2016年 2月号
一、晴れやかな叙勲の宴に出席
いつもお世話になりありがとうございます。
今月中旬、中国地方でも冬の終わりを告げる春一番が吹きました。世界経済にも嵐が吹き荒れていますが、こちらは春を告げるにはほど遠いものです。もしや不況から恐慌かも、という不確実な景況のうねりに、日本も巻き込まれています。今後の不安感から投資は冷え込み、良くなる要素はないという見方が広がっています。このように鬱積した雰囲気を吹き飛ばす「事件」がないのでしょうか?
ありました。希望に満ちた出来事でした。わが備後ユニホーム業界のクロダルマ株式会社 代表取締役の平謙介社長が、アパレル業界の振興発展に長年にわたって努力された功績により、藍綬褒章授与の栄誉に輝かれました。その祝賀の宴が先般福山のホテルで開催され、私も列席いたしました。たくさんの地元名士や業界関係者が一堂に会し、久しぶりに備後繊維業界の実力を垣間見ました。後塵を拝する私は、パワーを頂き大変嬉しくなりました。
叙勲という晴れやかで優雅な雰囲気を味わえたのも、先人から脈々と受け継がれてきた信用と、景況の波を乗り越えてきた繊維業界の結束があったからではないでしょうか。いよいよ春夏シーズン到来です。明るい方向、より明るい方向を目指して、リミットも私も、働く女性のために頑張ります。
二、全アイテムのクイック生産へ
今月上旬に、二〇一五年度の総決算が確定しました。前期は将来に向けた投資が先行したため、営業利益は前々期に比べ微減となりました。最大の投資は、国内クイック生産工場の再投資です。人・設備を大幅に増やし、みなさまのご注文に即納できる体制づくりの基礎が完成いたしました。今期は、国内工場赤字幅縮小のために、技術教育と売上げ増に特に傾注したいと考えております。それは、多品種少量・クイック生産のための取り組みです。リミット全アイテム、二百五十種類のクイック生産計画を実現し、採算ラインに乗せるには、独自の知恵と工夫が必要となります。けっして、一朝一夕に構築できるものではありません。現状では、ようやく新しい生産リーダーが育ちつつある段階です。その道は、彼らの若い能力を、生産現場で実践によって、研鑽を積み上げるしかありません。毎日、一枚でも多く正確に生産する地道な研鑽です。
三、人びとに貢献する企業として
先月、アマゾン・ドット・コムが作ったロケットが宇宙飛行の後、無事地球に着陸いたしました。このロケットは昨年十一月にも宇宙から帰還しているそうです。一回限りの使い捨てではなく、何度も再利用することで、大幅なコストダウンが見通せるようです。また、電気自動車の開発生産で一躍有名になったテスラも宇宙開発に積極的です。そう遠くない未来に人類は、宇宙移住ができるかもしれません。
こうした成果に私が最も驚くことは、これらのプロジェクトが、国家の施策ではなく、起業まもないベンチャー企業が挑戦しているという点です。そして、戦争を目的としたり、国家の威信を賭けた競争を意図したりしていないということです。人類の未来のために挑戦を続ける企業が頭角をあらわしているのです。
リミットも小さな会社ですが、いろいろな職業で働いている女性たちのために、どのようにすれば具体的にお役に立てるかと真剣に悩んでいます。社会への、人びとへの貢献に挑戦する企業であり続けなくては、と思っています。
四、溢れる感謝の気持ちで
今月十八日の大安に、今年も恒例の「二〇一六 リミットカタログ出陣式」を大日本印刷様と福山通運様御臨席のもと、新市配送センターにて開催いたしました。暖かな小春日和の下、積み上げられたカタログの山は、まさに今年の大河ドラマ「真田丸」のような雄姿でした。昨年、急逝された備後一の宮宮司に代わり、新しく宮司の要職に就かれたご子息が今回、初めておつとめをされました。神様に御降臨していただく神事において聴く者に緊張感をもたらす凛としたご発声は、今年も無事、リミットの「営業マン」たちが、皆様のお役にたつ使命を帯びた旅立に相応しいものでした。この神事の様子を別世界より、先代宮司様とリミット先代が一緒に笑顔で眺めていたかと想像すると、世代を超えて繋がってゆく人の縁を感じ、感謝の気持ちが溢れて参りました。
二〇一六年二月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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