2012年 1月号
一、価値観の原点回帰
いつもお世話になりありがとうございます。
新たな年が始まりました。今年もよろしくお願いいたします。
リミットは例年同様、正月四日に新年互例会を催し、決意も新たにスタートを切りました。
昨年は東北大震災があり、日本の良い面、悪い面をはっきりさせた年ではなかったでしょうか。三・一一以来、日本人の価値観が大きく変化したといわれます。しかし私は、変化ではなくむしろ日本人の価値観が原点に帰ったのではないかと思います。「お互い様」、「人と人・心と心のつながり」など、日本人が、本来大切にしていたことを、改めて気づかせてくれました。その代償はあまりに大きく悲しい出来事でしたが、私たちは悲劇に打ち勝ち、再興してゆかねばなりません。新たな日本は古きよき日本かもしれません。グローバル社会の中で埋もれ、見失っていた大切なものを、今一度育んでゆけるような社会に、私たちの手で一緒に創り上げてゆきましょう。
二、リミット40年あらたな付加価値創造へ
現在、新しいリミット総合カタログ制作が最終段階で、企画を中心に非常に忙しくしております。新カタログは、リミット生誕四十周年記念号として、あらためてリミットの歴史を振り返るとともに、未来へのメッセージを込めました。それは、リミットの哲学を刷新したとか、販売手法が変わったとか、そういったことではありません。創業以来ずっと持ち続けた、着て頂く方々への思いがどのようなものであったのか。そして、時代という激流の中でも全く変わることなくモチベーションを保てた理由が何であったのか、このたびのカタログ取材の中で理解できた気がします。「着る人が感動や誇りを持って、仕事に従事できるユニフォームとは?」この永遠の課題を追求してゆくことこそが、リミットの使命です。
前年同月との売り上げ比較も、企業存続のための条件となる利益も、もちろん大事なことですが、そのことだけで一日が終わっていたら、会社も従業員も評論家になって三年先は消えてしまいます。私たちは付加価値を造るメーカーです。成果は全国津々浦々で、リミット製品を着て働く女性たちによって表現されます。その成果の追求こそ、リミットの存在理由や私たちのやりがい、生きがいになっていることを、強く確信しております。
三、問われるリミットの真価
一月はリミットの決算月です。今期も昨年に続き、お客様のお役に立てた一年間となりました。この結果を胸に、二月からの新たな未来には課題がいっぱいです。
その課題の筆頭は、三月から実施する十七年ぶりの商品値上げです。「よく十七年間も値上げをせずやってきましたね」とおっしゃる方がいました。しかし、それはただ十七年間デフレが続いたからだけなのです。今、電力料金や石油など、資源やインフラは値上げの話で持ちきりです。日本も過去二十年の間は、「失われた二十年」などと称されデフレが進行しました。その間に値下げに踏み切ったメーカーもあります。その値下げをしたメーカーは、数年前から値上げを始めました。各メーカーで製造コストの違いはありますが、とても自然なことです。インフレとデフレ、今まさにその転換点にいるような気がします。
モノを作る場所は国内からコストの低い国や地域を探して流転しております。リスク回避のため一カ国にとどまるのではなく、次から次に工場が建設されます。そのことによって、その国や地域の働く人びとの生活が改善されるのでしょうか?これは、ユニフォームに携わる一人としては、考えなければならない命題だと思います。世界経済は激変しています。その中で日本は二十年間もの長い間、モノの価値が下がり続けました。もし、本当にモノの価値が上昇期にさしかかっているなら、それは価値を創造するメーカーとしての真価を発揮できる新たな時代の幕開けです。リミットは原点に立ち返り、すべてのステークホルダーのために、そして価値ある一着のために、変革し続けます。
二〇一二年一月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
有木社長様
返信削除拝読させて頂きました。今月も多くのご教示をありがとうございます。全てに共感を覚えます。 /M.S
いつも暖かいご声援を頂き、ありがとうございます。
返信削除ユニフォーム業界が邁進できる年になるよう。
お互い力を合わせて、がんばりましょう。