2013年 5月号
一、正直な気持ちを書き続ける
いつもお世話になりありがとうございます。
シーズン最盛期の五月も終わりますが、皆さまの商況はいかがでしょうか?先月より商品出荷に際して、僭越ながら以前弊社で発刊いたしました『極限の精神』を同梱いたしております。お読みいただいた方々から、思いがけず多数の温かい感謝のお手紙やFAXを頂きました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。
私も、何か迷ったとき、この『極限の精神』を手にとりページを繰るのです。励まされることもあれば、経営者としての未熟さに反省を迫られることもあります。毎月、この「リミット通信」で自己に向き合い、正直な気持ちを書き続けることができれば、いつの日か、これまでの通信を読み直したとき、あらためて元気が湧いてきそうな気がいたします。
二、よい種を蒔く努力を怠らない
例年であれば、五月の連休明けから受注出荷とも一気に繁忙期に突入するのですが、今年はなかなかエンジンがかかりませんでした。中旬まで夏物の動きが芳しくなかったのです。天候不順で、夏日の訪れが遅れたことが原因ではないでしょうか。中旬以降、気温が二十五度を超える陽気になり、やっと受注件数も繁忙期らしくなりました。しかし、残念ながら、好調だった昨年同月の実績をクリアできませんでした。
政府日銀による月例経済報告は二カ月ぶりに上方修正となりましたが、まだまだ制服業界が売上を上方修正できるような影響はありません。六月以降どのようになるのか、短期予測もできなくなりましたが、結果は過去の種まきの収穫物。よい種を蒔く努力を怠らないよう努めていきたいものです。
三、常識を疑うべき時代の制服業界とは
会社が持続的に成長してゆくために、常にお客様の数を増やし、売上や利益を増加させてゆくことが経営者の使命です。振り返ってみれば、日本経済は高度経済成長を経て、八十年代のバブル期にピークを迎えました。バブルが弾け、日本経済は一気に下降線をたどりました。これが失われた二十年といわれる長いデフレ経済でした。今、政府主導で日銀が未曾有の量的金融緩和と二%のインフレターゲットを定めています。アベノミクスは、三つの成長戦略で、今のところ順調に推移しているようです。
この成長戦略に期待を寄せる一方で、私はいささか疑問に感じることがあります。モノのなかった時代からモノが溢れかえる時代を経て、それが崩壊して人口の急激な減少、すなわちマーケットの縮小という情況で、売上を至上とする成長路線を続けることがはたして可能なのでしょうか。もし日本経済がこのまま萎縮してゆくとしたら、リミットはどうやって生き残ってゆけばよいのか?現在は女性作業服に集中し、ニッチ戦略を追求しておりますが、更にターゲットを鮮明にして、商品区分を専門化してゆくか、あるいは製品に新たな付加価値をつけ、別次元で競争してゆくか、時代に適応しなければ生き残れない時代になりました。
昨年に比べ、経済政策の「効果」で円安が一気に進み、輸入原材料は価格が高くなっています。更に海外生産コストも、賃金上昇やインフレなどで、ユニホーム業界には大きな負担となります。海外工場を持つ大手製造業はそれでも国内回帰はないと言い、制服を着用する国内生産者人口の減少に拍車がかかります。生産コスト増と市場縮小により、このままでは来年には販売価格も更に上げざるをえなくなります。時代が大きく変わる中、昨日まで常識と考えていたことを改めて疑ってかかり、新しい時代にあった形を模索してゆかねば生き残れません。
四、次期カタログは二種。スマホ活用を視野
ユニホーム業界では、メーカーのカタログを、販売店の営業担当者がエンドユーザーに持って行って提案していただくことが慣例です。そこで先月、販売店の皆様のご協力のもと、販売する立場からリミットのカタログについてご意見をいただくために、アンケートを実施しました。それを集計したところ、現在のリミットカタログに不満を抱く販売店の方が少なからずいらっしゃったのです。
確かにここ数年、カタログコスト削減の結果、リミットカタログは、以前ほどの迫力が出せていなかったと、私も認識しています。そこで、来年度のカタログをどうするかを真剣に考えました。低成長時代を迎え、本当にお客様に喜んでいただくカタログを作るなら、「販売店専用カタログ」と、「エンドユーザー用カタログ」の二種類に分けるべきだと決断しました。「販売店専用カタログ」では、リミットの掛率は、全国一律ですので、価格表示を分かりやすい下代表示にします。取引条件など販売店に必要不可欠な情報を網羅、辞書のように使い勝手の良い最適な掲載に特化させます。一方、配布を前提とした「エンドユーザー用カタログ」は、従来通り上代価格表示です。こちらの内容は、エンドユーザーが判りやすい現場取材中心で、楽しさが伝わるスタイルにします。
将来は、掲載全商品でAR(拡張現実)対応し、無料アプリを読み込んだスマホを紙面にかざすと、動画や音声による詳細情報に直接アクセスできます。
カタログについては来年に向けてこれから検討を始めますので、ご意見・ご希望等ございましたら、是非、FAXかお客様サービスセンターまでお伝えください。
二〇一三年五月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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