2013年 6月号
一、天候による不調を合理的にとらえる
いつもお世話になりありがとうございます。
春をゆっくり愛でる間もなく天候不順の五月。例年よりはやい梅雨入り宣言で、夏期最盛期の訪れに不安をおぼえる今シーズンの初めでした。ところが空梅雨で夏日が続き、六月中旬までは注文が集中しました。このまま順調に推移するかと思いきや、下旬に入り、台風と大雨の影響で注文数が一気に減速。五月分までをカバーするまでには至りませんでした。
農家にとっては待ちに待った恵みの雨でも、私たちには恨みの雨となります。何事も思うように運ぶことが少ないのが世の常というわけです。空を睨んでみても始まりません。こういうときは気が済むまで次への作戦を練り、矢継ぎ早に実行することがストレス解消にはもっとも合理的方法だと思います。夏物も終盤を迎えますが、実績データをしっかり分析し、少しでも次に生かしたいと思っています。
二、さらに多様化、葬儀葬祭業界
先日、葬祭業界の展示会「フューネラルビジネスフェア 二〇一三」に行ってきました。会場は例年通りパシフィコ横浜で、二日間のフェアでした。昨年のリミットは、同展示会にあわせて「リフィンメッセ」を横浜ベイホテル東急にて主催いたしました。今年は充電期間と位置づけ、独自展示会を見合わせました。その分、この一年で業界がどう変化したかをしっかりとこの目で確かめました。
初日から盛況で、来場者数は過去最高だったようです。出店社数も過去最高の百五十社強で、葬儀葬祭に関係するありとあらゆる業種が一堂に会しておりました。マーケットの拡大と、それに対応して新たな参入もあるのでしょう。いずれにしても関心の高まりをひしひしと感じました。
肝心の内容も非常に創造的で示唆に富んでいました。近年は遺骨をお墓に埋葬するのではなく、樹木葬や海洋散骨など葬儀は多様化しています。数年前にヒットした歌「千の風になって」を連想させる世界観が現実のサービスとして展開されています。さらに驚いたのが「バルーン宇宙葬」という大気圏での散骨をプロデュースする会社の出展でした。少子高齢化や家族関係の変化などの社会的変化を背景に、終活に関連する新しいビジネスが立ち上がっていました。リミットでも葬儀葬祭向けの制服を製造してはや十年になりますが、年を追うごとに増産傾向にあります。私もいずれは故人となります。一人の人間としても、どのように儀礼が変化してゆくかを見据え、顧客と対話を繰り返しながら、明日あるべき服を創造してゆかねば、と強く感じました。
それらの展示をチェックしながらふと感じたことがあります。それは、リミットの柱である女性の作業服の分野でも同じような激しい変化が起きているのではないだろうか?ということです。だとしたら、どうやってその情報を取得できるのか?そしていかにすれば、次なる新商品開発に生かせるか?このようなことが次々と浮かんできました。この意味でも、大変有意義な二日間の横浜でした。
三、クレームとその克服について
最近、リミット製品に関するクレームが増えてきております。ご迷惑をおかけいたしましたお客様には、大変申し訳なくこの場をお借りしてお詫び申し上げます。
具体的なクレーム内容を大別すると、生地に関することと縫製に関することの二つになります。縫製メーカーとして、縫製不良に関しては、徹底した検査体制の確立と目的品質へのこだわりを持って臨まなければと、再度、管理体制の強化を図っているところです。生地に関するクレームは、販売店の皆様から返品していただいたクレーム製品を生地メーカーに送り、原因究明に当たっていただきます。
モノづくりを取り巻く環境が年々難しくなる中、目的品質をクリアしないものが市場に出回ることは決してあってはならないことです。失敗をどのように次のよりよい製品づくりに反映させてゆくか。これまで培ってきた信頼を生かすも無にするもそれ次第だと自覚しております。
近年、原材料の調達先が急激に変化しております。リミットでもさらに緻密な調査を行い、激変する環境に即した詳細なロット管理を徹底するよう努力をして参ります。
二〇一三年六月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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