2015年 11月号



 一、責任と自覚、社員の成長の一年


 いつもお世話になりありがとうございます。

もう師走が近いというのに、日中、日が差せばまだまだ汗ばむ陽気が続いております。聞けば、エルニーニョ現象が観測史上最大規模だそうです。それが人や社会に及ぼす影響力には、「えらいもんだなぁ」と驚くばかりです。出雲大社の初詣の頃にも雪が積もっていないのではと逆に心配になる今日この頃です。もっとも、積もったら積もったで、文句の一つも言いそうですが…。 

 さて、今書いているのが今年最後のリミット通信です。この一年は、皆さまにとってどのような年になりましたか?私もいくつかのポイントで今年を省みました。

 まず、私は今年のリミット新年互礼会で「戦後七十年の節目の年。次の時代を私たちが切り開けるかが問われる年となり、リミットグループ全社員の本能に社運を賭ける重要な年になる」と語りました。この一年を次世代の人材を育ててゆく年とし、それぞれの部門が自律的に機能する組織を構築してもらいたいと訴えました。そしてその一年が今終わろうとしております。この点について私は、社員一人一人が仕事に対して責任と自覚をしっかりと持ち、一歩成長できたことを成果として実感しております。

 次に、今年は、国内・海外を問わず、増産体制確立を目指し、人材募集・採用・教育に力を注いだ一年でした。新人採用と教育は大変な事業で、現在はまだ一歩を踏み出したにすぎません。これからも一歩、一歩成長する社員の姿を見るのが本当に楽しみに感じる会社にしようと決意する一年でした。

 さらに今年は、大きな不安に苛まれたこともありました。いつも最後の恃みとしていた会長を失いました。しかし、周りの皆様に導かれ、無事今年を終えようとしております。皆様に励ましをいただいたことに改めて、心からお礼を申し上げたいと思います。人は一人では成り立ちません。人のつながりの大切さを痛感した一年でした。今年も一年間、本当にありがとうございました。


 二、成長へのあくなき努力


 製造技術の面でも大きな進歩がありました。

 リミットのユニウェア・ブランドには防寒着のラインアップがありません。季節の観点からはどちらかと言えば、温暖な気候に販売が助けられる部類に入ります。今月がその典型の状態です。暖かい日が続いて、本来なら彼岸の頃に動くような商品にたいしてコンスタントなご注文頂いております。先月は思わぬ苦戦をしましたが、今月は販売目標をなんとかクリアできそうです。この三年間に開発してきた新商品も、みなさまのおかげで徐々に販売実績を積んでいます。

 その中で今年、二十%を超える成長を見せたブランドがあります。成長の理由は、生産工場の飛躍的な縫製技術力向上にあります。正直に申し上げると、生地の特性上、なかなか綺麗に仕上げることのできなかった製品がありました。そのことを商社の方に相談しました。その商社の紹介で先日、宮城県から縫製指導の先生に新市工場に来ていただきました。工業用パターンに基づく生地特性別の裁断、縫製、プレスのやり方を、二日間徹底的に技術指導をしていただきました。その結果、技術的飛躍もさることながら、精神面でも成果が確認できます。技術の進歩は、人の自信にもつながるのです。工場の社員一人ひとりが、国内・海外のマザー工場の技術者としての自覚を、持つことができました。

 今回の研修をとおして「素晴らしい製品をお客様に着ていただこう」という強い信念があれば、工場内のそれぞれの部門が、同じベクトルに向かって一丸となることができる、という確証を得ることができました。こうした素晴らしい指導者とのご縁も、紹介してくださった商社とのご縁が導いてくれた不思議な縁です。改めて先代の霊前に報告するとともに、もっともっとご縁の輪を広げていくことを誓いました。


 三、高品位商品の一層の短納期化へ


 来年は国内生産の強みである多品種小ロットで高品質な製品を、短納期で生産する工場にしてゆくつもりです。二〇一六年には、更にどんどん良いことがリミットグループを待っているような気がします。

 来年もどうぞリミットを、よろしくお願いいたします。皆様、良いお年をお迎えください。



  二〇一五年十一月二十五日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有木宏治

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