2015年 5月号



 一、豪雨、冷夏?販売への影響は?


 いつもお世話になりありがとうございます。

 季節外れの台風も去り、風が気持ちの良い初夏になりました。ゴールデンウィークは、広島市のフラワーフェスティバルが、先週は、福山市恒例のバラ祭りが開催されました。たくさんの行楽客が街に溢れていました。もうすぐ梅雨を迎えます。今夏はエルニーニョによる豪雨や冷夏が心配されています。貴重な晴れの日を有意義に過ごしたいものです。販売への影響はいかばかりでしょうか?気になるところです。


 二、期待できる生産力

 
 今月は連休明けから急激に注文件数が増え、幅広い商品にご注文を頂いています。中旬まで秋冬物の出荷も引っぱったので、商品によっては、お待ちいただく場合も出てまいりました。中国工場では、秋冬物の更なる増産を視野に、従業員を増やしております。国内の二工場も、二月に採用した新人たちに加え、今月新市工場に一名が新たに入社し、水揚げは確実に増えてきております。今秋冬商品の生産には戦力になると期待しております。


 三、女性の進出を支えるリミットの制服


 販売店の皆様のお話では、納品先としては製造工場が増えてきている感じを受けます。リーマンショック以降の低迷が、この度の円安・株高を受けて反転し、輸出企業を中心にここのところ増収増益の文字が新聞に躍っています。女性の進出もサービス業にとどまらず、製造業にも積極的に向かっている傾向にあります。ロボット開発が進められていますが、筋力の弱い女性をサポートする機械も実際に現場に導入されてきております。元来男性の力仕事であった仕事をこなす女性も増えました。そんな時代に対応し、どこかに女性らしさをアピールできる制服開発に、リミットの企画は邁進します。


 四、イノベーションと新たな企業価値創造へ


 リミットが収益を生む源泉は、生産計画を軸とした「多品種少量生産」にあります。それは大きく二つのカテゴリーに分かれます。まず、過去の販売実績を基に、海外で効率よく在庫を積む基本商品群です。二つ目が、一品番当たりの年間販売枚数は少ないけれども、お客様から支持を受けている多品種の未来・維持商品群です。これは、国内クイック生産で効率よく生産し、即納をめざします。計画通りにシーズン前に在庫を積み上げ、シーズン終わりには在庫をゼロにする、究極の販売システムを目指しております。

 これこそがリミットのコア・コンピタンスであり、通信販売企業として、女子作業服から高級婦人服まで広範囲に展開できるのだと理解しております。これからのリミットの将来とは、コア・コンピンタンスを中国子会社に理解を求め、提携・共同開発することで、既存アパレルとは違った新しい価値創造に取り組んでゆくことにあると考えています。

 「多品種少量生産で作り、通信販売で完売する」というリミットの持続的な競争優位を確立できた最大の要因は、少数精鋭の組織力、つまりそのケイパビリティにあったと思います。スピード・効率性・高品質など、リミットが持っている組織的な能力。先代社長が作り上げた組織は、経営戦略とケイパビリティによる企業価値の差別化が困難な昨今の状況下で、リミットが優位性を確保する核だったことを改めて痛感しています。そして、今、こころから感謝しております。この核を更に不動のものとし、中国の子会社と連携し、輸入だけでなく、輸出企業として貢献できるオープン・イノベーションに向けて、リミットは舵を切ってゆきたいと考えています。


 五、文化・伝統を創造する制服をめざす


 今年も労働市場は、売り手優位のようです。この四月に就職したとみられる新しい制服姿の若人を街でよく見かけます。まだ仕事に慣れないのでしょう。難しそうな顔をしながら、指導かお小言かはわかりませんが先輩とおぼしき人の話に聞き入っている顔を見ると、なぜか微笑ましくエールを送りたくなります。そしてつい「その制服着て仕事して、トキメキますか?」と質問したくなります。
 毎年、毎年四月一日には新入社員が入り、真新しい制服を渡される。繰り返される光景だ。それでもリミットは、その作業服は「モノ」ではなく「その企業の文化・伝統・風習を伝えるツール」だと考えます。なぜなら、職場における制服とは、元来「取り替えるモノ」ではなくて「残すモノ」だと思うからです。

 『その仕事に従事する人が、その制服を着て、職場やお客様に対し、どんな変化を起こせるかをイメージできなければ、その制服は買ってはいただけない。』とは思いませんか。



  二〇一五年五月二十五日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有木宏治

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