2014年 6月号
一、生産計画を上方修正。30%増へ
いつもお世話になりありがとうございます。
梅雨になりましたが、梅雨前線がはるか南に止まったままなかなか北上せず、広島県では、スッキリしない天気が続いております。梅雨がない北海道で長雨が続き、エルニーニョ現象で、今年は、冷夏暖冬と予想されています。異常気象が叫ばれ始めて何年たったことでしょうか?地球規模で考えれば、その悠久の時間の中ではほんの一瞬の出来事。これが当たり前、と開き直って対策を考えれば、案外、愚痴をこぼさなくても済むかもしれません。
今月も生産の状況は、先月より持ち越した受注残を抱え、日々のご注文もこなすために残業を繰り返し、生産計画とともに対応に追われました。売上は微増ですが、今期に入って順調に増えております。しかし、お客様の即納のご期待に応えられず、残念ながらキャンセルになる機会損失も増えております。
月末に来日した福州工場の総経理と話し合いを持ち、来年度の生産計画を、先月のこの通信であきらかにした十%増産から三十%増産へ上方修正しました。福州工場としては二年前に増産して以来、最大の増産になりますので、増員の問題もあり、急激な増産は困難な面もあります。しかし、新工場への移転も視野に入れ、新目標を早期に実現いたします。
この決断に至ったもう一つの理由は、国内での追っかけ生産ではどうしても利益が上がらない、という現実があります。今後、販売が伸びてゆく可能性が高いと判断したら、そこにいろいろな投資も始めなければなりません。そのための資金をしっかり稼がねば、どこかで増産計画もとん挫すると考えるからです。
二、増産決定は「売上増」の分析から
過去五年の間、リミットも海外生産の主力だった青島工場で減産しつつ、代わりとなる福州工場での増産に力を入れながら、売上に対応した適正在庫の追求をいたしました。一年半前まで並行して生産をしていた青島工場と福州工場の納期を比べてみると、船便で積替えがあるので一か月、飛行機便では通関に時間がかかり二週間、福州工場の方が納期を要するのです。国内での生地染めから計算すると、福州工場では戻ってくるのに半年かかってしまいます。それでも東南アジアの生産に比べれば輸送期間も短いとは思います。そこで、クイック生産をこなすためには、国内工場に頼らねばなりません。昨年より生地在庫は十五%増加させていたので、どうにか国内工場で回すことができていました。この度、昨年からの売上増を改めて冷静に分析し、ようやく思い切った増産に踏み切る決断ができました。これも販売店の皆様をはじめ、ご協力くださった取引先の皆様のおかげです。本当にありがとうございました。
三、消費者のマインドに期待
今期に入りここまで好調に推移してきましたが、私の中にはなかなかこの状況を素直に受け入れることができない何かがありました。確かにアベノミクス効果で景況感は徐々に回復してきておりましたが、地方経済に波及するまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
それでもこの度ブラジルでのサッカー、ワールドカップをテレビ観戦しながら、各国サポーターの熱狂に驚嘆させられました。この興奮が六年後にはオリンピックという形で、日本にやってくるのです。それを想像すると、これから否が応でも国民の気持ちが徐々に盛り上がり、景況感も連動して最高潮を迎えるのではないかと考えました。中長期的には、働く人々のマインドに期待できると思うのです。
四、ニーズ多様化は順風
最近ではリミットお客様サービスセンターに届くお客様からの問い合わせも、本当に多種多様になってまいりました。そのこと一つとっても、改めて、リミットが「女性の働く服」に特化し続けたことが実を結んでいると思います。例えば、リミットホームページを見られたエンドユーザーから、マタニティ制服への問い合わせが非常に多くなりました。ネット上で展開するブログを通して、お客様と繋がり、今まで発想もしなかったような新しい商品も生まれつつあります。先月号でお願いしました見本商品に同封している「ご予定についてのお問い合わせ」アンケートについても、皆様のご協力で、徐々に返信されてきております。貴重なご意見を参考にしながら、魅力ある製品を開発し、必要な人に、必要なだけお渡しできるよう、業務に反映できると思います。
世界の政治・経済・軍事の動きには多少不安も残ります。しかし、国内情勢だけを考えると、人口の一番多い団塊世代が第一線から退き、今後の多様な消費活動の中心になり、代わりに団塊ジュニア世代が構造的に新しい社会を形成する過渡期になるのではないかと期待しています。
この波に乗るには、今までのただ在庫ありき、商品ありきではなく、増産も視野に、顧客ニーズに合わせたきめ細かいサービスとお客様との繋がりが必要条件になるような気がしております。多様化は、リミットに吹く順風です。
二〇一四年六月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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