2014年 5月号
一、ばら祭りと制服
いつもお世話になりありがとうございます。
五月十七、十八日の二日間、福山ばら祭りが開催されました。約八十五万本のばらの花が咲き誇りました。ばらは、福山市の花です。両日とも好天に恵まれ、のべ八十一万人が訪れました。各種イベントやパレードもあり、華やかなお祭りとなりました。
こういった催しに行って、いつも思うことがあります。それは、チームや組織ごとに、服装を揃えると気持ちが一つになる、ということです。見ている側からも、それぞれの役割分担が明確に認識でき、非常に有意義なことだと感じます。非日常的な服で皆が統一することにより、お祭りに欠かせない気持ちの高揚や集中力を研ぎ澄ますことができるのだと思います。制服を生業にする者としては、非常に誇らしく、また身の引き締まる思いがしました。
二、好調な小口注文
今月も売上は、順調に推移し、昨年同月比で微増となりました。好業績の第一条件は「暑い時期は暑く、寒い時期は寒く」とよく言われますが、本当にその通りだと実感しております。ただ、先月の通信にも書きました通り、今春夏商戦は、ここ数年動きの悪かった商品に注文が集まるなど、生産計画からすると予測不能な動きが多くなっています。そのため、国内での追いかけ生産が追いつかないまま月末を迎え、今月も残業して納期死守に努めております。この状況を打開するため、中国福州工場で、九月戻り分より十%増産します。秋冬商戦には間に合うものと考えております。
今期の第一四半期を過去五年間で比較してみますと、以下のような特徴があります。お取引のあった販売店の軒数が増加しています。大口注文の増加よりも、注文回数の伸び率が目立ちます。それだけ小口注文が伸びていることが理解できます。
従って、今後においてもリミットの特徴である多品種少量生産を追求しながら、受注即日出荷を増加させるために、生産計画の精度を上げてゆきます。
三、生産性向上と在庫圧縮のために
現時点でリミットがカタログに掲載して生産している商品の種類は、色展開をいれますと八百十種類に上ります。これにSSから六Lのサイズ展開を加えますと、七二九〇種類に上ります。これだけの商品群を生産しながら、適正在庫の維持可能な生産計画は本当に至難の業です。それでも前期は総在庫を八%圧縮しました。今期は更に難易度の高い、増産の強化と総在庫を昨年比五%圧縮の両立に挑戦しています。
新商品を出し続け、一方で、ある商品を廃番にしなければ、商品はどんどん広がります。それとともに生産計画の精度はどんどん悪くなり、追いかけ生産しかできなくなります。私はこの矛盾を克服することが、市場に対応する道だと考えております。これは、今までどおりのやり方では達成できません。生産計画の的中率精度を上げる新たな方法にチャレンジしてゆかねばなりません。
そこで現在、見本注文の段階で、いち早く予定販売数量を把握ができるか?という挑戦を考えております。現在でも見本返却期限の一週間前には、システムが自動的に皆様のところへ「見本返却期限のご案内」と題したFAXを送っています。このFAXに掲載されている見本明細ごとに、採用か不採用になったか記入して、こちらに返送くださるお客様もたくさんいらっしゃいます。しかし、今の要領では生産に入る期間があまりにも短いので、生産投入を少しでも前倒ししたいと考え、「ご予定についてのお問い合わせ」というアンケートにて準備をしています。見本商品出荷時に同封したアンケート用紙に必要事項をご記入してFAXでその情報をご返送していただければ、エンドユーザーが商品決定した後の生産リードタイムが短縮されます。最初は手始めに紙ベースでスタートいたしますが、うまく軌道に乗ればシステム化し、販売店ごとのホームページ上での情報交換を考えております。販売店の皆様とリミット双方の情報をやり取りすることで、結果としてエンドユーザーにもっと早く商品をご提供することができるのです。ご面倒とは思いますが、ぜひご記入くださるよう、よろしくお願いいたします。
四、生地供給の懸念を乗り越える
業界の物流ロットがどんどん縮小する現状を見て、リミットが多品種少量生産に挑戦を続けてきて本当に良かったと痛感しております。しかしながら業界を見渡すと、楽観的にはなれません。私が一番懸念していることは生地供給です。
紡績業界は国内から海外に軸足をシフトしてきております。それは生産だけにとどまらず、販売においても海外市場へのシフトが目立ちます。しかし、リミットの多品種少量生産では、どうしても国内生産に頼らざるを得ません。新機能を持った魅力的な生地が国内で開発されれば、それを色別に小ロット単位で供給していただかなければなりません。
ヒット商品になるものもあれば、廃番となる商品もあるでしょう。それでも、多品種小ロットで高機能商品の開発に挑戦し続けなければならないのです。ヒット商品を夢見てリスクを背負い、新機能を持ったサンプルをたくさん研究開発していた時代もありました。しかし今では国内生産はリスクを嫌い、量を稼げるものしか開発されなくなっています。
この意味では、更に厳しい時代がリミットを待ち受けているでしょう。リミットは、すべての働く女性のため、業界を横断して価値観を共にした仲間同士が手を取り合い、情報を共有しながら、更に前進してゆくことをお約束いたします。
二〇一四年五月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
コメント
コメントを投稿