2014年 7月号
一、全分野で売上好調
いつもお世話になりありがとうございます。
西日本では、梅雨明け宣言がでました。蝉の声が夏本番を告げています。これから猛暑の季節です。皆さま、くれぐれもご自愛ください。
今月は、沖縄を襲った台風が、遠く離れたところにあった梅雨前線を刺激し、各地に豪雨被害をもたらしました。科学の粋を集めて打ち上げた気象衛星も、明日の天気を百%的中させることも、ましてや、災害を防止することもできません。科学的根拠が稀薄な「近々何かが起きるのでは」という予感もいざという時のための備えに資したいものです。
さて、今月末でようやく、国内生産の新市工場と出雲工場は、平常の落ち着きを取り戻しました。当初の生産計画では、四月の消費税増税で販売が鈍ると予測しておりました。しかし蓋を開ければ逆に二桁アップとなり、その読み違い分の増産は、国内工場でカバーするしかありませんでした。生産現場は、連日の残業でよくがんばってくれました。
その春夏商戦を総括するために、データを分析しました。その一端をお知らせします。リミットでは、カタログに掲載している八一〇品番を、基本商品・維持商品・未来商品に三分割して整理していますが、今期は、この三分野すべてで同等の販売増を記録しました。つまり、定番商品だけに集中することなく、商品が幅広く売れたことになります。大きな変化です。追っかけ生産した国内工場は、受注した様々な種類の商品の納期を守るために奮闘してくれました。この努力が実り、総在庫は前年比十%減少の結果となりました。
二、中国工場にめど、25%増産、価格維持へ
この春夏商戦の好調は、昨年の秋冬商戦から続いています。それを受けて、この秋冬商品を増産する決断をいたしました。先月末、中国工場の総経理が来日し、増産で合意したことはすでにこの通信で書いたとおりです。具体的にはこの秋入荷から十%、冬入荷からは二十%の増産となり、来年春には二十五%まで増産いたします。
心配していた中国の工場移転問題が落ち着いたことも好材料でした。今の場所で来年度から向こう二年間の契約更新をすることにしました。現在の小さな工場で増産できるかどうか心配していましたが、工夫をすれば三十五%までなら増産できる、と総経理から力強い言葉をもらいました。従って、リミット品質を教育する負担もなく、工場移転に付帯する大幅なコスト増の軽減もできます。これで、今秋冬商品の販売価格を据え置くことも可能になりました。本当に安堵いたしました。
今秋冬からは、豊富な在庫と価格維持の体制で、皆さまのご期待に応えてまいります。今後とも、「働く女性のためのリミット」をよろしくお願いいたします。
三、中国の努力に人材育成で支援
業界では今秋冬から値上げを実施するメーカーも多いと聞きます。確かに電気やガソリンなどの価格高騰による原材料値上げや、海外製造コストの上昇など、リミット自体も間違いなくコストアップの影響を受けています。そのプレッシャーを受けつつ販売価格維持を決断できた大きな要因は、海外生産拠点、中国福州工場の絶大なる協力があるからです。リミットのような多品種少量生産方式は、一般的には海外工場では疎んじられます。数種類がラインにかかり流れてゆくわけで、縫製指導や品質管理をするライン長は本当に大変です。
最近では縫製のベテラン従業員が、どの工場でも不足しています。中国福州工場でも設立当時から十年間働いたベテラン二名が、この度、別工場に引き抜かれて去ってゆきました。直ちに採用を行い、新人教育から始めなければなりません。やはり工場は人なのです。人材が不安定になることが一番の頭痛の種です。総経理も大変苦労をしています。中国ならではの工夫や知恵を出して、コスト上昇を最小限に抑えてくれています。そんなことまで、と本当に誠意と行動に感心してしまいます。日本側も何とか総経理の力になろうという想いが強くなります。ベテラン二人にかわる人材育成のために、八月末にはリミットの社員三名を伴い訪中します。
四、日中信頼関係の構築を
中国と日本は今、政治的にはいろいろとギクシャクした関係になっています。福州宏正工場とリミットとは、お互いを信頼し、尊敬しあえる関係を築いています。この関係を永久に続けるためには、一体何が大事なのか?真剣に考えなければなりません。その第一歩は、リミットがリミットの特徴を最大限に伸ばす努力をすることだと思います。お互いを認め合うことができる関係構築とは、最終的には、自らを磨いてゆくことなしにはあり得ないのではないかと、改めて思うのです。
皆さまは、お取り引き先と、どのような関係を構築されていますか?
二〇一四年七月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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