2012年 5月号
一、希有の自然現象に際して
いつもお世話になりありがとうございます。
やっと初夏らしく山の緑が濃くなってきました。風が吹くたびに薄緑の葉裏が波打つ爽やかな様子がダイナミックで感動的です。しかし今年は、突風や竜巻、雷雨の報告などが非常に増えているのが、とても心配です。
ここしばらくメディアでは、九百年ぶりの金環日食の話題でもちきりでした。九百年前といえば、平安時代後期です。丁度、貴族の世から武士の世へと、日本の大変革の時期でした。そして九百年後の現在、やはり変革を迫られる時代を私たちは生きています。この希有の自然現象を機に、日本全体が長く深い不安という霧を払拭し、明るい新しい方向に向えばと思います。原発がすべて停まったこの夏、節電は常識となり、今までと百八十度違った逆転の発想が求められ、それが新たな活路を生むような気がしてなりません。
二、受注改善二要因=自家工場と特化戦略
五月は、草木は一気に生長します。リミットの夏物注文も一気に増えました。現時点で出荷枚数が昨年同月比三十六%アップで推移しております。受注残が昨年に比べ半減していることもあり、五月の残り十日間を考慮しますと、少し落として出荷枚数で百二十%前後になるのではないかと思います。
この好調を維持できている要因は、第一に、「海外二拠点と国内二拠点すべてが自家工場である」ということです。海外では、販売シミュレーションに基づき、ダイナミックに生産計画を展開しています。小回りがきく国内工場ではその特徴を活かし、サイズ切れ商品をスピーディーにフォローするといった循環が巧くかみ合っています。しかしこれだけ自社で管理徹底していても、キズ・汚れといった不良品や連携ミスによるトラブルは防げません。これが他社の委託工場で生産していたら、と考えるだけでゾッとします。
確かに、自家工場のみの生産体制にはデメリットもあります。在庫過剰で商況の悪いときには維持させるだけで大変です。しかし今のリミットように、たくさんのお客様の高い期待感が追い風のときは、品質の安定や短納期生産などメリットの部分が大きくなります。
問題は、期待が寄せられている現状に甘えることなく、不良品・連携ミスの徹底排除をさらに目指すことが重要です。現在、お客様からのクレーム・ご意見などはお客様サービスセンターが、また内部のミスや連絡、相談などは当事者が、WEB社内掲示板に日々リアルタイムで書き込んでおり、海外国内工場を含めて情報開示、周知徹底、意思疎通を図るよう、今後も努力して参ります。
原因の第二は、「女性・小口」に特化した戦略が挙げられると思います。日本の景況が徐々に回復していると言われます。とはいえ、まだまだ企業が制服に回せる資金は限られていると思います。家電業界の再編などをみていると、今後の見通しとして、まとまった注文は激減するのではないでしょうか。しかし、働いてくれる従業員がいる以上、時間の経過とともに破れや汚れなどによる最低限必要な制服の小口需要ならあるはずです。エンドユーザーも販売店の皆様も、かつての大口新規の更新の連続だった過去の記憶があるので、小口はコストもかかり、敬遠されているのかもしれません。
「塵も積もれば山となる」で現状を打破するためには、先ほど書きました逆転の発想が必要なのではないでしょうか。エンドユーザーに小口の需要がある以上、それにお応えし続けること、これこそリミットの使命です。
三、私も応援、二・五人態勢で配送
ところで、現在の出荷状況をみると、いくら合理化したリミット配送デリバリーシステムでも、たった二人では時間内の処理ができない状況です。そこで五月中旬以降、午後から一番「暇を持て余している」私が応援に入り、実質二・五人態勢で対応しております。
出荷業務にかかわって感じることがあります。夏物最盛期の五月、今年の特徴は、一件当たりが超小口で、出荷件数が多く、また毎日繰り返し同じお客様への荷物が出荷されている、ということです。このようなケースは、一般的にメーカー側としては「手間だけかかって儲けが少ない」となるのでしょう。しかし再三述べているように、リミットは小口注文に戦略的に特化しています。長年の合理化により一枚からのご注文でも喜んでお受けできます。
配送センターの実作業では、担当者がご注文頂いた納品書の分厚い束を持ち、それを見ながら商品のピックアップをするわけです。ピックアップ移動する距離と時間が最短で済む様、最初に納品書の束を繰りなおしているのです。そうやって棚出しされた商品を他の者が順次検品し、箱や袋で梱包してゆきます。この導線を見ているだけでも、その合理化の工夫に舌を巻いてしまいます。
四、大半がWEB注文にシフト
お客様サービスセンターの受注処理も、今年は大きく変わりました。皆様からのご注文の大半がWEB注文にシフトしたからです。昨年と違い製品在庫が適性に積まれておりますので、WEBで在庫確認をされた後、そのままWEB注文をご利用されるケースが増えております。製品在庫切れの場合も、WEB注文はリアルタイムで受付されますので、リミットからの納期の回答も素早くなりました。お電話いただく内容は、商品に対するお問い合わせかクレームが主になり、電話がかかる件数は劇的に少なくなりました。
こういったところにも、小さな変化が起き、お客様もリミットも共に時間短縮でWIN・WINの関係ができております。更なる合理化のため、この夏には配送センターの担当者にも、持ち運びができるタブレット端末を持たせ、いちいち自分の机のデスクトップ型端末まで戻らなくても、伝票入力や在庫確認ができるようもう一歩進化してみようと思います。小さな変化が大きな変革をもたらすと確信します。
『「女性・小口」のことならリミット』を、ぜひよろしくお願いいたします。
二〇一二年五月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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