2016年 8月号
一、最悪を想定した行動をとる
いつもお世話になりありがとうございます。
朝夕の風には、はや秋の気配が感じられます。とは言え日中は、まだまだ熱中症に対する注意が必要です。
今年は、台風の発生が遅いと言われましたが、八月に入り五、六、七号と立て続けに日本の東海上を北上しました。二十三年ぶりの珍しいコースをとった台風七号は、お盆明けに北海道に上陸し、甚大な被害をもたらしました。
今年の台風は日本の東寄りを北上する傾向が強いようです。東日本では今後も警戒が必要です。気象も景気も、今までの経験則が全く通用しないことが次々起こっています。今は最悪を想定して行動するよう、自分に言い聞かせております。
二、順調に進む秋冬もの商戦準備
今月の酷暑で、夏物商品の販売にやっと勢いがでました。聞けば、今月はどのメーカーも売上増のようです。リミットが調子の良い時はどの企業も好調で、調子の悪い時は皆業績が悪くなる業界に私たちが存在するのだと、あらためて感じました。
今上期の商況はというと、関東での販売は、順調に伸びておりますが、近畿から西では不調に終わりました。地域別の商況感がはっきり表れております。これからの下期も厳しい秋冬物商戦が予想されますが、働く女性に喜ばれる服づくりと、販売店さまに信頼される生産力を発揮できればと考えております。秋冬に向けてのカタログ発送や来春の新商品開発は、順調に進行しております。
三、より強力な円高対策を
為替は円高が続いております。リミットでは昨秋の急激な円安進行時に、海外工場の工賃送金分の三分の一を五年間の仕組債で、 三分の一を五年間の長期予約で、 三分の一をスポットで調達することで予約を入れました。分散させたことにより、為替が多少どちらかに振れても影響が少ないことを重視しました。それでも現在の円高は、ずしりと堪えます。急遽、スポット比率を高めて対応しておりますが、今の為替水準がいつまで続くのかとても不安です。海外での金の購入によってヘッジした過去の実績もありますが、今からあらゆる方法を模索しなければと考えております。
リミットには心強い中国独資工場があります。今までも非常事態に陥った時、中国工場総経理の協力で何度も奇跡を起こしてきました。今秋にはその総経理も来日しますので、今後の方向性についてじっくりと議論しようと思っています。
四、「たった一枚」こそ生き残る糧に
「たった一枚の注文だからこそ、リミットの存在価値がある」ということを最近実感しております。どうしたら大口受注が可能になるか、どうしたら効率のよい生産ができるかについてよく社内会議で議論いたします。もちろんこれは、非常に大事なことです。小口注文は面倒で、効率も悪い。十件の「たった一枚」のために大口一件が納期待ちになる。確かに非効率かもしれません。けれども小さな会社への「たった一枚」の納期が遅れれば、もしかしたらそれがもとでユーザーは仕事が滞り、潰れてしまうかもしれません。その死活問題となる難しい仕事をこなせる企業こそリミットではないか。一方、大口ユーザーでは、そのような事態には陥らず、枚数が多いのでどこからでも調達できるでしょう。そう考えれば、大口ばかりを求めていた自分が非常にちっぽけな人間に思えてきました。
どんな不況が来ようとも、誰にもできない仕事ができる社員であれば、絶対にリストラされません。企業も同じで社会から必要とされれば、必ず生き残ります。
五、ご意見、ありがとうございました
今月は皆様に、 FAXにてアンケート形式で、ご要望をお聞かせいただき、多数の返信をいただきました。ありがとうございました。時代に即したサービスとは何か?変えてはいけないリミットの本質とは何か?社内でしっかり議論を繰り返しております。
中堅社員も先代社長の没後、一気に成長してくれました。システムがする仕事と人が試行錯誤する仕事のバランスを考えて日々の業務に臨んでくれています。過去のリミットからの脱却を感じる毎日です。それには、皆さまからのご指摘やご要望が大きな役割を果たしました。今回に限らず、お気づきの点があればどんな些細なことでも、お客様サービスセンターまでご一報ください。
どのような問題でも、絶対に解決の道はあります。
二〇一六年八月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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