2015年 2月号
一、春の便りと新しいカタログ
いつもお世話になりありがとうございます。
先日、仕事が終わり帰路につきますと、きれいな夕焼けが目に飛び込んできました。ずいぶんと日も長くなったなぁとあらためて気づきました。日本生命ビル内では季節の微妙な移ろいが感じられません。しかし、一歩外へでると、すぐそこに春が来ています。皆様のところには、どんな春の便りが届いているでしょうか?
今月六日に備後吉備津神社の宮司を迎え、「ユニウェアカタログ出陣式」を無事執り行いました。新しいカタログは、皆様のお役に立とうと、旅立ちました。もうご覧いただけたでしょうか。今年もいよいよ本格始動です。カタログが春の訪れの一つであれば、それほどうれしいことはありません。
二、国内生産を強化と技術の継承
今年は「即行動」をスローガンに、私も期首から一気にスタートダッシュをかけました。まずは国内生産増強からです。四月一日までに国内縫製の人員を昨年比で八十%増加させます。そして、バランスよく国内生産と海外生産の増強を行います。そのことで、リミット最大の特徴である多品種小ロット生産を強化します。より多くのお客様のご要望にお応えするよう、更に生産リードタイムが短くなるでしょう。
現時点ですでに五十%の増員ができていますので、これからの課題は、リミット品質の徹底です。そのために、現場での指導と従業員の学習が必要です。すでに新市工場のライン長が、一週間泊りがけで、縫製指導に出かけてくれました。この人は、まだ若いのですが、技術と指導力には一目置かれています。次世代の若い女性たちが、リミットが蓄積した女性物ワーキング・ウエア生産に必要な独特の技術の粋を継承することに、会社の命運がかかっていると思います。
ライン長は、続いて海を渡り中国工場の縫製指導へと精力的に動いてくれます。ライン長が留守の間、新市工場を取り仕切るのは、経験十年のさらに若い副ライン長です。
三、素人集団だからこそ可能なこと
副ライン長が現段階で一番不安を感じているかも知れません。その不安は成長の源泉です。リミットをまかされたときの私もそうでしたが、頼る者がいなくなったら、後は自分を信じるしかありません。失敗するために挑戦があるようなものです。失敗しながら、皆の協力をもらい、それを一つの方向に引っ張ってゆくのです。ですから今、素人集団のリミットらしい体制が、整いつつあると言えます。
リミットは業界でもいち早く全国通信販売の形態に取り組んできました。それは「すべてのお客様に平等であれ」といった趣旨からです。営業マンがいないのでその恣意が入りません。取引条件も販売価格もすべて一律です。
なぜこのような業界内では非常識なことができたのでしょうか?それは、素人集団だからです。他社との競合に勝つことではなく、最終顧客のことだけ考えてやってきました。未来に挑戦してゆくためには、過去の流れを経験していないまっさらな素人が、一番顧客に近いのです。
四、試される生産計画の精度
今月の売上は、来月からの値上げということで、駆け込み需要も手伝い増加しました。今月末までに頂いた受注も多くの未納があります。一方、春夏商戦が間近に迫ってきています。つまり、受注残の生産と春夏商品の生産をいかにスムーズに展開できるか問われます。生産計画の精度が試されるのです。
昨年は新規のお客様も増えましたし、在庫を持っておきたいと考えさせる大きな案件も増加しました。そういう意味では生産計画部門の精度も向上したと言えます。お客様のあらゆる質・量へのご期待に応えるべく態勢を整えています。
そのために、管理部門は増員をせずに、業務を合理化できるシステムを駆使し、スピード感を持ってすべての業務に当たります。即納率を上げるために国内・海外の縫製人員、設備の増強、新分野への商品開発、ITを駆使した構造改革とネット販売も強化します。どれも将来への挑戦に必要不可欠な投資です。
やっと本格的に攻めの経営をするチャンス到来です。為替に振り回された昨年までとは違い、稼ぐ力を取り戻し、将来への種まきをする大事な年がスタートしました。
五、未来に準備を
先日業界新聞のコラムに、「二〇一一年度に米国小学校に入学した児童の六十五%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と、ある大学の研究者が語ったと載っていました。現在人間がやっている仕事が、ITやロボットに取って代わられるといった恐怖感も確かにあります。しかし逆に考えれば、児童の六十五%は新しい職種に就くという意味なのです。新しく生まれた職種には制服が必要かもしれません。いずれにしても、ぐずぐずしている暇は本当にないのです。
皆様、未来への準備はよろしいでしょうか。
二〇一五年二月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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