2012年 2月号
一、売り上げ純増、順調な決算
いつもお世話になりありがとうございます。
今年もはや二ヶ月が過ぎようとしております。その早さに「時は金なり」という言葉の重みを痛感いたします。
さて、リミットでは一月の決算整理も早々に終了いたしました。これも月次試算表を素早く作成し、経営に活かすことを目的にシステム化を重ねた結果です。前期決算では昨年に引き続き、売上を伸ばすことができました。リミットは久しく値上げをしておりませんので、前二期は出荷実数が純増したことになります。
この不況下に連続で純増することができた理由は何かと考えてみました。私が考えるに二つの大きな原因があります。一つ目は、海外自社工場の生産が軌道に乗ったことです。二〇一〇年度に設立した福州工場は、一年の試行錯誤を経て、稼働を安定させたことが、純増に大きく貢献いたしました。青島工場と合わせ、海外二工場での計画増産と、そのフォローを国内の二工場でこなす体制は、さらに大幅増産を可能とするものです。
二つ目の理由は、長年、女性のユニフォームに特化してコツコツと開発してきた結果、幅広い女性の職種をカバーできるだけの製品の種類が十分豊富になったことにあると考えます。
二、新年度順調な受注に対応力
リミットの期首である二月は、スタートから順調に加速しております。昨年同月比では大幅な売上増で、指定納期の注文残も大幅アップです。この理由は一つには、在庫の充実があります。もう一つは、三月値上げ前の駆け込み需要とみております。従って、売り上げが純増になるかどうかは、三月以降の出荷実数を比較しないと判断ができません。
この度の値上げがどのように影響するのか、また、まだ納期の遅れをもたらす「生地生産」という背景など、今なお、一抹の不安が残ります。昨年の今頃は、中国福州新工場の生産の試行錯誤を原因として受注残の増加をもたらしました。それに比べれば、今は安定した縫製と製品在庫を維持しており、今期は、期待に胸が膨らみます。業界内では海外生産ロットと売上金額とのギャップが大きくなってきています。その矛盾の解決方として、国内での小回り生産が再注目されているようです。リミットには二つの国内工場が在ります。いつもその存在感を示してくれ、感謝にたえません。
今後も絶えず次世代工場の目標設定とその運営方法を模索、試行し、あらゆる可能性に対応できる実力を蓄積したいと思います。そうでなければ、私たちの存在そのものが脅かされ、薄氷を踏む思いをすると自身に言い聞かせております。
三、ユニウェアに新市場獲得の可能性
先日執り行った「ユニウェア・新カタログ出陣式」では、今年も備後吉備津神社の宮司様に、お客様のお役に立つことを祈念していただき、無事全国に発送することができました。お客様がカタログから感じる訴求価値と、着用していただいて感じられる使用価値との統一を可能にするのは、作り手一人ひとりの思いと技術です。アパレルメーカーとして何が一番大事かということを改めて感じた出陣式でした。
ユニウェアの新カタログは、品番、色展開など、その多さに我がことながら、改めて目を見張りました。二期連続で販売点数の分析では、定番だけが伸びたわけではないことが明らかです。定番を中心に、幅広く多品種で少しずつ販売数量が増加しています。
労働人口の減少が危惧される日本ですが、女性の職場進出については、増加が見込まれると予測されます。会社に女性従業員が一人でもいらっしゃれば、そこには必ずユニフォームの需要が眠っております。リミットが一枚からでも生産・販売している理由は、そんなところにあるのです。
そのような意味でも、「ユニウェア・新カタログ」を十二分にご活用いただきたいと思います。
四、新たなデジタルの時代へ
先般、カタログ制作で長年お世話になっているDNP西日本の広島支店にて、これからのデジタルソリューションが紹介されました。様々なデジタルサイネージも紹介され、その時代の変化には驚きました。今年はリミットグループも次世代の情報端末に対応するため、システムと情報端末を更新する予定にしております。DNPのように今まで蓄積されてきた様々な画像、文字情報などの素材を使って、新たなコミュニケーションツールへの活用の方法が様々な切り口で紹介され、その構想には大いに啓発されました。
ツイッター、スマートフォン、アイパッドなど横文字用語に圧倒されましたが、詳しく説明を聞いていますと、今までどの会社でもやっていた情報収集・分析を、いろいろなソフトをかませることにより、さらに早く、さらに深く、リアルタイムで、情報をお客様にご提供できるツールについて研究できそうです。リミットも早くからデジタルでのシステム化してきましたので、様々なデータを蓄積しております。しかし、活用せずに埋もれたデータもたくさんあります。
現代は、新しい市場であらたに顧客となりうる可能性のある人々と、あらゆるメディアを通じてコミュニケーションをとることができる時代です。固定化した概念を解き放ち、もっと自由に、自然に物事を眺める習慣を身につけなければ、と考えさせられました。
二〇一二年二月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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