2018年 1月号
一、変わらず極限を目指す1年に
謹賀新年 今年もよろしくお願いいたします。
お正月は皆様どのようにお過ごしでしたでしょうか。
冴ゆる月光、戸惑うほど寒さが身にしみる日々もあります。体調を崩し風邪などを召されていませんか。皆様、ご自愛ください。
さて平成三十年が始まりました。平成の世も残すところ一年と少しです。改めてこの三十年間振り返ると、昭和という時代のすべてが様変わりしました。ゆっくりした変化でも、それが絶え間なく継続すると、元の形が分からなくなります。これから元号が変わり、平成の光景もどんどん変わってゆくことになると思うと感慨深いですね。
しかし、リミットも、変わりゆく時代に、変わらず極限を目指して変化し続けます。
二、お客様の喜び、社員の喜び
リミットは、四日に新市研修センターで開催した新年互礼会で始業しました。福山本社・新市工場・出雲工場など各拠点から一同が勢ぞろいし、どうすればリミットが生成発展してゆくことができるか?ということを掘り下げて、新年の抱負を話しました。
顧みると、私は、リーマンショックの年に会社代表となりました。以来、ちょうど十年目の今年が年男という節目です。その節目に、私は己のすべきこと、また社員全員にしてもらうことを具体的に考えました。最終的に全社員にお願いしたことは、「お客様が喜び、社員のみんなが喜ぶことを、知恵や工夫をしながら実行する」ということです。
代表就任以来この十年、毎月お送りしているこのリミット通信を読み返すと、苦しくしんどいことだらけでした。しかし、時には天からのご褒美のような嬉しい出来事も少しありました。苦しいことが多いからこそ、たった一握りの喜びでも鮮明に記憶に残っているのです。リミットグループは今から生成発展成長してゆきます。「働く女性の服なら、是非リミットへ」今後ともご愛顧をお願いいたします。
三、AIやIoTと新たな市場創設
元旦の新聞の新春特集は内容も薄く、紙面のボリュームも減ったような気がして残念でした。それが、国全体がネット社会に移行してきた証拠かと思うと、妙に納得も致しました。以前は空想のように語られていたことがどんどん実現し、これからの進むべき方向がより鮮明に映し出されてきました。ワクワクするような未来が現実のものとなります。
一方で、AIやIoTの進化が取って代わる仕事が増え、大失業時代の到来というネガティブな予想もあります。しかし私は、沢山の無くなる職種もあれば、新たに生み出される多くの職種もあると考えます。ですから人が介在する限り、その新しい職種向けにパイオニアとしてユニウェアを出し続ければ、アパレルとして衰退することはありません。既存市場を皆で争い奪い合うのでは、すぐに枯渇してしまうでしょう。小さく生んだマーケットをゆっくり大きく育て上げることを想像するのは心躍ります。無から有を生み出すのです。
四、福州の発展が示唆する危機
昨年十一月末、四日間の日程で福州工場へまいりました。春に工場移転して以来八カ月ぶりの福州は、驚くほどの大都市へと変貌を遂げつつあります。この現象には、二期目を迎えた習近平国家主席がかつて福州市長だったことにも起因しているそうです。これにはなるほどと納得しました。福州市は、北京・上海にも劣らない中国の南アジア諸国との一大窓口を目指しているそうです。
いま、その急速な都市化が雇用環境に影をおとしています。昨年はリミットの売上も順調に伸び、早い時期から福州での増産を総経理にお願いしておりました。しかしそのための人材確保ができません。聞けばこの状況は縫製業だけではありません。今まで順調に従業員を増員していた電子部品製造など製造業全般にも広がりつつあります。労働市場では、サービス業が勝利しつつあります。総経理には春には増産できるように、縫製ラインの組み直しと増員の徹底をお願いして帰国しました。
さらにこの急速な発展は、製造コストの上昇圧力となっています。五年後の製造コストを計算すると頭痛がします。もう一つ懸念があります。中国は急速に消費国として成長しています。従って、日本へ送る商品が無くなるかもしれません。それに今後東南アジア諸国が追随し、消費国へシフトするでしょう。
近い将来、発展途上にある南アフリカなど、世界のあらゆる場所でモノづくりができる社会が到来します。それは同時に消費国にもなるということです。文頭で申し上げた時代の変化は日本だけでのことではなく、世界に及んでいます。それは、明らかに危機です。その時に生き残るのは、「ココで作っている、アレが欲しい」と指名買いされるだけのアイデア力と技術力を育んでくれる産地の企業、すなわちそういう意味でのブランドだと思うのですが、皆さんはどう思われますか?
二〇一八年一月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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