2013年 9月号
一、いにしえの教えに則る
いつもお世話になりありがとうございます。
記録的な酷暑の日々も、気がつけば朝晩がめっきり涼しい時節に変わりました。十九日は、見事な中秋の名月にすっかり秋の夜長を満喫いたしました。しかし、今月は竜巻や強烈な台風が、全国各地に大きな爪痕を残してゆきました。新しく制定された「特別警報」がこんなに早く発令されるとは思いませんでした。
ニュース映像だけでは、被害状況は想像しがたいものです。台風十八号の進路となった地域のお客様には、取り急ぎFAXをしましたが、未達は一軒もありませんでした。ご丁寧に現在の状況をお知らせいただいた先もあり、安堵いたしました。被害にあわれた皆様には、心からお見舞い申し上げます。
この時期に獲れるはずのサンマやイカが海水温の変化で獲れない、といったニュースも報じられていましたが、やはり地球規模で大きな環境変化の時期に入っているのではないかと思います。ここ数十年の短い時間から得た経験を頼りにするのではなく、いにしえからの教えも紐解き、原理原則に則り、未来志向で物事を変化させる大事な時期だということを、今の状況は、教えてくれているのかもしれません。
二、小ロット発注とカタログ部数
先月、今秋冬カタログ追加の希望の返信が少なかったと、この通信で書きました。すると、カタログ申し込み用紙に、コメントが添えられたFAXが返信されてきました。それは、「弊社は御社との取引金額が少ないので、カタログ追加希望を出しづらかったので、同じように恐縮されているお客様が多いのではないでしょうか?」というものでした。
貴重なご意見、本当にありがとうございました。
リミットは一枚からでも喜んで受注するメーカーです。取引金額の多少は、問題ではありません。今後もどうぞご遠慮なく、必要な冊数をご記入ください。無論、作成したカタログ総冊数により、ご希望に添えない場合もございますが、お客様サービスセンターは必ず検討し、最善の方法でお応えします。
現在、企画研究所では来季の新商品、新カタログ作りに大忙しです。きっとご期待に応える内容になると思っております。
三、「価値」創造で持続する好調を
さて、いよいよ秋冬物商戦の最盛期に突入しました。昨年より早く残暑が和らいだこともあり、今月は月初めから二桁増のペースで順調に秋冬物が動いております。注文内容をみると、消費税引上げ前の駆け込み需要ではなさそうです。正確な理由の分析は、来月の業績とその内容見たうえで、判断しなければなりません。とは言え、いいスタートが切れました。
今月の商況が、長らく続いた将来に対する心理的不安が少し解消され、計画的で前向きな投資に移行してゆく予兆であればと期待しております。七年後の二〇二〇年オリンピックの東京招致などが、明るい未来に向かう目に見える契機になれば、日本人は全力で、前向きに、一つのベクトルに総力を結集できると思います。一番重要な、人びとの気持ちの部分に火がつくかどうかが大切なポイントです。
そのためにも、ユニホームを創っている私たちは忘れてはならないのです。「制服を購入する会社が本当に欲しいのは、『道具』としての制服ではなく、制服を合わせることによってその会社が得られる『価値』だということを。」
四、価格の現状維持を決断
私には、ここしばらく沈思黙考していたことがあります。それは、以前通信にも書きました来季に予定している値上げの件です。長期のデフレの中、エンドユーザーの価格に対するシビアな面は否めません。しかも消費税引上げは既成事実の様相です。その一方で、為替コストや原材料高が進んでいます。
結論から申しあげます。来季は値上げをせず、現状維持で臨むことに決定しました。
先月、中国に行き、独資工場の総経理とともにコストについて忌憚のない意見を交わしました。値上げ回避の判断は、その結果です。決断に至った最大の要因は、来季の製造コスト上昇がどの程度になるかでした。中国独資工場のコスト意識が非常に高いのです。毎年、人件費が上昇する中、工場運営にかかる付帯コストを最大限押さえ、人件費上昇を吸収してくれていました。為替による急激なコスト上昇に苦慮する日本側の状況を理解し、来季の縫製工賃据え置きを提案してくれました。本当に公明正大な総経理です。
この度の訪中では、更に驚く仰天ニュースがありました。紙面の関係上、今月お伝えできません。来月の通信を楽しみにしていてください。
五、取引条件の改革を決定
最後に、来年度の消費税対応を視野に入れた取引条件の見直しについてお知らせします。これも私を悩ませていたもう一つの懸案事項でした。この件に関してもこの度、お客様サービスセンターが、税制改革その他の客観条件の変化を視野に入れ、少しでも販売店の皆様が販売しやすいように、取引条件の変更を具体化しました。詳しい内容は別紙にてご確認ください。
今後とも、よりよい取引関係の構築を目指して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
二〇一三年九月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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