとも、一人一人が自分のできることを精一杯することが重要な意味をもつと、教えてもらえたような気がしました。
 

 二、秋冬物一・六倍増産へ


 盆と正月は外国にもある行事です。正月は宗教を問わず、盆は、仏教の影響がある国においてポピュラーなのでしょうか。ところが、何かの本で読んだような気がするのですが、彼岸は日本独特の行事だそうです。平成最後の秋分の日は来月二十三日ですので、その日を中日として前後七日間がお彼岸の期間となります。暑さ寒さも彼岸まで、と言っていたのは昔の話。今では残暑の季節です。

 そんなわけで、商戦の現況はというと、盆が終わったばかりですから、彼岸までもまだ遠く、秋冬物はまだまだ動きません。彼岸以降への期待もありますが、ここ数日の気候変動を体験すると、果たして寒暑の境目となるお彼岸頃には本当に涼しくなるのか疑いたくもなります。今年ほど酷暑を実感した経験はなく、日本人が歴史的に経験してきた順調な四季の移ろいへの懸念も頭をもたげます。

 とはいえリミットは、来月から秋冬物商品をしっかり納められるように準備は万端です。先般、福州の総経理と縫製ライン長が訪日し、二日間みっちり今後の生産体制の充実について話し合いました。これまでもいろいろな諸問題をクリアしながらお互いやってきたのです。これからも直接目と目を合わせて話し合い、知恵を出し合えば、乗り越えられないことなどないと改めて感じました。今年後半には、前半に比べ一・六倍の安定増産を実現します。皆様どうぞ期待していてください。


 三、働く女性のため常識を覆す


 先日新聞に、スーツのような見た目の作業着「ワークウェアスーツ」が、ラフォーレ原宿のスタッフユニフォームに採用された、と記事が載っていました。作業着とスーツはそれぞれ別々の役割があり、「ワークウェアスーツ」が発表されたときは正直、異端視していました。それでもその後、採用実績が増加してゆく毎に、自分の頭の固さに嫌気がさしました。

 市場環境はどんどん変化していることを前提に、どの分野にどんな新商品を出してゆくか。それが問われているのです。今までだったらありえないと否定する前に、ターゲットの日常生活のシーンを多面的に観察することが、これからの商品開発には必須だと改めて感じました。常識を覆す経営がリミットの信条だったことを再確認しました。

 「すべての働く女性のために」、リミットは、革命的な開発を続けます。



  二〇一八年八月二十五日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有 木 宏 治

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