2013年 10月号



 一、不安ぬぐえぬ一進一退の景況


 いつもお世話になりありがとうございます。

 この通信の先月号を書いていたときには、確かに秋の到来を感じていたのですが、今月に入り、また暑さがぶり返しました。会社のクーラーもなかなか切ることができません。そして、この原稿を書いている今、ここ十年に一度という大型で強い台風二十六号が北上中です。外は低く垂れ下がった雨雲に覆われています。明日関東に上陸する可能性があり、厳重な警戒が必要だと報じられています。皆様のところに被害がないことをお祈りいたします。

 さて、今月の状況ですが、前半は暑さが戻り、夏物がよく動きました。現時点で昨年同月比微減となっています。先月は昨年同月比二桁増でしたので、寒くなってきた後半、秋冬物が動き、昨年同月トントンまで追い上げれば、九、十月で販売増になります。果たしてどのような結果が待っているのでしょうか?

 激変する気候のように、景況感も一進一退を繰り返し、順調に良くはなりません。売り上げが少々伸びても、不安を払拭できません。アメリカ国債のデフォルト問題も今週末には結果が出る予定ですが、どちらに転んでも根本的な解決にはならず、将来に大きな不安を感じます。

 日本では消費税の増税が決定しました。ビジネスだけではなく、これからの少子高齢化社会の社会保障制度に対応できるかどうか、本当に抜本的な改革が必要になると思います。


 二、福州工場退去騒動を好機に


 中国福州工場について先月の続きをお知らせします。それは、八月訪中の時、工場の移転命令が出たことを総経理より聞かされたことです。あまりにも突然のことで、びっくり仰天しました。

 現工場は、前工場が手狭になったので、三年半前に移転しました。台湾の玩具製造企業が撤退した後で、敷地面積は千五百平方メートル、三階建の一階に入りました。二、三階にもそれぞれ別の企業がその後、入居しました。福州市の東工業区の中心にあり、立地条件は非常に良いのです。メイン道路を挟んで真向いには工業区の管理施設があります。入居した翌年には隣に裁判所が建設されました。この三年半の間に周りのインフラは驚くほどスピーディに整備されていきました。

 総経理の話では、私たちが訪中した二か月程前、市政府の役人数人が工場に突如やってきました。そして、「この場所は市政府にとって立地条件が非常に良いので、今の建物を壊して政府のサービス施設を建設したい。ついては近い将来、退去してもらいたい」と申し入れてきました。総経理は、無理だと返事をし、その場は帰ってもらったそうです。この度の訪中時にはすでに二、三階は空いていましたので、市政府も計画を急いでいるのだなと、その話を聞きながら感じました。

 しかしその後すぐ、今度は市政府の上役がやってきて、「小さな縫製工場なのだから、撤去も簡単だ。二、三か月後には出ていくように。もし命令に従わない場合は、ガスや電気を止める」と凄んできたそうです。総経理は、現在の契約期間がまだ一年半あるので、短期間での退去命令は無効であると主張しました。結果的に、契約期間終了までは、現状維持となりました。本当に総経理には感謝しています。

 総経理は、市政府職員が最初に来訪した直後から、いろいろな人に相談し、毅然とした態度で行動したそうです。ただどちらにせよ、契約が切れる一年半後までに新しい場所を見つけ、移転しなくてはなりません。現在の場所は地代も非常に高いので、他所に移ればコストメリットが出るかもしれません。しかし、コストのことだけでは済まない問題もあります。従業員に誇りを持って勤めに来てもらえる場所の価値は、お金でははかれません。

 私と総経理は、この度の移転騒動を好機ととらえています。今後中国国内での独自企画商品の販売も視野に入れ、リミット同様、企画研究部門を設置できる広さの場所に移転することを申し合わせました。そのために、お互いが情報提供しながら未来に向け前進することを誓い合いました。近い将来、新しい場所で、今まで以上のスピードと品質レベルで、リミットブランドが向上するよう力を合わせます。


 三、「着てみてくださいました」シリーズ好評


 前回の通信に同封いたしました「着てみてくださいました」シリーズの販促用追加印刷のご依頼が締め切りを迎え、四十四社の販売店様から、好評をいただき、計千九百八十八部のご依頼を頂きました。是非、皆様の営業活動に有効活用していただきたいと思います。リミットでは今後も皆様の後方支援として、画像データや印刷物など提供し、お役にたちたいと考えております。ご要望をなんなりと、お客様サービスセンターまでお伝えください。


  二〇一三年十月二十五日

       笑顔着
       リミット株式会社
       代表取締役 有木宏治

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