2015年 4月号
一、天気も仕事も五月晴れへ!
いつもお世話になりありがとうございます。
お花見でにぎわった季節も過ぎ去り、眩しい新緑の季節になりました。もうすぐ大型連休。お天気が気になるところですが、広島県ではこの時期、空一面を霞ませる黄砂が気がかりです。気持ちの良い晴天を覆うベールには、憂鬱な気分にさせられます。それに今月は、雨の日が続きました。
今月初めに、リミットグループの最終決算書がまとまりました。第四十五期営業報告の要点をまとめますと以下のようになります。商品売上は四%ほど増加しました。販売管理費は、営業努力により前期に比べ、各項目において削減いたしました。ところが、大幅な円安により海外縫製工賃が上がり、最終利益は、ほぼプラスマイナス0になってしまいました。こちらも霞がかかった状況でした。五月は業界も春夏の最盛期、なんとか天気も仕事も、五月晴れといきたいものですね。
二、トレンドは得意のパステルカラー
一般衣料においても、今秋冬も値上げするとの報道が各所から流れてきます。リミットは、今後の中長期における更なる円安の可能性を視野に入れ、先月より三年ぶりとなる値上げを全販売店の皆様にお願いいたしました。これに加え、消費税増税実施の前倒し需要の後のことでもあり、先月売上は、対昨年比で大幅減少を覚悟しておりましたが、なんとか一割減少に留まりました。
受注の推移は、今月上旬では、たくさんのご注文を頂き、勢いがありました。しかし、天候が芳しくなかった中旬以降に停滞し、それが、先週あたりからようやく盛り返し、受注ベースでは昨年比同水準といった状況です。今年の傾向は天候の関係からか、秋冬物の受注がこの時期まで続き、半袖はこれからといった様子です。
今年のトレンドは、パステルカラーだそうです。リミット得意の淡いカラフルな商品も、例年になくたくさんの見本のリクエストを頂いております。
三、再投資、決め手はインフラの整備
出雲工場に五人、新市工場に一人の新人社員が入社しました。縫製は全くの素人だったのに、目を見張るほど手つきがよくなってまいりました。採用人数が増えると、同時に増加するのが製造コスト。人件費だけでなく、機械設備なども増加します。出雲工場と新市工場では、それぞれ違うブランドのものを縫製し、二つの工場の特性を考慮して育ててゆかねばなりません。結果的には、出雲工場閉鎖を考えていた年初とは全く違った形になりました。
こうした再投資を決定した一番の決め手は、交通インフラの整備です。三月下旬に中国横断自動車道、通称「中国やまなみ街道」が全線開通したことです。おかげで、距離を感じなくなりました。冬の降雪時期には、新市─三刀屋間を今まで車で往復七時間かかっていましたが、四時間で行って戻れます。また新直轄方式で整備された高速道路ですので、通行料金は無料です。これからは両工場で人の行き来の頻度を上げ、お互いに技術レベルの向上に励みたいと考えております。
四、高まる国内クイック生産の価値
最近の受注状況は日に日に変化し、翌週の予測もままなりません。天候不順のせいもありますが、注文商品も幅が広がり、生産計画をたてるのに、頭を悩ませています。ここ数年間、芳しくない販売が続いていたため、近々廃番傾向候補にしようと思っていた商品に、突然大口受注が決まったり、コンスタントな生産と出荷を維持していた定番商品で、昨年の三倍以上契約が決まったり、逆に、従来実績通りに在庫していた商品に注文が全くなかったりといった具合です。こうなるとクイック生産にたより、突発的な受注に対応するしかありません。だから、国内工場の役割はますます重要になります。
価格で他社製品と競合があったために入札が行なわれた結果、リミットが新規で受注した取引について、後追いで納入先へお伺いして、発注の動機をお聞きしました。すると「値段はおたくが高かったが、生地が他メーカーより厚手でシッカリしているから、ユーザーが気に入っちゃって」といった理由を挙げられました。リミットは、ほぼ全商品が国内生地を使用しております。エンドユーザーも値段だけではなく、質を追い求める傾向にシフトしてきているのではないでしょうか?だとすると、品質、納期とも担保しやすい国内生産の価値もさらに高くなるということでしょうか?
二〇一五年四月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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