2011年 1月号



 一、新発想で新市場開拓の年



いつもお世話になりありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

リミットグループは、四日に新年互礼会を開き、今年の業務をスタートさせました。二十一世紀もはや、十年が過ぎいよいよ本格的な創造の時代です。また、時代の求めに適応できない企業を淘汰するスピードが加速した十年間でもありました。今後も更に厳しい競争がこの淘汰を促進するでしょう。世界全体で、企業内外の旧い構造は崩壊し、新しい需要創造は一つの方向性に集約されています。よりグローバルな視点からそれぞれの存在様式に適した企画・生産・販売のポジションが組み立てられています。

それだけではありません。この変化の中、これまでの繰り返しや単なる対症療法ではなく、新しい発想から新市場を創りだす企業が勝利するでしょう。リミットグループもこのことが最も大事ではないかと考えるようになっています。



 二、原点回帰、「ユニウエア」で新市場へ



昨年リミットは、創業四十周年の節目を迎えました。この記念すべき年に、はからずも「第五十二回 全国カタログ・ポスター展」通販部門の銀賞を受賞しました。グループ全社で盛大に祝い、よろこびは二倍になりました。ひとえに皆様方のご支援の賜物と御礼申し上げます。一口で四十年と申しましても、何もないところからの四十年間ですから、私などは想像すらできません。しかし、この四十年間に積み上げた様々な有形無形の資産を新しいスタート台とし、さらに未知の「百年企業」を目指して一つ一つ成果を積み上げて参らねばなりません。

そのためには、ビジネスの原点に立ち戻らねばなりません。リミットは「誰に」「何を」「どのように」したいのかをテーマにリミット総合研究所を核に検討を重ねました。その結果、新たなブランディングの必要性に気付かされました。エンドユーザーの職場経験の中で生まれる価値にフォーカスした製品の開発です。これは、これまでのリミットのカテゴリーになかった新たな市場創造を目指すものです。

それは、次のように要約されます。

「誰に」=「プロ意識を持って働く女性に」

「何を」=「ユニウエアを」

「どのように」=「女性の身体と心を研究して仕立て上げ、提供する会社である」

これを基本事業ドメインとして確認し、「プロ意識を持って働く女性の仕事服」を提供する独自のカテゴリー事業として新展開いたします。

その結論が、名付けて「UNIWEAR®」(ユニウエア)の誕生です。「ユニウエア事業」は、全く新しいブランドで、これまでにはなかった市場をターゲットとします。

この「ユニウエア事業」の導入は、リミット各部門の諸課題を明確にし、その解決に一歩一歩近づくプロセスも包摂した事業です。皆さまのご期待に応え得る事業だと確信しています。



 三、安定価格で信頼確保



さて、日本は長引くデフレ不況の中にあり、ユニフォーム業界では年明け早々、生産背景の問題、原料と中国コスト高騰による値上げ問題で大騒ぎです。リーマンショック以降の販売不振から一転、昨年は猛暑の影響もあり需要が一気に盛り返したような勢いでした。アパレル各社は在庫調整中であったため、瞬間的に需要に供給が追いつかず、製品確保に明け暮れた一年ではなかったでしょうか。

リミットも、昨年前半は青島工場停止と福州工場の生産が見込み通りにはならず、皆様にはご迷惑をおかけいたしました。しかし後半には福州新工場も人員が整い、膨大な受注残も年内に解消することができました。今年については、青島工場が引き続き増産に協力してくれる予定です。多品種少量生産が可能な中国の二つの自家工場がフル稼働いたします。

ところで、原料と中国コスト高騰という二つの問題ですが、リミットには影響がありません。なぜなら、中国二工場は、もともと工賃が高く、両中国人総経理も管理監督をしっかりしてくれているので、急激な人件費高騰による工賃アップの要請はありません。商品価格は断固現状維持で、今のところ値上げは全く考えておりません。

そもそもリミットは、バブル期からカタログ単価、掛率とも一切変えておりません。なぜならユニフォームは消耗商品ではなく、企業価値に関わる継続商品だと考えているからです。

例えて言うと為替コストと同じです。昨今なにかと、為替デリバティブの問題が話題です。リミットも昨年まで将来に渡って為替調達コストを一定に保つために苦労しました。コストが一定なら経営予測が立てやすくなります。同じことが作業服にも言えると思います。経営者なら周期的に購入する作業服調達コストを一定にして予算組みしておきたいと考えます。原料調達コストに連動した価格設定では、為替と同じで、エンドユーザーは、上り下がりする価格に不信感を抱きます。販売店が事情説明して説得するそのコストたるや莫大ではないでしょうか?リミットではこのような思想によって紡績商社とも良好な関係を構築しております。



 四、ウェブカタログ導入へ



昨年は納期でご迷惑をおかけしながらでも完納することができ、結果的に売上は一割アップでした。加えて、製造原価や販管費圧縮により利益を上げることができました。

今年は紙資源の削減に力を入れ、新カタログ発刊と同時にWEBカタログをホームページ上に立ち上げます。また販売店営業に活用できるWEB提案書もスタートいたします。

新ブランド「UNIWEAR®」(ユニウエア)とともに新スタートを切るリミットを今年もよろしくお願いいたします。



二〇一一年一月二十五日

笑顔着

リミット株式会社

代表取締役 有木宏治

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