2009年 10月号
一、どこへ行くのか、ユニフーム業界
いつもお世話になりありがとうございます。
もうすぐ霜月だというのに、こちらでは穏やかな暖かい日が続いております。その影響からか、今年は販売店の皆様から「夏物のフォローができるか」との問い合わせが、特に多く寄せられます。
リミットでは、様々な職種の方々が、多様な労働環境の下で働いておられるということを十分認識しています。一般ファッションと違って、ユニフォームは、労働安全や作業効率、それと快適さも求められています。
ですから、制服を生業にするということは、たとえ廃番商品であろうとも生地のある限りフォローするのも義務だと思っています。お電話でご相談された方が「良かった、ユーザーには来年になるよと伝えているので・・・」と喜んでいただくことに誇りを感じています。と同時にこの環境の変化に、一抹の不安を感じてしまいます。
ユニフォーム業界は今後どのような道を辿っていくのでしょうか?
二、現場担当者まで哲学を!
直近の日銀地域経済報告では、二期連続して全地域「持ち直し」と景気判断を上方修正しております。しかし来年前半には、補正予算の執行停止などの影響を受け再び息切れする懸念があるとのことです。最近の統計では日本の会社に「働き甲斐がない」と感じる人の数が増加しているようです。このような社会環境の中で、労働環境を変革するという観点からも、ユニフォーム業界に携わるものとしての使命はとても重要になってきているのではないでしょうか?
しかし、ユーザーの環境を考えたとき、現在の経営環境から、会社の制服を一新する企業は少ないのは事実です。リミットではもともと別注は二十枚から受け付けております。一枚、二枚の少数でもユーザーにとっては無くてはならないものです。そう考えると、この不況は今まで徹底してきたリミット哲学が広く社会に受け入れられるときではないかとなんだかワクワクしてきました。ユーザー思考で常に考え、情報のスピードと質を常に追求し、リミットに頼んでおけば安心だというブランド作りに邁進してきたやり方が間違っていなかったと痛感しております。
ところで最近、お客様サービスセンターと総合企画室のメンバーが全国の販売店、エンドユーザーをご訪問させていただき、情報交換を通してリミットの方向性の検証を図っております。これには、「動かないリミットが動いた、何か特別な用件?」と訪問先では大変驚かれているようです。この行動を通して、つくづく感じたことがあります。そしてそれは、この哲学についての大変重要なことです。
実は、長年お取引させていただいております販売店の担当スタッフですらリミットの哲学、サービスをあまり知っておられなかったということです。現場では多くの担当者様が、理解や納得しておられない、ということならまだしも、聞いていなかった、知らなかったとおっしゃるのです。これには愕然といたしました。
毎月このリミット通信でお伝えして、承知しておられるとばかり誤解しておりました。今後はリミット通信の発送を利用し、別紙での情報提供やホームページを駆使した提案情報発信に注力いたします。ぜひ経営者の皆様におかれましては、リミット通信をリミット担当者様にお渡しいただきますようお願い申し上げます。
三、エンドユーザーからの共感を
残念なことに今年に入り、民間大口物件もほとんどが入札制度になり、商品が決まった段階でも代替品の提案可能という、値段だけの入札が増えてきているようです。品質・ブランド=プライスという常識はどこへいってしまったのでしょうか。
経済不況の下、販売数量を期待できない現状での価格競争は業界が疲弊していくだけです。価格競争だけでは繊維業界の末路は目に見えております。それでも会社存続を願うとき、中小・零細企業への提案がカギになるものと考えております。一枚、一枚の積み重ねはコストが掛かりますが、その道で利益が出せる体制を生むしかありません。現にリミットは三十年前よりその組織を作ってまいりました。
世の中は待ってはくれないのです。ユーザーのわがままも留まることを知りません。従って「できない」ではなく、「どうやったらできるのか」を考えなければなりません。また、ユニフォームだけでなく、その供給を通してユーザーにどのような総合的な提案ができるか、その力量が求められています。リミットがホームページでご提案しております「着て下さいました」シリーズも総合提案のツールとして販売店の皆様から評価を受けております。ご利用を心からお薦めします。
先日朝礼のテープから流れてきた言葉に「茶は三煎味わう」というのがありました。一煎では本当の価値は分からない。私は、三煎目にして初めて真実を知ることができる、と解釈いたしました。ユニフォームは継続して初めて力を発揮するものです。一回限りの特値は簡単にできますが、それが総合的なメリットではないはずです。お客様に継続して喜んでいただくためには、まず、継続購入していただき、不変の価値を提供することこそが、最も信頼されるのではないでしょうか。今後も四十年間一筋に注力してまいりました女性の笑顔着に特化し、すべての働く女性たちから共感される会社であり続けたいと思っております。
二〇〇九年十月二十六日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有木宏治
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