2016年 6月号



 一、災害報道から学んだこと


 いつもお世話になりありがとうございます。
紫陽花の彩りが薄曇りの空に映えています。皆さま、お変わりございませんか?

 最近、この通信では、地震のことをよく書いております。先日は函館でも大きな地震がありました。熊本もまだ余震が続いております。太平洋高気圧が例年より西側に位置するため、今年の梅雨は、九州地区を中心に激しい雨をもたらしています。土砂災害が地震被害に追い打ちをかけるのではと案じております。

 日本列島は、災害列島といっても過言ではないほど、どこでも自然災害から逃れることはできません。それは、延々と続く見えない恐怖です。心労の蓄積は、想像を超えます。従って、心のケアも課題になってくると思います。

 これまでの災害報道から私が教訓として得たことは、発生時の混乱した中でもいかに正確な情報を素早く入手し、次の最善の行動をとることができるかということです。それは、中にはデマも含まれる場合もあり、大変難しいと思います。ですが、命にかかわる情報は、その正確性とスピードがいかに大事かということを勉強しました。


 二、過当競争を排して


 今月後半からようやく蒸し暑い夏の到来です。まとまった大口のご注文はやはり少ないですが、小口の注文は増えてまいりました。昨年は、受注残が多く皆様にご迷惑をおかけしました。今年は春先から商品を積んでおりました。本格的な夏の到来まで定番商品を中心に十分準備をしておりますので、ご要望に確実にお応えすることができます。積極的なご活用をお願いいたします。

 消費税の増税先送りが決定されました。しかし消費マインドによい影響が出るようには見えません。むしろ逆に、社会保障費の財源確保を疑問視し、人々が将来の不安を増幅させ、実体経済以上に心理的な悪影響が蔓延している感があります。更にイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票などの単なる形勢が影響し、短期間での急激な為替変動や株価の乱高下などに振り回されています。昨年までの急激な円安傾向から一転、今は百円を割る円高が懸念されております。

 否応なくグローバルの渦に飲み込まれた日本企業は、為替に一喜一憂しながらそれでも日々の業務を変革していかなければなりません。今さら昔へ戻るようなことはできませんが、すべてが経済合理性を追求することで社会全体が合理的になるというものではありません。過当競争は「利益なき繁忙」で、消耗しかありません。それは結果的には顧客を失い、必ず企業の衰退に繋がります。高齢化社会、人口減少時代を控えた今こそ発想を転換し、個々の利益だけを過剰に追求せずみんなで助け合えば、全体の生産性はかえって高まり、成熟社会のなかでも企業の維持、存続が可能になると思うのです。それが調和のとれた成熟社会と言えるでしょう。


 三、ためになる情報の素早い発信


 先般、福島原発事故の調査委員会が発表した内容に怒りを覚えました。津波により原発がメルトダウンの状態に陥った事実を、東電側が政府から「メルトダウン」という言葉を使うなという命により、発表を遅らせたという内容でした。冒頭で述べたとおり、危機的状況にあるとき、唯一の手がかりは一刻も早く事実確認をし、次の対策をとることです。

 放射能や地震は目に見えないので人は疑心暗鬼に陥りやすいのです。気も動転しています。何をすればよいか分からず混乱してしまうのが当たり前だと思います。二次被害をいかに防ぐか。そのためには正確な情報の伝達が不可欠です。自身に不都合な情報であっても、人や社会の将来にかかわる情報は開示されるべきです。

 リミットは、先代社長の時代から、自己の失敗もこの通信などで明らかにしてきました。そうすることが、お客様の利益に繋がり、結果としてリミットの利益に繋がると判断するからです。現在のシステムは、不都合なことも含めて、いかに正確な情報をいち早くお届けできるかを追求してきた結果です。お客様の質問に瞬時に、正確に、分かりやすく伝えることができる、そして、その先の戦略・戦術のためになるお客様サービスセンターの構築を心がけます。



  二〇一六年六月二十五日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有木宏治

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