2013年 2月号
一、決算期、経営者として自己診断
いつもお世話になりありがとうございます。
二十四節季に照らすと、季節は雨水が過ぎ、もうすぐ啓蟄を迎えます。土中の虫も動き出す陽気になるはずなのですが、まだまだ寒い日が続いております。リミットにとってこの時期は、決算内容を精査し、来季の経営戦略、営業目標を策定する重要な月になります。
前期は、皆さまのご理解をいただき、十七年ぶりの値上げをいたしました。その結果、利益率が好転しました。利益を次の研究投資に有効に活用し、より多くのお客様のお役に立つことが、企業の責任です。またそこに経営の醍醐味もあると考えております。
私は必要利益から売上を想定しますが、売上はお客様から頂くもので、十分なコントロールができるものではありません。だから、私の想定を最終目標とするのは難しいと考えております。まずは自社で管理できる固定費を設定し、必要な利益を上げると同時に将来のための取り組みも行う。この合理的な目標と、適正な利益追求のバランスが重要だと考えております。
その判断基準として最も重視していることは、時間の経過とともに、生産性が向上しているかどうかです。人・モノ・金という経営資源を生産活動にどれだけ投入し、どれほどの付加価値を生み出せるか、を想定すること、これこそ経営者にしかできない仕事だと考えております。
この意味で今月は、過去の決算書を対照して、経営者としての仕事をし、毎年、確実に向上しているかどうかを診断する重要な時期なのです。
二、鮮明になるインターネット効果
販売の観点では、今月は閑散期です。しかし、企画の観点では、今季カタログ発刊の繁忙期でもあります。とは言え、今季スタートの月ですので、売上のほうも気になります。昨年は三月からの値上げ前ということで、駆け込み需要がありました。そこで今月の売上は大幅な減少を予測しておりました。追加注文の件数は減っているのが予想通りの現実です。ところが、大口引き合いの件数は、逆に増えているのです。生地在庫さえあれば、国内工場でクイック生産で対応するのも可能なのです。しかし、肝心の生地がありません。非常に歯がゆい思いでおります。それでも新規大口の注文が増えるということは、「女性のための作業服ならリミット」という認識がお客様に浸透してきた結果ではないかと、自負しております。一方、新規でお取引先も増えてきております。話を伺えば、エンドユーザーがリミットのウェアをご指名という、ありがたいお答が聞けるようになりました。
こうした状況は、詳細は省きますが、インターネットの普及が大きな要因だと考えております。先日の新聞に、インターネット小売りで米アマゾンの昨年の日本での売上高が、前期比十八・六%増の七千三百億円となったと伝えられていました。日本でのネット通販市場でダントツの存在になったと出ていました。これから先、通販市場はどのように変化してゆくのでしょうか?
三、新機軸「スマホde発注」
私自身も、何を買うのかがはっきりしているときは、ネット通販を多用しています。そうした個人の買い物の傾向に比較して、企業のオフィスや生産現場で多数のスタッフが統一して着るユニフォームは、少々事情が異なります。このブランドのこのデザイン、といった指名買いはまだ少ないと思います。そのために、今も残る見本貸出制度などの商慣習が生きているのです。これは独特の提案型スタイルだと、私は思います。そしてこのスタイルを活かしている販売店皆様の役割とその価値も高いのだと思います。
しかし世の中は絶えず変化しています。それとともに提案方法も時と場所、またクライアントなどによって多種多様に変化することが求められるようになりました。それは我々のユニフォーム業界も例外ではありません。販売店の皆様の中には、インターネットによる販売が成功している店は現に存在します。この環境の変化を的確に把握し、ポジションの違うアパレルと販売店のそれぞれの強みを生かし、互いに協力することで、新たな顧客のお役に立つことができると私は考えます。
こういった考えを基に、これからお届けする新カタログでは、販売店とリミットとが連携して、インターネット世代の顧客に新たなアプローチをする「スマホde発注」を提案いたしました。これは、販売店の発注の手間を省いたうえで、カタログ紙面だけでは伝わらない製品の詳細情報をエンドユーザーにご理解いただける大変便利なツールです。
このリミット通信をお届けするのと前後した頃、新カタログも一斉に発送する予定です。それは、時代を先取りしたハイテク機能満載のパワフルなツールです。それはまた、備後吉備津神社で執り行われるカタログ出陣式にて、神秘的なパワーを吹き込んでいただいています。二つのパワーが、皆様のもとでお役に立てることを、心から信じております。是非ご活用ください。
二〇一三年二月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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