2014年 2月号
一、自然の脅威と「効率経営」
いつもお世話になりありがとうございます。
今月は太平洋側で発達した低気圧の影響で記録的な積雪になり、各地に被害をもたらしました。ここ福山でも今月上旬の週末に十五センチ程度の湿った雪が積もり、慣れない積雪に公共交通機関は一時麻痺しました。報道によると、甲府や千葉などでは、観測史上記録的な積雪で、生活道路が通行止めで孤立状態となりました。食材輸送が滞り小売店で品薄状態に陥りました。いったん物流が止まると生命をも脅かしてしまう状況は、自然の脅威を常に考慮しない現在の「効率経営」に原因の一端があるのではと、恐怖を覚えました。
作業服は生命を脅かすほど緊急性は高くはありません。それでも在庫が罪庫にならないように気を付けながらも、あらゆるリスクに対応できるだけの在庫は必要不可欠なのだと、改めて感じた出来事でした。
二、変わる女性の働き方と新カタログ
リミットは、今月が新たな期のスタートです。四月の消費税増税をひかえて、たくさんの引合いをいただいています。国内・海外両工場では、フル稼働、納期厳守で頑張ってくれています。今の状況が、四月以降どう変化するのか予測するのは非常に難しいですが、販売実績を見てみると、ここ数カ月間はお客様件数が昨年対比で増加傾向にあります。ユニウェアブランドがお客様に支持されているとの実感から、大幅な落ち込みはないだろうと考えております。
一九八六年の男女雇用機会均等法施行以降、女性の働き方は大きく変化いたしました。いわゆる寿退社が当たり前だった時代から、結婚・出産を経て、長年仕事に携わる女性が増えました。女性の仕事観も多様化しました。妊娠中でも休職することなく、仕事に家庭にとパワフルに活躍する女性も、今ではあたりまえです。今年のリミットは、そんな年代、職種に関係なく、あらゆる場面で活躍されている女性を心から応援したいという気持ちを込め、新カタログを発刊いたしました。
この二〇一四年リミット新カタログは、先週十八日に毎年恒例の出陣式を執り行い、皆様のお手元に、魂を込めてお届けしました。前回から力を入れているスマホなどで詳細な商品情報を参照できる二次元バーコードを、使い勝手が良いように巻末インデックスから、各商品横に移動させました。同一ページで在庫確認から発注まで一連の動作が簡単に行えます。また、アンケート返信で多かった「文字を大きく見やすくして欲しい」という声にお応えし、サイズ表や末巻インデックスなども改善いたしました。
販売店の皆様、働く女性たちにぜひ見ていただけるよう、ご尽力をよろしくお願いいたします。
三、福州工場の移転問題の現状
毎年二月はなぜか忙しく、社内も騒がしくなる月です。そんな中、今月中旬に、半年ぶりに中国福州市の工場に行ってまいりました。以前、この通信でご報告いたしました工場移転問題について話し合ってきました。ちょうど中国の春節明けで、従業員のみんなが戻ってきているかどうか心配でしたが、それは杞憂に終わりました。遅れて休暇を取った二名を除き、皆仕事に精を出してくれていました。一般的に上昇傾向にある賃金については、昨年からの工賃でなんとか回してゆく努力をしてみます、という総経理の力強い言葉をもらいました。その経営努力には頭が下がる想いでした。
移転問題は、とりあえず現在の契約期間である来年一月までは、市政府からも建物の取り壊しはしないという話になっていましたので、そこから先についての意見交換を中心に話し合いました。縫製品質や多品種小ロット生産技術の再教育を考えると、移転は大変です。私としては、来年一月以降も現在入居している建物が壊される予定がなくなるのであれば、今の場所で同じ従業員さんたちで生産することを最優先したいのです。このことは総経理も同じ考えでした。そして、再契約後、近い将来、取り壊しの予定が濃厚なのであれば、今から移転場所と人の募集に努力しなければならないと考えておりました。
ところが、私が宿泊ホテルから工場に着くと、前回の訪問時には空いていた二階にコンピュータソフト会社が新たに入居していました。総経理に聞くと、三年契約で入ってきたそうです。総経理の考えでは、来年取り壊す予定があるのならば、二階のソフト会社は入居してこないこと。昨年の転居騒動があった時点で、リミットの工場はまだ一年半の契約が残っていたこと。以上の二点から、取り壊して政府の保養所にする案は頓挫したのでは、と言うのです。はっきりした政府の最終判断は、来月に工業区の委員会があり、そこで明確になるということでした。どちらにしても来年一月末までは契約が保障されていますので、最終判断後、再考するということでこの度は帰ってまいりました。
これまでのリミット四十四年の歴史を考えると、非常に運の良い会社なので、私は、きっと良い方向に神仏が導いて下さるような気がしています。このことについてはまたご報告いたしますので、楽しみに待っていてください。
二〇一四年二月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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