2011年 8月号
いつもお世話になりありがとうございます。
皆様、猛暑と節電の夏、体調など崩されてないですか?
暦の上ではもう秋なのですが、残暑の厳しい毎日が続いております。昔から、暑さ寒さも彼岸までと申します。秋までもう少し、何とかこの夏の電力需要のヤマ場を乗り切り、次のステージに進めるよう祈っております。
そしてなにより、東北が大震災、津波、原発事故の被害からの一刻も早い復興されるよう心から願わずにおれません。
一、廃番予定商品の在庫ゼロへ向けて
八月の終わりとともに、今年の春夏商戦もいよいよ終了です。皆さまの商戦はいかがでしたか。意図された通りの結果を迎えられたでしょうか。また次のシーズンの展望はいかがでしょうか。リミットの春夏商戦は、最終的に昨年比一割増となる見通しです。この調子で秋冬商戦も順調に進めばと願っております。
春夏物商戦の好調を支えたのは、精度の高い生産計画と、それを堅持した生産現場の努力です。特に今年は、定番商品だけではなく、スーパークールビズに後押しされて、非常に幅広い製品群が動きました。この動きは、ただ在庫を積めばよいという認識が現実に対応できないことを証明するものでもありました。ニーズに応えて、売れる商品を、売れる期間に、売れる分だけ作る態勢がないと対応できません。これは至難の業なのです。
お客様からすれば、商品在庫は多いほうがよいに越したことはないでしょう。しかし廃番商品の在庫が積み上がれば、結局、その処分費用がまたかかり、そのツケとして最終的に販売商品の価格に転嫁されてしまいます。そうならないためにも、企画・お客様サービスセンターとの連携で、廃番予定商品は最終的に在庫ゼロを目標に生産計画しなければなりません。「廃番在庫ゼロ」という極めて高度な目標には、販売店の皆様のご協力が不可欠です。昨年立ち上げた中国工場が生産力を上げてくるなか、この実力を十二分に生かすためにも必須事項です。
そのために、皆さまにおかれましては、廃番予定商品を速やかにエンドユーザーにお伝え願い、次回制服更新時には、代替商品に切り替えていただけるようお取り組み頂きたいのです。リミットとしては、廃番予定商品をいち早く販売店の皆様にお知らせするよう、ホームページでご案内を開始しております。ぜひご活用くださいますようよろしくお願い申し上げます。
さて、今期秋冬商戦ついては、八月早々より、定番を中心に引き合いをいただいております。例年より早い立ち上がりです。これは、販売店の皆さまの中に、今秋冬に納品予定されている商品をいち早く、計画的に在庫をされる傾向が明確になってきているのではないかと推測いたします。本当にありがたいことです。
二、中国生産の懸念、インフレへの対策
今月の上旬、四ヶ月ぶりに中国福州工場に行って参りました。この四ヶ月の間に工場周辺の道路は細い路地も含めすべて舗装されており、車に乗っていても今までの振動が嘘のように快適でした。交通網も新たに整備され、福州空港から中心部のホテルまでも、今までに比べ十五分短縮されましたし、ホテルから工場までも同じく十五分到着時間が短縮されました。
日本の高度経済成長を経験していない私にとって、たった四ヶ月の間に町の景色や人の動きが変わる福州は、日本の急成長期の状況をイメージさせてくれる都市です。工場に一歩足を踏み入れると、今回も熱い熱気とこれまでに聴いたことのないミシンの轟音が響いていました。
今回の滞在での総経理との議論のテーマは、工場の生産力の問題についてではありませんでした。生産力に関しては、新たに人数を増やさなくても、現在の従業員一人ひとりのスキルアップにより、向上すると思われます。総経理との話し合いは、概ね二つのテーマでした。その一は、深刻化しつつあるインフレとそれによるコスト上昇対応策です。その二は、将来の中国における委託加工貿易の形態についてです。
最近、リミットのお客様サービスセンターに、値上げに関するご質問が増えております。リミットでは今期は商品価格の値上げはいたしません。しかしご理解をお願いしたいことは、なぜ総経理とインフレが重要な話題になったのかということです。昨今の中国のインフレ傾向は、すでに差し迫った状況で、当分終息する気配がないのです。言い換えると、来期からのカタログ記載の価格からは値上げを検討せざるを得ない段階にきています。従業員のスキルアップ、インフレの問題、貿易の形態、いずれも目下のところ悩ましい重要案件です。福州工場はリミット独資の工場です。過去に青島工場では苦い経験があります。それだけに、同じ轍を踏まぬよう緊密に連携を図りながら、ウィンウィンの理念で成長してゆくことをお互い確認し合いました。
なお、価格の問題は、詳細など決まりましたら可能な限り早めに皆様にご連絡いたします。今後とも何卒宜しくお願いいたします。
さあ、秋冬商戦が始まります。気持ちを新たに、九月をスタートさせましょう。
二〇一一年八月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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