2012年 4月号
一、「当たり前」に感謝
いつもお世話になりありがとうございます。
瞬く間に桜の季節は終わりを告げ、いよいよ新緑がまぶしい季節の到来です。とは言え、ここ広島ではまだ肌寒い日もあります。みなさまお変わりありませんか。
四月は新年度が始まる月です。私事ですが、先般、今年高校生となった長女の入学式がありました。それは、列島各地すべての学校が毎年当たり前に繰り返されてきた行事です。しかし、昨年春の東日本大地震の発生以降、被災地では、その当たり前に行われていた行事が中止される現実を目の当たりにしました。親として子どもの成長を嬉しく思うとともに、当たり前のことを当たり前にできることに感謝せずにはいられません。
ところで、今年はなんでも旧暦でいえば三年に一度の一年が十三ヶ月になる年らしく、旧暦の閏三月が終わって四月になるのは、新暦の五月二十一日だそうです。長い春を楽しめる錯覚に陥りますが、いにしえの人々は、どのように感覚を調整していたのでしょうか。気にかかります。
二、利益は、多能な少数精鋭で
さて、四月の商況ですが、終盤で追い上げましたが、途中の中だるみが響きました。出荷枚数で昨年対比「トントン」といった結果でした。二、三月と伸ばしていたのですが、やはりその反動がでました。景気は回復傾向にあるといっても非常に緩やかですから、これから夏に向って小口を如何に拾ってゆくかが商戦のポイントになると思います。
昨年と比べると受注残が半減しており、電話がかかってくる件数も少なく、社内は非常に静かです。しかしその裏側では、システムサーバーが、刻一刻と推移する製品在庫をリアルタイムで計算し、WEB上に在庫情報として提供し続けております。リミットでは、このシステムを基礎に繁忙期を受注業務二人、配送デリバリー業務もたった二人でこなしております。
さらに究極の合理化目標を達成するには、システム・エンジニアたちによるソフト開発が重要な役どころとなります。彼らは、リミットの各業務も兼務しており、日々の業務に精通しているので「痒いところに手が届く」システム作りができます。これよって、通常なら業容拡大に応じた人員増の必要がなくなります。多能な少数精鋭の社員が、繁忙期と閑散期とをうまく割り振り、一致協力して業務遂行してゆくことが、利益を生むうえでとても大事なことだと考えます。
ますます激しくなるグローバル資本主義競争で生き残るためには、日本人は日本人としての強みをあらためて見つめなおし、互いに話し合い、助け合い、組織を流動的に変化させてゆくことが大前提だと思います。リミットも、リミットの強みに依拠して参ります。
三、「ライフエンディング産業」の新段階
現在、リミット総合企画研究所では、六月下旬に横浜で開催する展示会の準備を着々と進めております。この企画は別会社が運営しておりますセレモニー専用ブランドのためのものです。セレモニー業界については、二〇一一年、超高齢化社会の到来を懸念した経済産業省が「ライフエンディング産業」の構築を提言しました。これは、セレモニー産業に明らかな転換期が訪れていることを物語っています。
人口減少・超高齢化社会がますます深化し、孤立死や孤独死といったことが日常的に起こる社会になりました。かつての日本でよくみられた隣近所で維持された相互扶助の関係はどこへいってしまったのでしょうか?血縁でなくても世話を焼きあう文化は今どうなってしまったのでしょうか?極端な貧困や孤独死のセイフティネットワークであった自然法的な結びつきは、大変有効な方法でした。これからは、かつて日本にあった地域共生を正しく評価し再構築しないと日本は、社会として成り立たないでしょう。
葬儀の業界をみると、日本社会のあり方と密接に結びついているので、地域共生の再構築の中で、事前事後のサポート拡充、生前予約、消費者コミュニケーション、といったキーワードが大切になってくるのではないでしょうか。こういったキーワードを基礎に、リミット総合研究所では考え方をカタチにしていく「プロダクト・アウト」の発想で、製品を開発しております。リミット総合研究所では、業界、ユーザーに対する調査活動を通して培ったノウハウを、女性作業服のユニウェア分野にも応用して参りたいと考えております。
これからの新商品に是非ご期待ください。
二〇一二年四月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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