2011年 7月号
一、求められるブレない精神
いつもお世話になりありがとうございます。
先週は台風六号が西日本を中心に猛烈な風と雨を運んできました。皆様には被害はございませんでしたか?もし東北に直撃していたら、と考えるだけで恐ろしくなります。
震災、原発事故、欧州の金融危機や米国の経済状況、新興国のインフレなど、世界経済も混沌とした状況に加え、自然界までおかしくなってゆくありさまに、本当に憂鬱になります。そんななか、なでしこジャパンの活躍は本当に嬉しく明るいニュースでした。不屈の折れない心が世界からも絶賛されました。今、もっとも必要なことは、どのような境遇におかれても、ブレない精神かもしれません。
二、技術力で多品種化する受注に対応
七月も終わりに近づき、夏物の最盛期は終わろうとしています。昨年は六月に夏物受注の最盛期を向えながら、中国工場立ち上げで生産が追いつかず、受注残が溜まる一方でした。しかし、今年は、昨年とは打って変わり、順調に出荷を伸ばしました。七月に入り、受注残も去年比半分弱まで消化され、国内工場もようやく落ち着きを取り戻しつつあります。
今年の特徴は、とにかく受注商品が多品種に拡がったことです。リミットと言えば、多品種生産を旨としています。そのリミットが、驚愕する状況でした。ここ数年出荷がなかった商品にまで受注が拡大するなどで、国内でのクイック生産のキャパを上回りました。生地のない場合で最長二カ月、生地のある商品でさえ、最長一ヶ月半先の納期をご連絡するものも出ました。お待ちいただいたお客様には大変ご迷惑をお掛けいたしました。こうしたケースには、少しでも早く商談情報をいただければ、中国生産の輸入便に間に合う場合もございます。このことをユーザーとのご商談の中でご説明いただければ幸いです。
今年は生地納期に頭を抱えましたが、現時点では手元在庫を厚くしております。また、国内生産に関しましても先月のこの通信に書きましたように、国内生産工場の能力強化に着手しております。早速今月より、高い技術力をもつ仲間を増員いたしました。この上にたってさらに、縫製ラインの組み換えなどで生産力の増強を模索し、国内縫製ラインのレベルアップを図ってまいります。
三、働く女性に寄り添う
「二十一世紀は心の時代に入る」とは以前からよく言われてきたことです。しかしながら、これを「予言」とするなら、失敗という他ありません。二十一世紀になってこのかた、実際にはなかなか「心の時代」を実感することはありませんでした。世界経済は混迷を深め、不安と絶望が世界中を飛び交っています。日本も今年、戦後最大の震災があり、無計画な脱原発という言葉だけが空しく響いております。今後予想される日本のエネルギー不足は、将来の不安に拍車をかけるばかりです。人々は内向的になり、物質的社会では得られなくなった豊かさを探して彷徨っているように思えます。人々はこの苦しい世界と真剣に向合い、生き抜くことで、豊かさの本質を体得するのではないでしょうか?
リミットは様々な職場で働く女性たちを日々取材しております。それは今まで発行して参りました「着てみて下さいました」シリーズにも集約されております。あらゆる職場で、時には悩み、もがき、また時には共に励まし歓びあう働く女性一人ひとりのワークシーンに焦点をあててきました。そして、そのことを通してリミットは、個々の職場で実現しようとされている夢や目標の一助になる制服とは何かを追究して参りました。
リミットは、働く女性の悩みや苦しみ、そして歓びに寄り添い、この時代を真に「心の時代」であるとお互いが実感することを経営の基本に据えたいと思います。研究開発も生産も販売もすべてにおいて重要なのは「心の時代」という認識です。「心の時代」に女性が着用する制服は、「優しさ」に満ちていることが必要だと考えます。「心の時代」には、戦略がブレてはなりません。意思や意識が折れてもなりません。
リミットは、かたくなまでに、真っ直ぐ目標を見つめてゆきたいと思います。
二〇一一年七月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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